SCENE171 一方のセイレーン
ー/ー ウィンクとの電話を終えたあたしは、すぐさま次の電話をかけています。
『なんですか、セイレーンさん』
そう、言わずと知れた下僕ですわ。ここまでやってこれるのは、この下僕だけ。こっちの世界のダンジョン管理局とて、あたしの聖域には踏み込ませませんわよ。
あたしは、下僕を問答無用で呼びつけると、シードラゴンと一緒に下僕がやって来るのを待ちます。
時間にして二時間かしら。ようやくボス部屋に下僕が姿を見せましたわね。
「お、お待たせしま、した……」
ここまでかなり急いで来たようね。下僕の呼吸が乱れていますわ。
それにしても、やはり悔しいですわね。こんな弱そうな相手だというのに、ダンジョンの罠で撃退できないというのは。直感スキルと隠密スキルの組み合わせで、こうも簡単に突破されてしまう。
ですけれど、それがあるからこそ、いろいろと都合がよいのですわ。
「下僕、とりあえずこちらに来て座りなさい。シードラゴン、飲み物を出してあげて」
「はっ、お嬢様」
あたしは下僕をボス部屋の中へと招き入れる。
普通、殿方を簡単に招き入れるというのはすることではありませんわ。ですが、ここは異界の法から外れたダンジョンの中。特に気にすることはございませんわ。
それに、あたしの方がから呼びつけておいて、ぞんざいな扱いなどできるわけがございませんのよ。
「あの、今日俺を呼んだ理由って何なんでしょうか」
シードラゴンの淹れた紅茶をひと口で飲み干すと、下僕はあたしに向かって質問をしてきている。生意気ですわね。
まあ、気になるのは仕方ありませんかしら。なので、あたしはすぐさま本題へと入りましたわ。
「ウィンク様とお話をして、年越しで一緒に配信をすることにしましたの。なんでも、こちらの世界はもう年末というではありませんか。あたしの家でも、年越しの際にはパーティーをしておりましたのでね。ちょうどよいかと思いましたのよ」
「な、なるほど……」
あたしの言葉に、下僕はどういうわけか笑顔をこぼしていますね。まったく、あたし以外に気があるようですわね。お仕置きが必要かしら。
笑顔を浮かべて睨みつけますと、下僕は思わず震え上がっておりましたわ。まったく、しっかりとしつけませんといけませんわね。
あたしは思わずため息をついてしまいます。
「それで、下僕には配信を手伝ってほしいのですわ。あたし一人でも配信はできるようになりましたけれど、詳しい操作方法となるとまだ全然理解できませんものね」
「すごいですよね。俺でも覚えるまでずいぶんとかかったのに……」
なんだか下僕は悔しそうですわね。
ですけれど、あたしはまだまだ満足できておりませんのよ。もっとしっかりと配信を行えるようにしませんとね。そのためには、下僕の助力がどうしても必要でございますのよ。
とにかく、配信まで時間がございませんので、まずは下僕に配信のことについて話をしていきますわ。
ウィンクスダンジョンのダンジョンマスターであるウィンクと一緒に、ダンジョンからの配信で年を越すという企画ですわよ。
さすがの下僕も、あたしの説明を聞いて黙り込んでしまいましたわね。
「どうかしら」
「いえ、いいと思います。こういう年越し企画というのはなかなかありませんからね。大体、ダンジョンの中にいると基本的にはモンスターを倒しながらという状況になりますからね。入口付近の安全地帯でないと、なかなかにできたものではありませんよ」
「そうなのですわね」
あたしたちにはこちらの事情なんてものはよく分かりませんので、下僕に話を振りながらも、結局は話半分にしか聞いておりませんわ。
「でも、大丈夫かなぁ……」
「何がですの?」
下僕は腕を組んで考え込み始めましたわ。
「いえ、未成年者は夜十時以降の配信を止められているんですよね。ダンジョンにも潜れませんし」
「あら、そんなことですの。ウィンク様はダンジョンマスターですから、年齢なんて関係ないんじゃありませんの?」
「あー、確かにそうかも知れませんね……。でも、それはダンジョン管理局に確認してみませんと。それに俺自身も引っかかりますからね」
「まあ、法律は確かに重要ですものね。秩序を守るために法律はありますから、守るのは当然ですものね」
話を聞いていて、あたしも納得しましたわ。
あたしとて公爵家の令嬢ですもの。法令順守は基本中の基本ですわ。モンスターなのに何を言っていると思っている方もいらっしゃるでしょうけれど、あたしの国は法治国家なのですわ。
「仕方ありませんわね。ダンジョン管理局とすぐにお話をすることとしましょう」
いろいろと面倒なことがあると分かったので、あたしはすぐにダンジョン管理局へと連絡を入れることにしましたわ。
お相手は、あたしたちと面識のある、ダンジョン管理局の浮島という殿方ですわね。
連絡を入れてみましたら、意外とあっさりと許可が下りましたわね。あたしが配信をするのであるのなら、特例で配信制限を外すとのことでしたわ。
それにしても、夜中の配信が止められているとは思いませんでしたわね。今まで日中の配信ばかりをしておりましたから、気付きませんでしたわよ。
とりあえず、これで年越し配信は無事に行えそうですわね。そうなれば、あとはどのような内容を配信するかですわ。
ふふっ、なんだか楽しくなってきましたわね。
とにかく、問題をクリアしたあたしは、すぐさまシードラゴンと下僕とともに、作戦会議を始めましたわよ。
