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第1話 見慣れない地図は回せない

ー/ー



 僕の名前は井上悠人(いのうえゆうと)。15歳の中学2年生。父さんの仕事の転勤で今日、この新しい町に引っ越してきた。自分の部屋の片付けはほどほどで済ませて、今は初めて歩く道を散歩している。
 通ったことのない道を散歩するのは結構楽しい。未開の土地を開拓している冒険者の様だから。落ちている丁度いい長さの枝を拾って練り歩く。さすがにそんな行動は卒業したけれど、気持ちは今もそんな感じ。
 え?迷子になる心配はしないのかって?時代は令和、中2にとなれば持ってて当たり前のスマートフォンですよ。地図アプリとGPSの二刀流で迷子なんて言葉は死語ですよ。死語。
 で、まずこの新天地にて最初に目指した場所は、明日から通う事になる桜ヶ丘中学校。家で調べたときは徒歩15分くらいという結果だった。
 ……おかしいな。体感時間ではもう20分以上歩いてるような気が。時間を確認しようと、スマホを取り出すためデニムパンツのポケットの中に手を入れる。
「あ……」
 あるはずだったスマホの感触はそこになかった。いつも入れている右ポケットにも、左ポケットにも。もちろん後ろのポケットにも入っていなかった。散歩を始めてから一度もスマホを取り出していないので、おそらく家に忘れてきたみたいだ。後ろを振り返り、歩いてきた道を確認する。ここに来るまで何度か十字路を左に右に曲がってきていた。
「……迷子なんて死語ですよ(不安)」

 あたりを見渡すと少し離れたところに木が生い茂っている場所が見えた。学校に木々は付き物。迷ったと思わせて実はあれが目的地なのでは?少し歩くスピードがあがる。近づくにつれてその場所の全貌が見えてくる。歩いた先にあったものは少し大きな公園だった。
「あ〜、完全に道間違えてるな」
 家で中学までの道を調べたとき、通り道にこんな大きな公園はなかった気がする。来た道を戻るのが一番リスクが少ないかななどと思い始めた時、公園の外縁に近辺地図の案内板を見つけた。
「助かった〜」
 ピンチのあとに打開策を見つけた時。これが気持ちいいのだ。僕の中の冒険心が少しうずく。
「まずは、現在地の確認……あぁ、何か思ってた場所と全然違う」
 まぁ、それはこの公園を見つけた時に予想はしてたこと。気を取り直して目的地を確認しよう。
「えっと〜、桜ヶ丘中学校は……」
 あれ、見つからない。もしかしてこの近辺地図に書かれないくらい、見当違いな方向に歩いてきちゃったのか。いやいや見落としの可能性もある。もう一度しっかり見直せば。
「あった!」
 地図の端っこにギリギリ書かれていた。桜ヶ丘中学校。うん、間違いない。ひとまず安心した。とりあえず写真を撮ろうとポケットに手を入れる。そうだった、目的のものが無いことを思い出す。しょうがないな、しっかり目に焼き付けて記憶するか。
「え〜っと、今ここで中学がここ。あれ、今どっち向いてるんだ?」
 この案内板は地図アプリのように二本指で方角を変えられないのはわかってる。なので自分が傾くしかない。左に90度傾いてみる。
「ん?逆か?」
 今度は右に90度傾いてみる。
「あ〜、こっちか。いや、もう少し……」
 左足が少し浮いてさらに30度ほど傾けた。
「ワン!」
「うわ!」
 突然の鳴き声に驚いて体勢を崩し、思い切り尻もちをついてしまった。
「あいたたた……」
 痛がる僕にお構いなしで、鳴き声の主は僕のスネあたりの匂いをしきりに嗅いでいる。それは真っ白い毛並みのもふもふした犬だった。まあまあデカい犬だ。犬が苦手な人はちょっとビビるかなくらいに。
 幸い僕は犬は好きな方なので、そのもふもふに目を奪われていた。あ〜、もふりたいと。もふ犬の首には赤い首輪が埋まっていて、そこから赤いリードが垂れ下がり引きずっていた。散歩中に飼い主置いてきたのか?
