SCENE161 敵意ある来訪者
ー/ー 衣織お姉さんたちが僕のダンジョンから帰っていって、翌日のことだった。
「うん?」
「おや、変な感じがしますね」
僕とバトラーが、いち早く異変に気が付いていた。
「どうかなさったのですか?」
ラティナさんが僕たちの反応に驚いているようだった。
これは、昨日このダンジョンにやってきたばかりのアルカナさんも同じような感じだった。
元ダンジョンマスターとはいっても、他の人のダンジョンでは何も感じないみたいだね。これはこれで発見だと思うよ。
でも、それよりも感じた謎の気配だ。
僕のダンジョンの入口には、管理局の人たちがいる。中に入ってこれたということは、その人たちのチェックを潜り抜けられたってことだ。
以前にやってきたパラダイスっていうギルドの連中は無理やりって感じだったけど、今回は大して問題は起きていない。キラーアントたちも実に静かだ。
[わおっ。ここが噂の初心者ダンジョンね]
えっ、なんて?
これって英語かな?
「プリンセス、どうかなされましたかな?」
「いや、なんて言ってるのか分からなくてね」
「ふむ。我らは問題なく聞こえているのですが、プリンセスは元々こちらの人間ですから、そこが影響しているのやもしれませんな」
なるほど……。
ということは、モンスターたちからすれば、こっちの言語の違いはまったく問題にならないっていうわけなんだ。
だけど、今はそれを気にしている場合じゃない。目の前の女性からは嫌な気配が漂っている。
[あらら、プリンセスなのね。可愛らしいラミアさん。……死んでくれるかな?]
目の前の女性は、にこりと微笑みながらボウガンを取り出してきた。
まさかの飛び道具である。
完全に不意を突かれてしまい、女性の放ったボウガンが僕に向かって飛んでくる。
ガキンッ!
しかし、見えない力によってボウガンの矢は弾かれてしまう。
[おーう。変なスキルを持ってますね。この矢が防がれるとは思ってもみませんでした]
女性は両手を広げて、残念そうにしている。
次の瞬間だった。
[ぎゃっ!]
女性は地面へと叩きつけられていた。
「プリンセスに害をなそうとは、万死に値します。しかも、この我の反応スピードを上回った攻撃。とても生かして帰すわけにはまいりません」
バトラーからとんでもない殺気が漂っていた。
僕が止めようとするよりも先に、バトラーはマウントポジションから女性をボコボコに叩いてしまっていた。
「わーっ、バトラー、ストップストップ!」
あまりにもすごい勢いだったので、僕がが止めた時にはすでに女性はとんでもなく酷い顔になっていた。うわぁ、これはいくら何でもやりすぎだよ。
「なぜ止めるのですか、プリンセス。殺そうとしてきた相手ですぞ」
「僕が殺したくないから、とりあえずやめて。もう相手に戦意はないよ」
「……プリンセスがそう仰られるのでしたら、やめておきましょう」
僕の意見を受けて、バトラーは女性の上からどく。
まったく、顔が原形を留めないくらいにめちゃくちゃだよ。バトラーの本気って、ものすごく恐ろしいなぁ。
でも、あれだけ食らって生きているこの人もすごい。
「ちょっと我慢していて下さいね。今、治しますから」
とりあえず話を聞きたい僕は、女性のケガを治すことにする。
「アクアヒール」
僕の治癒魔法だ。何かあった時のために練習しておいてよかったよ。
ちなみに女性の持っていたボウガンは、バトラーが真っ二つに壊している。僕が治療している横で、バキッてすごい音がしてたよ。
普通に考えれば、僕の行為はお人好しだ。なにせ、ラティナさんの護石がなければ、僕は確実に危なかったからね。あんな不意打ちでも防いでくれるラティナさんの護石って、本当にすごいと思う。
「さて、これでよしっと」
僕の回復魔法は、女性の状態をすっかり元の状態に戻してしまっていた。だいぶ魔力を使ってけれど、僕はまだまだ平気みたいだよ。
「う……ん……」
しばらくして、小さな声が聞こえてくる。
どうやら、女性が目を覚ましたようだ。
「大丈夫かな。話できる?」
「わっ! ら、ラミア! ……ってあれ? 私のボウガン、ボウガンは?」
僕が顔を覗き込むと、女性は武器を探しているみたいだった。あの状態からまだ攻撃しようとは、ずいぶんと好戦的な人だな。
「あのがらくたなら、我が粉砕してやりました。プリンセスの命を狙うなど許せたものではないですからね」
「ひっ!」
バトラーがすごむと、女性は完全に震え上がっていた。
って、あれ? 僕も女性の言葉が分かるようになっていた。もしかして、今の回復魔法が影響しているのかな。
と、とにかく今は、女性を落ち着ける方が先かな。
「急に攻撃してきたことは許せませんけれど、とりあえず、お話をさせてもらってもいいでしょうかね」
「ぐぬぬぬぬ……。ダンジョンはすべて破壊すべきだけど、攻撃手段がなくなってしまった以上、仕方ないわね……。煮るなり焼くなり、好きにしなさいよ」
女性はその場にあぐらをかいて座り込んでしまった。
なんともまぁ、過激な考えを持っている人みたいだなぁ、この人。
あまりにも頑固な反応をされてしまったので、僕たちはしばらくどう対応していいのか困ってしまっていた。
「うん?」
「おや、変な感じがしますね」
僕とバトラーが、いち早く異変に気が付いていた。
「どうかなさったのですか?」
ラティナさんが僕たちの反応に驚いているようだった。
これは、昨日このダンジョンにやってきたばかりのアルカナさんも同じような感じだった。
元ダンジョンマスターとはいっても、他の人のダンジョンでは何も感じないみたいだね。これはこれで発見だと思うよ。
でも、それよりも感じた謎の気配だ。
僕のダンジョンの入口には、管理局の人たちがいる。中に入ってこれたということは、その人たちのチェックを潜り抜けられたってことだ。
以前にやってきたパラダイスっていうギルドの連中は無理やりって感じだったけど、今回は大して問題は起きていない。キラーアントたちも実に静かだ。
[わおっ。ここが噂の初心者ダンジョンね]
えっ、なんて?
