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九話(上) ”コハク“とキョウ

ー/ー



 僕とお菓子作りとの出会いは、幼少期に遡る。母さんが買ってくれた絵本がきっかけだった。特に最後のページが大好きで、表紙がボロボロになるくらい何回も読み返しては、お菓子屋さんのクマさんと、彼を取り巻く幸せな笑顔に思いを馳せていた。
 
「お母さん、できたよ!」
 ある休日の午後。幼い僕は、まだ少しぶかぶかのミトンを着けて、オーブンから慎重に天板を取り出す。リビングには、書き物をしながら、少し心配そうに僕を見守る母さんがいた。
「あら、おいしそうなマフィンね」
「マフィンじゃないよ!カップケーキ!焼きたて、食べてみて!」
「いいの?じゃあ、いただきます」
 母さんは天板に乗った熱々のカップケーキを一つ手に取ると、小さくちぎって、口に運んだ。僕はドキドキしながら、反応を待つ。
「ん〜!ふわふわしてて、とってもおいしい!」
「やった!」
「すごいわね〜!やっぱりキョウは天才だわ!」
「えへへ…」
「そうだ。今度ツカサさんが返ってきたら、また作ってくれないかしら?みんなで食べましょう!」
「うん!パパ、早く返ってこないかな〜」
 僕の頭を、母さんの白くてしなやかな手が撫でる。微笑む母さんを見ているとだんだん僕まで嬉しくなって、あたたかい気持ちになった。
 
 混ぜて、こねて、冷やして、焼いて……。色も形も手触りも違うバラバラの材料が、組み合わせや手順を少し変えるだけで、様々な変化を遂げる。そんなお菓子作りに、僕はどんどんのめり込んでいった。それに、お菓子を作ることはもちろん大好きだったけど、誰かに僕のお菓子を食べてもらうことはもっと好きだった。内気で人と関わることが苦手だったし、父さんは仕事で家にほとんどいなかったから、振る舞える人は母さんくらいだったけど。誰かに笑顔になってもらうことが、ただただ嬉しかったんだ。
 
――

 中学校に進学してからも、お菓子作りの趣味は続いていた。部活は興味を引くものがなくて入らなかったから、放課後は家に帰って、家事の手伝いをしたり、リビングで勉強をしたりして、母さんと過ごす時間をつくった。
 
「ツカサさん?久しぶり。お仕事大変そうね……。キョウ?ええ、元気ですよ。あの子ったら、お菓子作りに夢中で。もう毎日楽しそうに……ええ、はい。すみません。もちろんお勉強もしっかりさせてますから。私に任せてください」
 母さんが電話をしながら、電話の向こうの父さんに何度も深々とお辞儀をする。すみません、と夫婦の間で交わされるはずのない言葉を口にするその姿に、胸が痛んだ。僕がこうして家にいる時間を増やしたのも、母さんに寂しい思いをさせたくないからだった。当時の思春期の僕は、恥ずかしくて面と向かって伝えられなかったけど。
「ねえ、母さん」
 受話器を置いて小さく息を吐く母さんに、話しかける。
「どうしたの?」
「父さん、何か言ってた?」
「え?そうね、えーと……お勉強はきっちり頑張りなさいって。そんな感じかしら」
「それだけ?」
「……」
 母さんは言葉を詰まらせた。 
「次は、いつ帰ってくるの?」
「ツカサさんは…忙しくてしばらく帰ってこれないそうよ」
「……最後に三人で出かけたのっていつだっけ」
 記憶を辿ってみる。水族館、お菓子の工場見学、小学校の卒業式……しかしそこに父さんの姿はなかった。今ではもう父さんの顔すらぼんやりとして、どんなだったか思い出せない。
「父さん、僕たちに会いたくないのかな」
「そんなことないわ!そんなこと、絶対」
 声を荒げる母さん。その言葉は僕に向けられたものではなく、母さんが自分自身に言い聞かせているように聞こえた。彼女の叫びが真っ白なリビングの壁に吸い込まれて、静寂が訪れる。
「……ごめんなさい」
 はっと我に帰り、震える声でまたその言葉を口にする母さん。僕は何も言えず、見つめることしかできない。
「そうだ……ねえ、キョウ。これを見て」
 母さんは何かを思い出したのか、急き立てられるように自分の部屋へ向かう。戻ってきたその手には、製菓学校のパンフレットと、入学説明会の資料が握られていた。
「これって……もしかして」
 パンフレットの表紙。その学校名と校舎の写真には見覚えがあった。
「色々調べてみたんだけどね。ここなら、思いっきりお菓子の勉強ができる。ここからは遠いけど、寮もあるし。技術だってたくさん磨けるわ。どう?目指してみない?」
「でも…」
「キョウ」
 母さんは僕の名前を呼んで、手を握る。
「私たちはあなたのことを応援してるの」
 握るその手にぎゅっと力が込められる。まるで、懇願するかのように。
「あなたは、一流のパティシエになれる。これはただの親の勘にすぎないけど…あなたにはその素質がある。だからたくさん学んで、経験を積んで、独立して自分のお店を持ったり、有名になったりして……そうして、ツカサさんの子にふさわしい、立派な人間にならなきゃいけないの。そのためなら、私にできることは何でもしてあげるから」
「でも、そうしたら、母さんが一人になって……」
「お母さんのことは心配しないで?」
 遮るようにして、母さんは微笑む。その瞳が、わずかに揺らいだように見えた。その揺らぎの源は、愛なのか、優しさなのか、それとも自己犠牲なのか。
「……うん。考えてみる」
 わからなかったけど、母さんのそんな顔を見たら、首を横には振れなかった。
 