「すいませーん、その子捕まえておいて〜」
 どこからか、声が聞こえた。もふ犬もピクッと反応して耳を立てて視線を送る。その先には走ってくる女子が見えた。
「お前のご主人様か?」
 もふ犬は何も答えてくれなかったけど、女子の方を向いてお座りをし、尻尾をプンプン振っていた。逃げそうにもないけど、僕はとりあえず赤いリードをつかんでおいた。

「ありがとうございました」
 程なくして目の前までやってきた女子は僕に一礼すると。
「この子急に走り出して、力強いからリード握ってた手滑っちゃって。この子からだ大きいから怖く無かったですか?何か迷惑かけませんでしたか?」
 すごい早口でめちゃくちゃ喋った。
「あ、いや……大丈夫……です」
 その勢いに気押され気味になったけど、何とか返事ができた。でも、彼女の表情の曇りは晴れていない。迷惑かけたのではと心配している様子だ。
 胸を張って言うことではないけど、僕はなかなかの人見知りだ。初対面の人と上手く話せる自信がない。ただでさえそうなのに、今目の前にいるのは女子。遠くならまだしも、近づかれたらまともに顔なんて見られないわけで。そうなると視線の向かう先は自然とこのもふ犬になる。
「あの……犬、好きだし。あと、その……優しそうな顔、してたし」
 本当に平気だった事を伝えたくて、僕は何とか言葉を絞り出した。ちらっと伺えた彼女の顔が笑顔でゆがむ。
「え、嬉しい。分かります?うちのシロちゃん一見大きいから少し威圧感感じる人いるんですけど、顔……というか目を見たらホント優しい感じがにじみ出てて。なんていうか、天使……みたいな。うふふ」
 わかりやすいくらい機嫌が良くなったようだ。声が弾んでいるように聞こえ、表情を見なくてもそう感じた。
「ワン!」
 シロと呼ばれたもふ犬も褒められたのがわかったのか、機嫌よくひと鳴きした。
「地図見てたんですか?」
 目の前にある案内板を見ながら彼女が言った。
「あ、そうです。あの……桜ヶ丘中学校に」
 彼女の視線が案内板に注がれているので、その横顔をチラ見する。黒縁の少し大きめのメガネをかけていた。いや、顔が小さくてメガネが大きく見えるのか。
「え、そうなんですか。……あ、もしかして転校生とか?」
 彼女が急にこっちを見てきたので、反射的に僕の視線はもふ犬へ移る。挙動不審に思われただろうか……あ、何か聞かれた?転校生って言った?
「あ、はい……そうです」
「じゃあ、この辺りはまだ道が分からないとか」
「う、うん。実はちょっと思ってた道と違ってて」
 そう、道を間違えただけ。決して迷子ではないのだ。僕の中の謎のプライドが迷子を認めようとしていないのだった。
「じゃあ、案内してあげようか」
「え?」
 突然の申し出に驚きと戸惑いで思わず彼女の顔を見てしまう。女子だ。笑ってる。照れくさいという感情が溢れ出す。
「遠慮しないでいいよ。シロのいつもの散歩道だから……あ、ごめん、ちょっと強引だったかな。別に嫌だったら無理にとは言わないけど」
「じゃ、じゃあ……お願いしようかな」
「わかった。こっちだよ」
 
 思いもしない展開だった。新しい町に今日引っ越してきて、知らない道を歩いて道を間違えて。気がついたら女子ともふ犬と歩いていた。
「いつから登校するの?」
「明日から」
 もふ犬改め、シロよ。お前がいてくれて本当によかった。彼女の方を見るのは照れくさいので、代わりの目のやり場があって助かる。
「へ〜、そうなんだ……何年生?」
「えっと、2年だよ」
 隣から視線を感じる。チラッと横を見ると彼女は僕の顔をじっと見つめていた。え、何?何か間違えた?僕の学年を聞いたんじゃなかったとか?