これって英語かな?
「プリンセス、どうかなされましたかな?」
「いや、なんて言ってるのか分からなくてね」
「ふむ。我らは問題なく聞こえているのですが、プリンセスは元々こちらの人間ですから、そこが影響しているのやもしれませんな」
なるほど……。
ということは、モンスターたちからすれば、こっちの言語の違いはまったく問題にならないっていうわけなんだ。
だけど、今はそれを気にしている場合じゃない。目の前の女性からは嫌な気配が漂っている。
[あらら、プリンセスなのね。可愛らしいラミアさん。……死んでくれるかな?]
目の前の女性は、にこりと微笑みながらボウガンを取り出してきた。
まさかの飛び道具である。
完全に不意を突かれてしまい、女性の放ったボウガンが僕に向かって飛んでくる。
ガキンッ!
しかし、見えない力によってボウガンの矢は弾かれてしまう。
[おーう。変なスキルを持ってますね。この矢が防がれるとは思ってもみませんでした]
女性は両手を広げて、残念そうにしている。
次の瞬間だった。
[ぎゃっ!]
女性は地面へと叩きつけられていた。
「プリンセスに害をなそうとは、万死に値します。しかも、この我の反応スピードを上回った攻撃。とても生かして帰すわけにはまいりません」
バトラーからとんでもない殺気が漂っていた。
僕が止めようとするよりも先に、バトラーはマウントポジションから女性をボコボコに叩いてしまっていた。
「わーっ、バトラー、ストップストップ!」
あまりにもすごい勢いだったので、僕がが止めた時にはすでに女性はとんでもなく酷い顔になっていた。うわぁ、これはいくら何でもやりすぎだよ。
「なぜ止めるのですか、プリンセス。殺そうとしてきた相手ですぞ」
「僕が殺したくないから、とりあえずやめて。もう相手に戦意はないよ」
「……プリンセスがそう仰られるのでしたら、やめておきましょう」
僕の意見を受けて、バトラーは女性の上からどく。
まったく、顔が原形を留めないくらいにめちゃくちゃだよ。バトラーの本気って、ものすごく恐ろしいなぁ。
でも、あれだけ食らって生きているこの人もすごい。
「ちょっと我慢していて下さいね。今、治しますから」
とりあえず話を聞きたい僕は、女性のケガを治すことにする。
「アクアヒール」
僕の治癒魔法だ。何かあった時のために練習しておいてよかったよ。
ちなみに女性の持っていたボウガンは、バトラーが真っ二つに壊している。僕が治療している横で、バキッてすごい音がしてたよ。
普通に考えれば、僕の行為はお人好しだ。なにせ、ラティナさんの護石がなければ、僕は確実に危なかったからね。あんな不意打ちでも防いでくれるラティナさんの護石って、本当にすごいと思う。
「さて、これでよしっと」
僕の回復魔法は、女性の状態をすっかり元の状態に戻してしまっていた。だいぶ魔力を使ってけれど、僕はまだまだ平気みたいだよ。
「う……ん……」
しばらくして、小さな声が聞こえてくる。
どうやら、女性が目を覚ましたようだ。
「大丈夫かな。話できる?」
「わっ! ら、ラミア! ……ってあれ? 私のボウガン、ボウガンは?」
僕が顔を覗き込むと、女性は武器を探しているみたいだった。あの状態からまだ攻撃しようとは、ずいぶんと好戦的な人だな。
「あのがらくたなら、我が粉砕してやりました。プリンセスの命を狙うなど許せたものではないですからね」
「ひっ!」
バトラーがすごむと、女性は完全に震え上がっていた。
って、あれ? 僕も女性の言葉が分かるようになっていた。もしかして、今の回復魔法が影響しているのかな。
と、とにかく今は、女性を落ち着ける方が先かな。
「急に攻撃してきたことは許せませんけれど、とりあえず、お話をさせてもらってもいいでしょうかね」
「ぐぬぬぬぬ……。ダンジョンはすべて破壊すべきだけど、攻撃手段がなくなってしまった以上、仕方ないわね……。煮るなり焼くなり、好きにしなさいよ」
女性はその場にあぐらをかいて座り込んでしまった。
なんともまぁ、過激な考えを持っている人みたいだなぁ、この人。
あまりにも頑固な反応をされてしまったので、僕たちはしばらくどう対応していいのか困ってしまっていた。
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