31話 主催者の目的(3)
ー/ー「だから、ダメだって! 下手なことして爆発したらどうすんだ!」
「ちょっと、大きい声出さないでよ」
「……あ、ごめんな。別に怒ってるとかじゃないから」
翔の視線は凛ではなく小春で、慣れたように背中を丸める。
翔は小春に対して、一番優しかったりするんだよな。
「私達全員に制服を着てくるように指定してきたり、男子には整髪剤とか、女子にはメイク道具とか渡して来たり、明らかに見世物にされてる感があるんだよね。ヒントは与えているとかも言ってるし。つまり私達に考えさせたいんじゃないの?」
「確かに……」
普段、翔と凛が話している時は口を挟まないようにしているが、今日は気付けば声が漏れていた。
あの挑発的な態度。試すような発言。人が死ぬゲームを悠々と進行する主催者。
ゲーム会場でもない二階にも光る、監視カメラの数々。やはり、これは。
翔の静止も聞かず、凛はスマホを操作し始める。
俺達を安心させる為か今やっていることを逐一声に出していき、「『検索アプリ』、キーワードは『デスゲーム』、『赤い月』」とタップしていく。
一瞬、『赤い月』とは何のことかと思ったが、勝手にダウンロードされていたアプリには、アイコンも背景画も赤色の月だった。
気味が悪い演出かと思っていたが、これもヒントだったのか?
黙っている翔に顔を向けると、俯き、やたらダラダラと汗をかいている。
翔は、凛のことを本当に大切に想っている。
野球部のエースであり、この容姿の良さなら当然ながら女子にモテるが、翔はそうゆうのに一切靡かず、凛の側に居ようとする。
普段は勇ましい翔も、凛の話をする時はデレデレとしてしまい、顔なんて全く締まりがなくなってしまうぐらいにユルユルだ。
恋の魔法とは人格すら変えてしまうのだと関心してしまうぐらいだった。
そんな凛が命を賭けた危険なことをするなら、翔の性格上、自分がやると名乗り出てもおかしくない。
現に、危険を顧みず爆発に巻き込まれた凛を、身を挺して守ったのだから。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。