ゴミ箱
ー/ー 魔王城、エリシアのオフィス——
——ガチャ
疲れ切った様子のエリシアと、唯一の部下であるミノタウロスが帰ってきた。
「いやぁ……今回の勇者はヤケに強かったですなぁ……」
ボロボロになったミノタウロスが、椅子にどっかりと腰掛ける。
「この程度で手こずっていてはいけませんの!」
エリシアは言いながら、歩きつつティッシュを取ると、
——ズビズビイィ……
思い切り鼻をかんだ。
——ポイッ
ティッシュをゴミ箱に放り込む。
それを見ていたミノタウロスは、苦笑しながら皮肉を一言。
「エリシア殿が戦っていれば、一瞬で終わったのですがなぁ……」
ミノタウロスは、自分のふくらはぎと肩に貼った湿布を剥がし、ゴミ箱に投げ入れた。
——ベリベリ……ッポイ……
エリシアは、ムッとして言い返した。
「私はあなたにバフをかけるので忙しかったんですの!」
しかし、ミノタウロスはすかさずツッコむ。
「バフって……後ろでヤジ飛ばしてただけでしたが……」
「……」
「オラァ!かましたれや〜!」
「勇者の野郎、ビビってますわよ!」
「突っ込め突っ込め〜!後ろに下がらないで!ほら!」
——戦闘中、実際に言っていた言葉たち。
エリシアは、何かを言い返そうとしたが、ふと自分の手袋に目を落とした。
——穴が空いている。
(……あらまぁ。)
何も言わず、そのままゴミ箱に。
——ポイッ。
ミノタウロスがため息をつきながら見ていると、エリシアが話を強引に続けた。
「応援という名のバフでしょ!? 大体、あなたがもたついているから——」
「もたつく理由の半分はエリシア殿のヤジですがな……」
ミノタウロスは肩の湿布をもう一枚剥がし、またゴミ箱に投げ入れた——。
エリシアは、ふとカバンに入っていた袋を取り出した。
——おにぎり。
勇者戦の前にコンビニで買っていたものだ。
——ベリベリ
包みを剥がし、食べようとすると——
「糸引いてる……」
——ポイッ
エリシアは何の躊躇もなく、それをゴミ箱に捨てた。
「……のう。」
「……?」
部屋のどこからともなく、不思議な声がした。
ミノタウロスとエリシアは、辺りを見渡す。
すると——
「あのう。」
声の出どころは、ゴミ箱。
「……誰ですの?」
「私はゴミ箱ではありません……」
「喋った!?」
——二人、驚愕。
「私はミミックです……」
「あっ……」
「……」
エリシアは、ゴミ箱をじっと見つめる。
そう——彼女がゴミ箱代わりにしていたのは、勇者を陥れるためのトラップとして開発したミミックだった。
「……そういえば作った気がしますわねぇ……。」
ミノタウロスは、静かに肩の湿布をもう一枚剥がして"ミミック" に捨てた。
「……やめてください。」
ミミックが悲しそうに呟いた。
——ガチャ
疲れ切った様子のエリシアと、唯一の部下であるミノタウロスが帰ってきた。
「いやぁ……今回の勇者はヤケに強かったですなぁ……」
ボロボロになったミノタウロスが、椅子にどっかりと腰掛ける。
「この程度で手こずっていてはいけませんの!」
エリシアは言いながら、歩きつつティッシュを取ると、
——ズビズビイィ……
思い切り鼻をかんだ。
——ポイッ
ティッシュをゴミ箱に放り込む。
それを見ていたミノタウロスは、苦笑しながら皮肉を一言。
「エリシア殿が戦っていれば、一瞬で終わったのですがなぁ……」
ミノタウロスは、自分のふくらはぎと肩に貼った湿布を剥がし、ゴミ箱に投げ入れた。
——ベリベリ……ッポイ……
エリシアは、ムッとして言い返した。
「私はあなたにバフをかけるので忙しかったんですの!」
しかし、ミノタウロスはすかさずツッコむ。
「バフって……後ろでヤジ飛ばしてただけでしたが……」
「……」
「オラァ!かましたれや〜!」
「勇者の野郎、ビビってますわよ!」
「突っ込め突っ込め〜!後ろに下がらないで!ほら!」
——戦闘中、実際に言っていた言葉たち。
エリシアは、何かを言い返そうとしたが、ふと自分の手袋に目を落とした。
——穴が空いている。
(……あらまぁ。)
何も言わず、そのままゴミ箱に。
——ポイッ。
ミノタウロスがため息をつきながら見ていると、エリシアが話を強引に続けた。
「応援という名のバフでしょ!? 大体、あなたがもたついているから——」
「もたつく理由の半分はエリシア殿のヤジですがな……」
ミノタウロスは肩の湿布をもう一枚剥がし、またゴミ箱に投げ入れた——。
エリシアは、ふとカバンに入っていた袋を取り出した。
——おにぎり。
勇者戦の前にコンビニで買っていたものだ。
——ベリベリ
包みを剥がし、食べようとすると——
「糸引いてる……」
——ポイッ
エリシアは何の躊躇もなく、それをゴミ箱に捨てた。
「……のう。」
「……?」
部屋のどこからともなく、不思議な声がした。
ミノタウロスとエリシアは、辺りを見渡す。
すると——
「あのう。」
声の出どころは、ゴミ箱。
「……誰ですの?」
「私はゴミ箱ではありません……」
「喋った!?」
——二人、驚愕。
「私はミミックです……」
「あっ……」
「……」
エリシアは、ゴミ箱をじっと見つめる。
そう——彼女がゴミ箱代わりにしていたのは、勇者を陥れるためのトラップとして開発したミミックだった。
「……そういえば作った気がしますわねぇ……。」
ミノタウロスは、静かに肩の湿布をもう一枚剥がして"ミミック" に捨てた。
「……やめてください。」
ミミックが悲しそうに呟いた。
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