『なんですか、セイレーンさん』
そう、言わずと知れた下僕ですわ。ここまでやってこれるのは、この下僕だけ。こっちの世界のダンジョン管理局とて、あたしの聖域には踏み込ませませんわよ。
あたしは、下僕を問答無用で呼びつけると、シードラゴンと一緒に下僕がやって来るのを待ちます。
時間にして二時間かしら。ようやくボス部屋に下僕が姿を見せましたわね。
「お、お待たせしま、した……」
ここまでかなり急いで来たようね。下僕の呼吸が乱れていますわ。
それにしても、やはり悔しいですわね。こんな弱そうな相手だというのに、ダンジョンの罠で撃退できないというのは。直感スキルと隠密スキルの組み合わせで、こうも簡単に突破されてしまう。
ですけれど、それがあるからこそ、いろいろと都合がよいのですわ。
「下僕、とりあえずこちらに来て座りなさい。シードラゴン、飲み物を出してあげて」
「はっ、お嬢様」
あたしは下僕をボス部屋の中へと招き入れる。
普通、殿方を簡単に招き入れるというのはすることではありませんわ。ですが、ここは異界の法から外れたダンジョンの中。特に気にすることはございませんわ。
それに、あたしの方がから呼びつけておいて、ぞんざいな扱いなどできるわけがございませんのよ。
「あの、今日俺を呼んだ理由って何なんでしょうか」
シードラゴンの淹れた紅茶をひと口で飲み干すと、下僕はあたしに向かって質問をしてきている。生意気ですわね。
まあ、気になるのは仕方ありませんかしら。なので、あたしはすぐさま本題へと入りましたわ。
「ウィンク様とお話をして、年越しで一緒に配信をすることにしましたの。なんでも、こちらの世界はもう年末というではありませんか。あたしの家でも、年越しの際にはパーティーをしておりましたのでね。ちょうどよいかと思いましたのよ」
「な、なるほど……」
あたしの言葉に、下僕はどういうわけか笑顔をこぼしていますね。まったく、あたし以外に気があるようですわね。お仕置きが必要かしら。
笑顔を浮かべて睨みつけますと、下僕は思わず震え上がっておりましたわ。まったく、しっかりとしつけませんといけませんわね。
あたしは思わずため息をついてしまいます。
「それで、下僕には配信を手伝ってほしいのですわ。あたし一人でも配信はできるようになりましたけれど、詳しい操作方法となるとまだ全然理解できませんものね」
「すごいですよね。俺でも覚えるまでずいぶんとかかったのに……」
なんだか下僕は悔しそうですわね。
ですけれど、あたしはまだまだ満足できておりませんのよ。もっとしっかりと配信を行えるようにしませんとね。そのためには、下僕の助力がどうしても必要でございますのよ。
とにかく、配信まで時間がございませんので、まずは下僕に配信のことについて話をしていきますわ。
ウィンクスダンジョンのダンジョンマスターであるウィンクと一緒に、ダンジョンからの配信で年を越すという企画ですわよ。
さすがの下僕も、あたしの説明を聞いて黙り込んでしまいましたわね。
「どうかしら」
「いえ、いいと思います。こういう年越し企画というのはなかなかありませんからね。大体、ダンジョンの中にいると基本的にはモンスターを倒しながらという状況になりますからね。入口付近の安全地帯でないと、なかなかにできたものではありませんよ」
「そうなのですわね」
あたしたちにはこちらの事情なんてものはよく分かりませんので、下僕に話を振りながらも、結局は話半分にしか聞いておりませんわ。
「でも、大丈夫かなぁ……」
「何がですの?」
下僕は腕を組んで考え込み始めましたわ。
「いえ、未成年者は夜十時以降の配信を止められているんですよね。ダンジョンにも潜れませんし」
「あら、そんなことですの。ウィンク様はダンジョンマスターですから、年齢なんて関係ないんじゃありませんの?」
「あー、確かにそうかも知れませんね……。でも、それはダンジョン管理局に確認してみませんと。それに俺自身も引っかかりますからね」
「まあ、法律は確かに重要ですものね。秩序を守るために法律はありますから、守るのは当然ですものね」
話を聞いていて、あたしも納得しましたわ。
あたしとて公爵家の令嬢ですもの。法令順守は基本中の基本ですわ。モンスターなのに何を言っていると思っている方もいらっしゃるでしょうけれど、あたしの国は法治国家なのですわ。
「仕方ありませんわね。ダンジョン管理局とすぐにお話をすることとしましょう」
いろいろと面倒なことがあると分かったので、あたしはすぐにダンジョン管理局へと連絡を入れることにしましたわ。
お相手は、あたしたちと面識のある、ダンジョン管理局の浮島という殿方ですわね。
連絡を入れてみましたら、意外とあっさりと許可が下りましたわね。あたしが配信をするのであるのなら、特例で配信制限を外すとのことでしたわ。
それにしても、夜中の配信が止められているとは思いませんでしたわね。今まで日中の配信ばかりをしておりましたから、気付きませんでしたわよ。
とりあえず、これで年越し配信は無事に行えそうですわね。そうなれば、あとはどのような内容を配信するかですわ。
ふふっ、なんだか楽しくなってきましたわね。
とにかく、問題をクリアしたあたしは、すぐさまシードラゴンと下僕とともに、作戦会議を始めましたわよ。
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