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30話 主催者の目的(2)

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 小春と二人きりになるとまた静かになるが、そこに気まずさは一切なく、二人で並んで膝を抱えて座る。
 小春も色々と思うことがあるのか、その横顔は硬く、目が合うが何も話すことなくまた空を見上げる。
 彼の為にパパ活していた、音霧さん。
 そんな彼女の気持ちを利用していた、北条くん。
 それを暴露した三上さん。
 三上さんにパパ活をしようと誘っていた、音霧さん。
 もう関係がぐちゃぐちゃで、意味が分からない。この気持ちさえも。

 日が高くなってくる頃、翔と凛が戻ってきて来た。
 いつもの定位置となり、また沈黙が続くと思ったが、それを明るく破ってくれたのはやはり凛だった。

「ねえ。小春は、コスメの場所とか教えてもらってる?」
「……ううん。凛も?」
「うん。私達には必要ないって意味かなぁ?」

 湿っぽい空気を変える、豪快な笑い声。しかし意味が分からないことがこれ以上増えることがどうにも気持ち悪くて、空気ぶち壊しな突っ込みをしてしまう。

「……コスメ?」
「ん? ああ……、いやね。小春と私以外の女子は、みんな化粧直ししているみたいなんだよねー」
「えっ! そうなの!」
「監禁されて半日以上が経つのに、あそこまで化粧は綺麗に残らないし、特に西条寺さんの巻き髪からはいつものスタイリング剤の香りがした。あれはゲーム直前にヘアを直しているってことなの」
「……うん。目が覚めて全員でゲームの話を聞いた時は、みんなの化粧は落ちてた。間違いなく一回目が始まるまでに、化粧直ししていると思う」
「な、なるほど……」

 全く、気付かなかった。
 女子はやはり、そうゆうところしっかり見てんだな。
 凛だけじゃなくて、小春までも。
 言われてみれば女子だけじゃなくて、男子もほのかな整髪剤の香りを漂わせていた。
 そっか。一回目の時、神宮寺くんと西条寺さんに違和感を抱いたのは、ゲーム前の姿と変わっていたからだったんだ。
 複雑に絡み合っていた糸が一本だけ解けたような気がして、僅かな安堵に包まれていく。

「それでさ。誰が何の目的で、このようなことをしているか探るべきじゃない?」

 緩んだ表情をしていた凛が瞬きと共に険しい顔を見せ、俺達にそう呼びかけてきた。


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 小春と二人きりになるとまた静かになるが、そこに気まずさは一切なく、二人で並んで膝を抱えて座る。
 小春も色々と思うことがあるのか、その横顔は硬く、目が合うが何も話すことなくまた空を見上げる。
 彼の為にパパ活していた、音霧さん。
 そんな彼女の気持ちを利用していた、北条くん。
 それを暴露した三上さん。
 三上さんにパパ活をしようと誘っていた、音霧さん。
 もう関係がぐちゃぐちゃで、意味が分からない。この気持ちさえも。
 日が高くなってくる頃、翔と凛が戻ってきて来た。
 いつもの定位置となり、また沈黙が続くと思ったが、それを明るく破ってくれたのはやはり凛だった。
「ねえ。小春は、コスメの場所とか教えてもらってる?」
「……ううん。凛も?」
「うん。私達には必要ないって意味かなぁ?」
 湿っぽい空気を変える、豪快な笑い声。しかし意味が分からないことがこれ以上増えることがどうにも気持ち悪くて、空気ぶち壊しな突っ込みをしてしまう。
「……コスメ?」
「ん? ああ……、いやね。小春と私以外の女子は、みんな化粧直ししているみたいなんだよねー」
「えっ! そうなの!」
「監禁されて半日以上が経つのに、あそこまで化粧は綺麗に残らないし、特に西条寺さんの巻き髪からはいつものスタイリング剤の香りがした。あれはゲーム直前にヘアを直しているってことなの」
「……うん。目が覚めて全員でゲームの話を聞いた時は、みんなの化粧は落ちてた。間違いなく一回目が始まるまでに、化粧直ししていると思う」
「な、なるほど……」
 全く、気付かなかった。
 女子はやはり、そうゆうところしっかり見てんだな。
 凛だけじゃなくて、小春までも。
 言われてみれば女子だけじゃなくて、男子もほのかな整髪剤の香りを漂わせていた。
 そっか。一回目の時、神宮寺くんと西条寺さんに違和感を抱いたのは、ゲーム前の姿と変わっていたからだったんだ。
 複雑に絡み合っていた糸が一本だけ解けたような気がして、僅かな安堵に包まれていく。
「それでさ。誰が何の目的で、このようなことをしているか探るべきじゃない?」
 緩んだ表情をしていた凛が瞬きと共に険しい顔を見せ、俺達にそう呼びかけてきた。