 夜。時計の針は頂上を指している。眠れなくて、僕は母さんからもらった学校のパンフレットをパラパラと捲っていた。資料の要所要所に引かれたラインマーカーと綺麗なメモ書きからは、母さんが真剣に僕の進路を考えてくれていることが伝わってくる。確かに、製菓学校には興味があった。最新の設備がそろっていて、広々とした厨房を自由に使って、先生からもたくさんの技術を学べる。留学制度や語学学習も充実していて、世界を見据えたハイレベルな教育が行われているのも魅力的だった。ちらっと見た学費案内のページは文字通り桁違いで、そっと閉じてしまったけど。そこへ行けば、一流のパティシエになるための準備ができる。母さんと父さんが描く、理想の息子になれる。
 …でも、違った。そうじゃなかった。僕が本当に作りたいものは、格式高いホテルのシェフが作るようなスイーツでも、世界を飛び回る一流パティシエが手がける高級なお菓子でもなくて、温もりを感じられる家庭的なお菓子だった。特別な日だけじゃなくて、なんでもない日にも寄り添ってくれるような、安心するお菓子が作りたかった。あの時読んだ絵本のクマさんみたいに、誰かの背中をそっと押して、笑顔にできるようなお菓子が作れたら。父さんと母さんとまた三人で食卓を囲めたら、それでよかった。

――
 
 締め切り間近。ギリギリまで悩んで、僕は出願を決めた。製菓学校……ではなく、地元の公立高校に。郵便局から帰ると、母さんがリビングにいた。
「ただいま」
「キョウ、少し話さない?」
 母さんの前には、白紙のままの製菓学校の出願用紙が置かれていた。今にも泣き出しそうな母さんの顔を見て、逃げることもできず向かい側に座る。
「どうして、相談してくれなかったの?」
「相談しても…変わらないと思ったから」
「でも、出願する前に言ってくれてもいいじゃない。大事な進路なのに、勝手に決めるなんて…」
「言ったら、母さんはきっと説得しようとしたでしょ」
「でも、ツカサさんになんて説明したら…!」
「それだよ」
 また父さんの名前を出される。もう、我慢の限界だった。
「母さんはいつもそうだよね。何かあるとすぐツカサさん、ツカサさんって」
「キョウ…?」
「いつも帰ってこないのに、そんなに父さんのことが大事なの?」
 勝手に溢れてきそうな涙を堪えて、声を絞り出す。
「すぐそばにいる僕の気持ちは……僕のことは、見てくれないの?」
 喉の奥に押し込めていた熱。一度噴き出してしまったそれは、もう止められなかった。
「私だって……私だって!あなたのためを思って…!ずっと、我慢、していたのに」
 母さんは僕の肩を掴む。その手は震えていた。
「あなたがパティシエになってくれたら、どんなに幸せか……!」
 縋り付くようなその瞳から、大粒の涙が落ちる。必死に言葉を紡ぐ母さんの姿は、壊れそうな自分の正義を疑うまいと抗っているようだった。
「どうして…言うことを聞いてくれないの……これじゃもう、私は……」
 母さんはふらふらと、思い足取りでリビングを後にする。背後でバタンと寝室のドアが閉まった。
 
 たった一枚の木の板が、母さんと僕との間に埋めることのできない隔たりを生んだ。ああ、母さんを裏切ってしまった。取り返しのつかないことをしてしまった。母さんはずっと僕に期待を寄せて、自分を犠牲にしてまで、僕の幸せを願ってくれていたのに。遺物のように机に並べられた製菓学校の出願用紙とパンフレット。一流のパティシエになってほしいという母さんの理想と、誰かのそばで温もりのあるお菓子を作り続けたいという僕の理想。二つの願いは、重なり合うようでいて、違っていた。
「……ごめんね、母さん」
 閉ざされた部屋に向かって呟く。寂寥感と、自分で選んだ道の重み。僕はただ、静まり返ったリビングに立ち尽くすことしかできなかった。


