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 郷の外。隣町の病院の医師は、僕達の住所を見て、腑に落ちたような顔をしてうなずいた。そんな彼の様子に、僕は軽く苛立ちを覚えた。
「一通り、脳の検査をさせてもらいましたが……やはり、間違いないと思います」
 その言葉には抗いようがなかった。
 僕自身、分かっていたことだ。君が異変を訴えて、都会から戻って来た時点で。君は『両親』と同じ病を発症したのだ。
 病院での検査を終えた君は、その晩も火垂る袋を灯したいと言った。
幼い頃に戻ったように、お強請りをする。そんな君に抗うことなく、僕はうなずいたのだった。


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 郷の外。隣町の病院の医師は、僕達の住所を見て、腑に落ちたような顔をしてうなずいた。そんな彼の様子に、僕は軽く苛立ちを覚えた。
「一通り、脳の検査をさせてもらいましたが……やはり、間違いないと思います」
 その言葉には抗いようがなかった。
 僕自身、分かっていたことだ。君が異変を訴えて、都会から戻って来た時点で。君は『両親』と同じ病を発症したのだ。
 病院での検査を終えた君は、その晩も火垂る袋を灯したいと言った。
幼い頃に戻ったように、お強請りをする。そんな君に抗うことなく、僕はうなずいたのだった。