#25
ー/ー カオルが近付いて、朱理が怖がっていると気がついていたのに、カオルなら朱理の現状を打破してくれるのではと期待してしまい、止められなかった。
あの時しっかり止めていれば、こんな事態には陥らなかったんだ。
「円佳は、カオルよりも朱理って子を大切にしてる感じだね」
「友達に優劣なんかつけてないよ」
「さぁ、どうだか」
「ねぇ、私達が喧嘩をしてどうなるの? 電話をかけてきたのは、私と喧嘩をするためじゃないでしょ?」
「円佳と喧嘩をしてるわけじゃないよ。朱理って子の仲間と喧嘩をしてるの」
「確かに朱理の仲間ではあるけど、カオルの仲間でもあるし、るんの仲間でもある。もちろん、舞の仲間だとも思ってるけど」
「もう、いいよ。話になんない。自分で朱理って子を探すから、もういい」
ふてくされた口調で言い捨て、舞は一方的に電話を切った。
最近、何かが変だ。舞が受験勉強にかまけているとか、そんなのではない。皆が皆、少しずつ変な気がする。
私を筆頭に、みんなが何かに焦っている感じがする。
卒業が迫り焦っているのか、卒業後の未来……将来を考えて焦っているのか、よく分からない。
通話の切れた携帯の、液晶画面が薄暗くなる。
私は、いらだつ心を静める為に携帯を壁に投げつけようと腕を上げたが、壊れるのを恐れそのまま腕を下げる。
胸の内側がくすぐったく、瞳から涙が出そうだったが、涙は落ちなかった。
涙が溢れ、大声を出し泣けたらどれだけ楽だろうか?
物心がついてから、大声を出して泣く機会はなくなったが、涙は出ていた。
本能のまま泣けなくなってしまった自分が、急に大人になってしまったようで怖くなり、私はお風呂に入るのをやめて、そのままベッドに寝転がった。
◇
こんなにも、学校に行きたくないと思った朝はなかった。
舞と会いたくないし、カオルには合わす顔がない。いっそ、ズル休みをしてしまいたい気分だったが、朱理のことを考えると学校の準備をしていた。
舞とカオルが原因で学校を休もうと思い、朱理が原因で学校に行こうと決心した。なんだか、友達の大切さを秤にかけているようで気分が悪くなってくる。
気分の悪さが影響して、学校の支度を終えても中々部屋を出られずにいた。
『円佳はカオルよりも、朱理って子を大切にしてるね』
昨晩の言葉が頭に蘇る。
あの時しっかり止めていれば、こんな事態には陥らなかったんだ。
「円佳は、カオルよりも朱理って子を大切にしてる感じだね」
「友達に優劣なんかつけてないよ」
「さぁ、どうだか」
「ねぇ、私達が喧嘩をしてどうなるの? 電話をかけてきたのは、私と喧嘩をするためじゃないでしょ?」
「円佳と喧嘩をしてるわけじゃないよ。朱理って子の仲間と喧嘩をしてるの」
「確かに朱理の仲間ではあるけど、カオルの仲間でもあるし、るんの仲間でもある。もちろん、舞の仲間だとも思ってるけど」
「もう、いいよ。話になんない。自分で朱理って子を探すから、もういい」
ふてくされた口調で言い捨て、舞は一方的に電話を切った。
最近、何かが変だ。舞が受験勉強にかまけているとか、そんなのではない。皆が皆、少しずつ変な気がする。
私を筆頭に、みんなが何かに焦っている感じがする。
卒業が迫り焦っているのか、卒業後の未来……将来を考えて焦っているのか、よく分からない。
通話の切れた携帯の、液晶画面が薄暗くなる。
私は、いらだつ心を静める為に携帯を壁に投げつけようと腕を上げたが、壊れるのを恐れそのまま腕を下げる。
胸の内側がくすぐったく、瞳から涙が出そうだったが、涙は落ちなかった。
涙が溢れ、大声を出し泣けたらどれだけ楽だろうか?
物心がついてから、大声を出して泣く機会はなくなったが、涙は出ていた。
本能のまま泣けなくなってしまった自分が、急に大人になってしまったようで怖くなり、私はお風呂に入るのをやめて、そのままベッドに寝転がった。
◇
こんなにも、学校に行きたくないと思った朝はなかった。
舞と会いたくないし、カオルには合わす顔がない。いっそ、ズル休みをしてしまいたい気分だったが、朱理のことを考えると学校の準備をしていた。
舞とカオルが原因で学校を休もうと思い、朱理が原因で学校に行こうと決心した。なんだか、友達の大切さを秤にかけているようで気分が悪くなってくる。
気分の悪さが影響して、学校の支度を終えても中々部屋を出られずにいた。
『円佳はカオルよりも、朱理って子を大切にしてるね』
昨晩の言葉が頭に蘇る。
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