「ふ〜ん、2年なんだ。そっかそっか」
 何が、そっかそっかなんだろう。あぁ何かのぼせてきた。ぼ〜っとする。
「あ、あそこに見えるのが中学校だよ。散歩道、こっちだから私はここで」
 歩いてきた通りの少し先に校舎らしき建物が見えていた。彼女はその手前の脇道を曲がっていくらしい。
「あ、ありがとう」
「じゃ、またね」
 そう言うと特に名残惜しいという感じはなく、あっさりと彼女は去っていく。

「はぁぁぁ〜」
 めちゃくちゃ女子と喋った。緊張して全然喋れなかった。というか何か喋った気がするけど、何喋ったか全然覚えてない。変な返事してなかったかな。
 顔もあんまり見れなかったな。名前も聞けなかった。歳もいくつだったんだろう?なんとなく同世代な感じしたけど。もしかして同じ学校?1人になって落ち着いたら、聞きたかったことがどんどんわいてくる。……いや、聞いたところでだよな。
 ふと浮ついた気持ちが急に落ち着いた。平穏な毎日。それが僕の望む学校生活だった。
 ここが明日から通う桜ヶ丘中学校か。前の中学より少し新しい校舎っぽいな。校庭は前より少し狭くなったかな。校門のすぐ横には緑の葉が生い茂った大きな木が伸びている。
 少し深呼吸して目を閉じる。明日の教室でクラスメイトに挨拶するイメージトレーニングをしてみる。緊張するだろうな。うまく喋れるだろうか。まぁ、考えてもしょうがない。なるようになるんだよ。馴染めなかったら馴染めなかったで、それはそれでいいだろう。
「あ……」
 そんな事より今、大事なことに気がついた。ここから家までの帰り道を分かっていない事に……



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 僕の名前は井上悠人《いのうえゆうと》。15歳の中学2年生。父さんの仕事の転勤で今日、この新しい町に引っ越してきた。自分の部屋の片付けはほどほどで済ませて、今は初めて歩く道を散歩している。
 通ったことのない道を散歩するのは結構楽しい。未開の土地を開拓している冒険者の様だから。落ちている丁度いい長さの枝を拾って練り歩く。さすがにそんな行動は卒業したけれど、気持ちは今もそんな感じ。
 え?迷子になる心配はしないのかって?時代は令和、中2にとなれば持ってて当たり前のスマートフォンですよ。地図アプリとGPSの二刀流で迷子なんて言葉は死語ですよ。死語。
 で、まずこの新天地にて最初に目指した場所は、明日から通う事になる桜ヶ丘中学校。家で調べたときは徒歩15分くらいという結果だった。
 ……おかしいな。体感時間ではもう20分以上歩いてるような気が。時間を確認しようと、スマホを取り出すためデニムパンツのポケットの中に手を入れる。
「あ……」
 あるはずだったスマホの感触はそこになかった。いつも入れている右ポケットにも、左ポケットにも。もちろん後ろのポケットにも入っていなかった。散歩を始めてから一度もスマホを取り出していないので、おそらく家に忘れてきたみたいだ。後ろを振り返り、歩いてきた道を確認する。ここに来るまで何度か十字路を左に右に曲がってきていた。
「……迷子なんて死語ですよ(不安)」
 あたりを見渡すと少し離れたところに木が生い茂っている場所が見えた。学校に木々は付き物。迷ったと思わせて実はあれが目的地なのでは?少し歩くスピードがあがる。近づくにつれてその場所の全貌が見えてくる。歩いた先にあったものは少し大きな公園だった。
「あ〜、完全に道間違えてるな」
 家で中学までの道を調べたとき、通り道にこんな大きな公園はなかった気がする。来た道を戻るのが一番リスクが少ないかななどと思い始めた時、公園の外縁に近辺地図の案内板を見つけた。
「助かった〜」
 ピンチのあとに打開策を見つけた時。これが気持ちいいのだ。僕の中の冒険心が少しうずく。
「まずは、現在地の確認……あぁ、何か思ってた場所と全然違う」
