#08
ー/ー「なに、ボッーとしてるの?」
自分の席に着き、何もしないで時間を過ごしていると、カオルが声をかけてきた。近くにはるんもいる。
「ちょっと、考え事」
授業前に朱理と会い、あんな会話をしてしまった為、夏休み明けの初日は終始上の空で、授業内容さえ頭に入らない状態だった。
「昨日も言ってたけど、卒業の事?」
「それもあるけど、今は違うことで悩んでた。ところで、舞は一緒じゃないの?」
「舞は、図書室で勉強中。帰りに遊びに行こうって誘っても、そんな暇はないって断られた」
「そっか、頑張ってるんだね」
自分の席に着き、何もしないで時間を過ごしていると、カオルが声をかけてきた。近くにはるんもいる。
「ちょっと、考え事」
授業前に朱理と会い、あんな会話をしてしまった為、夏休み明けの初日は終始上の空で、授業内容さえ頭に入らない状態だった。
「昨日も言ってたけど、卒業の事?」
「それもあるけど、今は違うことで悩んでた。ところで、舞は一緒じゃないの?」
「舞は、図書室で勉強中。帰りに遊びに行こうって誘っても、そんな暇はないって断られた」
「そっか、頑張ってるんだね」
朱理は、諦めに近い感情だけれど、卒業後の事を考えている。
カオルは長野に残り就職し、るんと舞は目的は違うが、東京の大学を目指している。
私だけが、進路を決めていない。何処の大学に行きたいのか……そもそも、大学に行くのか、就職コースを選ぶのかさえ決めていない。
両親は進学するものだと思い込んでいるので、私は両親の意思のまま進学するのだろう。
自分の意思がなく、はっきりとした考えのない曖昧なビジョン。
「るんは、勉強しなくていいの?」
舞と同じように東京の大学を目指するんに、意地悪な問いをしてしまう。
「私は平気。大学に行くのが目的じゃなくて、東京に行くのが目的だから。今の学力で東京の大学に行ければそれに越したことはないけど、別に落ちたってかまわないし」
「落ちたら、彼と離れ離れになっちゃうじゃん」
「落ちても、東京の予備校に行くから」
るんにははっきりとした目標があるが、それは決して誇れる目標ではなかった。
まぁ、何も考えず流されるまま流されている私よりかはましか。
「と言うわけで、私達は受験と関係なく、最後まで高校生活を満喫しようと誓い合ったのだよ」
カオルが、るんの肩を抱き寄せ宣言する。こういったノリが得意ではないるんは頬を赤らめている。
「円佳はどう? 舞みたいに勉強派?」
勉強は、するに越したことはないが、勉強に時間を割きすぎて、大切な友と過ごす時間が削られるとなると話は別である。
今の楽しみを取るか、近い未来へのたくわえを取るかの二者択一。
「私は……」
私には、将来の夢や目標がない。将来の為に頑張ろうと思っても、何を頑張ればいいのか分からない。
そんな私が下した決断は。
「高校生活を満喫したい」
「円佳なら、そう言ってくれると思ったよ」
本音は、朱理を含めて高校生活を満喫したかった。朱理が悲観的な考えをしてしまうのは、楽しかったと言える思い出がないから……もしくは、楽しかった思い出以上に辛い思い出があり、楽しかった思い出を上書きで消してしまっているように思える。
朱理の人生観を変えるには、辛かった思い出以上の楽しい思い出が必要である。
その思い出を作る絶好の時期は、高校時代、つまり今だ。
以前何かのテレビで言っていた。高校時代の一日と、大人になってからの一日では、重みが違うと。
カオルは長野に残り就職し、るんと舞は目的は違うが、東京の大学を目指している。
私だけが、進路を決めていない。何処の大学に行きたいのか……そもそも、大学に行くのか、就職コースを選ぶのかさえ決めていない。
両親は進学するものだと思い込んでいるので、私は両親の意思のまま進学するのだろう。
自分の意思がなく、はっきりとした考えのない曖昧なビジョン。
「るんは、勉強しなくていいの?」
舞と同じように東京の大学を目指するんに、意地悪な問いをしてしまう。
「私は平気。大学に行くのが目的じゃなくて、東京に行くのが目的だから。今の学力で東京の大学に行ければそれに越したことはないけど、別に落ちたってかまわないし」
「落ちたら、彼と離れ離れになっちゃうじゃん」
「落ちても、東京の予備校に行くから」
るんにははっきりとした目標があるが、それは決して誇れる目標ではなかった。
まぁ、何も考えず流されるまま流されている私よりかはましか。
「と言うわけで、私達は受験と関係なく、最後まで高校生活を満喫しようと誓い合ったのだよ」
カオルが、るんの肩を抱き寄せ宣言する。こういったノリが得意ではないるんは頬を赤らめている。
「円佳はどう? 舞みたいに勉強派?」
勉強は、するに越したことはないが、勉強に時間を割きすぎて、大切な友と過ごす時間が削られるとなると話は別である。
今の楽しみを取るか、近い未来へのたくわえを取るかの二者択一。
「私は……」
私には、将来の夢や目標がない。将来の為に頑張ろうと思っても、何を頑張ればいいのか分からない。
そんな私が下した決断は。
「高校生活を満喫したい」
「円佳なら、そう言ってくれると思ったよ」
本音は、朱理を含めて高校生活を満喫したかった。朱理が悲観的な考えをしてしまうのは、楽しかったと言える思い出がないから……もしくは、楽しかった思い出以上に辛い思い出があり、楽しかった思い出を上書きで消してしまっているように思える。
朱理の人生観を変えるには、辛かった思い出以上の楽しい思い出が必要である。
その思い出を作る絶好の時期は、高校時代、つまり今だ。
以前何かのテレビで言っていた。高校時代の一日と、大人になってからの一日では、重みが違うと。
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