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 僕とお菓子作りとの出会いは、幼少期に遡る。母さんが買ってくれた絵本がきっかけだった。特に最後のページが大好きで、表紙がボロボロになるくらい何回も読み返しては、お菓子屋さんのクマさんと、彼を取り巻く幸せな笑顔に思いを馳せていた。
「お母さん、できたよ!」
 ある休日の午後。幼い僕は、まだ少しぶかぶかのミトンを着けて、オーブンから慎重に天板を取り出す。リビングには、書き物をしながら、少し心配そうに僕を見守る母さんがいた。
「あら、おいしそうなマフィンね」
「マフィンじゃないよ!カップケーキ!焼きたて、食べてみて!」
「いいの?じゃあ、いただきます」
 母さんは天板に乗った熱々のカップケーキを一つ手に取ると、小さくちぎって、口に運んだ。僕はドキドキしながら、反応を待つ。
「ん〜!ふわふわしてて、とってもおいしい!」
「やった!」
「すごいわね〜!やっぱりキョウは天才だわ!」
「えへへ…」
「そうだ。今度ツカサさんが返ってきたら、また作ってくれないかしら?みんなで食べましょう!」
「うん!パパ、早く返ってこないかな〜」
 僕の頭を、母さんの白くてしなやかな手が撫でる。微笑む母さんを見ているとだんだん僕まで嬉しくなって、あたたかい気持ちになった。
 混ぜて、こねて、冷やして、焼いて……。色も形も手触りも違うバラバラの材料が、組み合わせや手順を少し変えるだけで、様々な変化を遂げる。そんなお菓子作りに、僕はどんどんのめり込んでいった。それに、お菓子を作ることはもちろん大好きだったけど、誰かに僕のお菓子を食べてもらうことはもっと好きだった。内気で人と関わることが苦手だったし、父さんは仕事で家にほとんどいなかったから、振る舞える人は母さんくらいだったけど。誰かに笑顔になってもらうことが、ただただ嬉しかったんだ。
――
 中学校に進学してからも、お菓子作りの趣味は続いていた。部活は興味を引くものがなくて入らなかったから、放課後は家に帰って、家事の手伝いをしたり、リビングで勉強をしたりして、母さんと過ごす時間をつくった。
「ツカサさん?久しぶり。お仕事大変そうね……。キョウ?ええ、元気ですよ。あの子ったら、お菓子作りに夢中で。もう毎日楽しそうに……ええ、はい。すみません。もちろんお勉強もしっかりさせてますから。私に任せてください」
 母さんが電話をしながら、電話の向こうの父さんに何度も深々とお辞儀をする。すみません、と夫婦の間で交わされるはずのない言葉を口にするその姿に、胸が痛んだ。僕がこうして家にいる時間を増やしたのも、母さんに寂しい思いをさせたくないからだった。当時の思春期の僕は、恥ずかしくて面と向かって伝えられなかったけど。
「ねえ、母さん」
 受話器を置いて小さく息を吐く母さんに、話しかける。
「どうしたの?」
「父さん、何か言ってた?」
「え?そうね、えーと……お勉強はきっちり頑張りなさいって。そんな感じかしら」
「それだけ?」
「……」
 母さんは言葉を詰まらせた。 
「次は、いつ帰ってくるの?」
「ツカサさんは…忙しくてしばらく帰ってこれないそうよ」
「……最後に三人で出かけたのっていつだっけ」
 記憶を辿ってみる。水族館、お菓子の工場見学、小学校の卒業式……しかしそこに父さんの姿はなかった。今ではもう父さんの顔すらぼんやりとして、どんなだったか思い出せない。
「父さん、僕たちに会いたくないのかな」
「そんなことないわ!そんなこと、絶対」
 声を荒げる母さん。その言葉は僕に向けられたものではなく、母さんが自分自身に言い聞かせているように聞こえた。彼女の叫びが真っ白なリビングの壁に吸い込まれて、静寂が訪れる。
「……ごめんなさい」
 はっと我に帰り、震える声でまたその言葉を口にする母さん。僕は何も言えず、見つめることしかできない。
「そうだ……ねえ、キョウ。これを見て」
 母さんは何かを思い出したのか、急き立てられるように自分の部屋へ向かう。戻ってきたその手には、製菓学校のパンフレットと、入学説明会の資料が握られていた。
「これって……もしかして」
 パンフレットの表紙。その学校名と校舎の写真には見覚えがあった。
「色々調べてみたんだけどね。ここなら、思いっきりお菓子の勉強ができる。ここからは遠いけど、寮もあるし。技術だってたくさん磨けるわ。どう?目指してみない?」
「でも…」
「キョウ」
 母さんは僕の名前を呼んで、手を握る。
「私たちはあなたのことを応援してるの」