 まぁ、それはこの公園を見つけた時に予想はしてたこと。気を取り直して目的地を確認しよう。
「えっと〜、桜ヶ丘中学校は……」
 あれ、見つからない。もしかしてこの近辺地図に書かれないくらい、見当違いな方向に歩いてきちゃったのか。いやいや見落としの可能性もある。もう一度しっかり見直せば。
「あった!」
 地図の端っこにギリギリ書かれていた。桜ヶ丘中学校。うん、間違いない。ひとまず安心した。とりあえず写真を撮ろうとポケットに手を入れる。そうだった、目的のものが無いことを思い出す。しょうがないな、しっかり目に焼き付けて記憶するか。
「え〜っと、今ここで中学がここ。あれ、今どっち向いてるんだ?」
 この案内板は地図アプリのように二本指で方角を変えられないのはわかってる。なので自分が傾くしかない。左に90度傾いてみる。
「ん?逆か?」
 今度は右に90度傾いてみる。
「あ〜、こっちか。いや、もう少し……」
 左足が少し浮いてさらに30度ほど傾けた。
「ワン!」
「うわ!」
 突然の鳴き声に驚いて体勢を崩し、思い切り尻もちをついてしまった。
「あいたたた……」
 痛がる僕にお構いなしで、鳴き声の主は僕のスネあたりの匂いをしきりに嗅いでいる。それは真っ白い毛並みのもふもふした犬だった。まあまあデカい犬だ。犬が苦手な人はちょっとビビるかなくらいに。
 幸い僕は犬は好きな方なので、そのもふもふに目を奪われていた。あ〜、もふりたいと。もふ犬の首には赤い首輪が埋まっていて、そこから赤いリードが垂れ下がり引きずっていた。散歩中に飼い主置いてきたのか?
「すいませーん、その子捕まえておいて〜」
 どこからか、声が聞こえた。もふ犬もピクッと反応して耳を立てて視線を送る。その先には走ってくる女子が見えた。
「お前のご主人様か?」
 もふ犬は何も答えてくれなかったけど、女子の方を向いてお座りをし、尻尾をプンプン振っていた。逃げそうにもないけど、僕はとりあえず赤いリードをつかんでおいた。
「ありがとうございました」
 程なくして目の前までやってきた女子は僕に一礼すると。
「この子急に走り出して、力強いからリード握ってた手滑っちゃって。この子からだ大きいから怖く無かったですか?何か迷惑かけませんでしたか?」
 すごい早口でめちゃくちゃ喋った。
「あ、いや……大丈夫……です」
 その勢いに気押され気味になったけど、何とか返事ができた。でも、彼女の表情の曇りは晴れていない。迷惑かけたのではと心配している様子だ。
 胸を張って言うことではないけど、僕はなかなかの人見知りだ。初対面の人と上手く話せる自信がない。ただでさえそうなのに、今目の前にいるのは女子。遠くならまだしも、近づかれたらまともに顔なんて見られないわけで。そうなると視線の向かう先は自然とこのもふ犬になる。
「あの……犬、好きだし。あと、その……優しそうな顔、してたし」
 本当に平気だった事を伝えたくて、僕は何とか言葉を絞り出した。ちらっと伺えた彼女の顔が笑顔でゆがむ。
「え、嬉しい。分かります?うちのシロちゃん一見大きいから少し威圧感感じる人いるんですけど、顔……というか目を見たらホント優しい感じがにじみ出てて。なんていうか、天使……みたいな。うふふ」
 わかりやすいくらい機嫌が良くなったようだ。声が弾んでいるように聞こえ、表情を見なくてもそう感じた。
「ワン!」
 シロと呼ばれたもふ犬も褒められたのがわかったのか、機嫌よくひと鳴きした。
「地図見てたんですか?」
 目の前にある案内板を見ながら彼女が言った。
「あ、そうです。あの……桜ヶ丘中学校に」
 彼女の視線が案内板に注がれているので、その横顔をチラ見する。黒縁の少し大きめのメガネをかけていた。いや、顔が小さくてメガネが大きく見えるのか。
「え、そうなんですか。……あ、もしかして転校生とか?」
 彼女が急にこっちを見てきたので、反射的に僕の視線はもふ犬へ移る。挙動不審に思われただろうか……あ、何か聞かれた?転校生って言った?
「あ、はい……そうです」
「じゃあ、この辺りはまだ道が分からないとか」
「う、うん。実はちょっと思ってた道と違ってて」
 そう、道を間違えただけ。決して迷子ではないのだ。僕の中の謎のプライドが迷子を認めようとしていないのだった。
「じゃあ、案内してあげようか」
「え?」
 突然の申し出に驚きと戸惑いで思わず彼女の顔を見てしまう。女子だ。笑ってる。照れくさいという感情が溢れ出す。
「遠慮しないでいいよ。シロのいつもの散歩道だから……あ、ごめん、ちょっと強引だったかな。別に嫌だったら無理にとは言わないけど」
「じゃ、じゃあ……お願いしようかな」
「わかった。こっちだよ」
 思いもしない展開だった。新しい町に今日引っ越してきて、知らない道を歩いて道を間違えて。気がついたら女子ともふ犬と歩いていた。
「いつから登校するの?」
「明日から」
 もふ犬改め、シロよ。お前がいてくれて本当によかった。彼女の方を見るのは照れくさいので、代わりの目のやり場があって助かる。
「へ〜、そうなんだ……何年生?」
「えっと、2年だよ」
 隣から視線を感じる。チラッと横を見ると彼女は僕の顔をじっと見つめていた。え、何?何か間違えた?僕の学年を聞いたんじゃなかったとか?
「ふ〜ん、2年なんだ。そっかそっか」
 何が、そっかそっかなんだろう。あぁ何かのぼせてきた。ぼ〜っとする。
「あ、あそこに見えるのが中学校だよ。散歩道、こっちだから私はここで」
 歩いてきた通りの少し先に校舎らしき建物が見えていた。彼女はその手前の脇道を曲がっていくらしい。
「あ、ありがとう」
「じゃ、またね」
 そう言うと特に名残惜しいという感じはなく、あっさりと彼女は去っていく。
「はぁぁぁ〜」
 めちゃくちゃ女子と喋った。緊張して全然喋れなかった。というか何か喋った気がするけど、何喋ったか全然覚えてない。変な返事してなかったかな。
 顔もあんまり見れなかったな。名前も聞けなかった。歳もいくつだったんだろう?なんとなく同世代な感じしたけど。もしかして同じ学校?1人になって落ち着いたら、聞きたかったことがどんどんわいてくる。……いや、聞いたところでだよな。
 ふと浮ついた気持ちが急に落ち着いた。平穏な毎日。それが僕の望む学校生活だった。
 ここが明日から通う桜ヶ丘中学校か。前の中学より少し新しい校舎っぽいな。校庭は前より少し狭くなったかな。校門のすぐ横には緑の葉が生い茂った大きな木が伸びている。
 少し深呼吸して目を閉じる。明日の教室でクラスメイトに挨拶するイメージトレーニングをしてみる。緊張するだろうな。うまく喋れるだろうか。まぁ、考えてもしょうがない。なるようになるんだよ。馴染めなかったら馴染めなかったで、それはそれでいいだろう。
「あ……」
 そんな事より今、大事なことに気がついた。ここから家までの帰り道を分かっていない事に……