 握るその手にぎゅっと力が込められる。まるで、懇願するかのように。
「あなたは、一流のパティシエになれる。これはただの親の勘にすぎないけど…あなたにはその素質がある。だからたくさん学んで、経験を積んで、独立して自分のお店を持ったり、有名になったりして……そうして、ツカサさんの子にふさわしい、立派な人間にならなきゃいけないの。そのためなら、私にできることは何でもしてあげるから」
「でも、そうしたら、母さんが一人になって……」
「お母さんのことは心配しないで?」
 遮るようにして、母さんは微笑む。その瞳が、わずかに揺らいだように見えた。その揺らぎの源は、愛なのか、優しさなのか、それとも自己犠牲なのか。
「……うん。考えてみる」
 わからなかったけど、母さんのそんな顔を見たら、首を横には振れなかった。
 夜。時計の針は頂上を指している。眠れなくて、僕は母さんからもらった学校のパンフレットをパラパラと捲っていた。資料の要所要所に引かれたラインマーカーと綺麗なメモ書きからは、母さんが真剣に僕の進路を考えてくれていることが伝わってくる。確かに、製菓学校には興味があった。最新の設備がそろっていて、広々とした厨房を自由に使って、先生からもたくさんの技術を学べる。留学制度や語学学習も充実していて、世界を見据えたハイレベルな教育が行われているのも魅力的だった。ちらっと見た学費案内のページは文字通り桁違いで、そっと閉じてしまったけど。そこへ行けば、一流のパティシエになるための準備ができる。母さんと父さんが描く、理想の息子になれる。
 …でも、違った。そうじゃなかった。僕が本当に作りたいものは、格式高いホテルのシェフが作るようなスイーツでも、世界を飛び回る一流パティシエが手がける高級なお菓子でもなくて、温もりを感じられる家庭的なお菓子だった。特別な日だけじゃなくて、なんでもない日にも寄り添ってくれるような、安心するお菓子が作りたかった。あの時読んだ絵本のクマさんみたいに、誰かの背中をそっと押して、笑顔にできるようなお菓子が作れたら。父さんと母さんとまた三人で食卓を囲めたら、それでよかった。
――
 締め切り間近。ギリギリまで悩んで、僕は出願を決めた。製菓学校……ではなく、地元の公立高校に。郵便局から帰ると、母さんがリビングにいた。
「ただいま」
「キョウ、少し話さない?」
 母さんの前には、白紙のままの製菓学校の出願用紙が置かれていた。今にも泣き出しそうな母さんの顔を見て、逃げることもできず向かい側に座る。
「どうして、相談してくれなかったの?」
「相談しても…変わらないと思ったから」
「でも、出願する前に言ってくれてもいいじゃない。大事な進路なのに、勝手に決めるなんて…」
「言ったら、母さんはきっと説得しようとしたでしょ」
「でも、ツカサさんになんて説明したら…!」
「それだよ」
 また父さんの名前を出される。もう、我慢の限界だった。
「母さんはいつもそうだよね。何かあるとすぐツカサさん、ツカサさんって」
「キョウ…?」
「いつも帰ってこないのに、そんなに父さんのことが大事なの?」
 勝手に溢れてきそうな涙を堪えて、声を絞り出す。
「すぐそばにいる僕の気持ちは……僕のことは、見てくれないの?」
 喉の奥に押し込めていた熱。一度噴き出してしまったそれは、もう止められなかった。
「私だって……私だって!あなたのためを思って…!ずっと、我慢、していたのに」
 母さんは僕の肩を掴む。その手は震えていた。
「あなたがパティシエになってくれたら、どんなに幸せか……!」
 縋り付くようなその瞳から、大粒の涙が落ちる。必死に言葉を紡ぐ母さんの姿は、壊れそうな自分の正義を疑うまいと抗っているようだった。
「どうして…言うことを聞いてくれないの……これじゃもう、私は……」
 母さんはふらふらと、思い足取りでリビングを後にする。背後でバタンと寝室のドアが閉まった。
 たった一枚の木の板が、母さんと僕との間に埋めることのできない隔たりを生んだ。ああ、母さんを裏切ってしまった。取り返しのつかないことをしてしまった。母さんはずっと僕に期待を寄せて、自分を犠牲にしてまで、僕の幸せを願ってくれていたのに。遺物のように机に並べられた製菓学校の出願用紙とパンフレット。一流のパティシエになってほしいという母さんの理想と、誰かのそばで温もりのあるお菓子を作り続けたいという僕の理想。二つの願いは、重なり合うようでいて、違っていた。
「……ごめんね、母さん」
 閉ざされた部屋に向かって呟く。寂寥感と、自分で選んだ道の重み。僕はただ、静まり返ったリビングに立ち尽くすことしかできなかった。