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28話 生徒会カップルの秘密(7)

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「待ってよ! 私は次が紗栄子だって知らなかったんだから!」
「そんなの知るか! あんたしか知らない! それが証拠だろ!」

 理論的な音霧さんが、感情のまま声を荒らげる。

「そうだよ。だって愛莉とのスクショ、晒したのは紗栄子だよね?」

 三上さんは、肯定と取れる発言を返した。

「あ、あの時は、死ぬなんて……思わなかった、から……」

 泳ぐ目付きから分かる。西条寺さんの密告をしたのは音霧さんだったようだ。

「暴露したら、愛莉のミーチューバ人生破壊すること分かっていたよね? だから許せなかった。大体さ、何清純ぶってるの? 私にも勧めてきたじゃない? 小遣い稼ぎに最高だって!」
「……それは」
「大したことじゃないって言ってたじゃない? ……それとも、私も沼に嵌めるつもりだった?」

 その言葉に、音霧さんの表情はみるみると変わっていく。

「テメェー!」

 汚い言葉を放った音霧さんは、三上さんに向かって歩き出す。
 ピー、ピー、ピー。
 それを止めるかのように、けたたましい音と共に赤く点滅をする指輪。先程と同じ展開に俺は小春を抱き寄せ、見せないように顔を埋めさせた。

「大体、お前誰だよっ! 何の為にこんなこと!」
 北条くんは奪い返したスマホに向かい、怒声を響かせる。

『おやぁ? もうヒントは差し上げてますよ?』
「ヒントぉ? 何だよ、それはよぉー!」
『まずは彼女さんの身を案じるべきでは?』

 その言葉で、ようやく猶予がない状態だと気付いたようだった。

「と、とりあえず外して!」
「……お前も、見捨てるとかなしだからな!」
「分かってるから!」

 北条くんはガタガタと震える指で、音霧さんの命を縛り付けていた死の指輪を外す。

「外れた!」
 するとけたたましい音が止み、先程までの醒めた空気は一転して歓声に包まれた。

「さあ、俺も早く!」
「分かってるから!」

 指を震わしながら、音霧さんも北条くんの指輪を引き抜こうと懸命に向き合っている。そんな姿に、いつしか教室中には応援する声が響き分かっていた。しかし。
 ピー、ピー、ピィーー。
 警告音が強く鳴り響いたかと思えば耳がつんざく音と振動と共に、また同様の惨劇が俺達の前で繰り広げられた。

「どうして、二人は指輪を外そうとしていたじゃない! 違う! 私は愛莉のことで紗栄子を反省させようとしていただけで、別に殺すつもりなんかなかったの! 本当だから!」

 悲鳴と共に、虚しく響く声。
 どうして? どうして指輪を外したのに二人は死んでしまった?


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「待ってよ! 私は次が紗栄子だって知らなかったんだから!」
「そんなの知るか! あんたしか知らない! それが証拠だろ!」
 理論的な音霧さんが、感情のまま声を荒らげる。
「そうだよ。だって愛莉とのスクショ、晒したのは紗栄子だよね?」
 三上さんは、肯定と取れる発言を返した。
「あ、あの時は、死ぬなんて……思わなかった、から……」
 泳ぐ目付きから分かる。西条寺さんの密告をしたのは音霧さんだったようだ。
「暴露したら、愛莉のミーチューバ人生破壊すること分かっていたよね? だから許せなかった。大体さ、何清純ぶってるの? 私にも勧めてきたじゃない? 小遣い稼ぎに最高だって!」
「……それは」
「大したことじゃないって言ってたじゃない? ……それとも、私も沼に嵌めるつもりだった?」
 その言葉に、音霧さんの表情はみるみると変わっていく。
「テメェー!」
 汚い言葉を放った音霧さんは、三上さんに向かって歩き出す。
 ピー、ピー、ピー。
 それを止めるかのように、けたたましい音と共に赤く点滅をする指輪。先程と同じ展開に俺は小春を抱き寄せ、見せないように顔を埋めさせた。
「大体、お前誰だよっ! 何の為にこんなこと!」
 北条くんは奪い返したスマホに向かい、怒声を響かせる。
『おやぁ? もうヒントは差し上げてますよ?』
「ヒントぉ? 何だよ、それはよぉー!」
『まずは彼女さんの身を案じるべきでは?』
 その言葉で、ようやく猶予がない状態だと気付いたようだった。
「と、とりあえず外して!」
「……お前も、見捨てるとかなしだからな!」
「分かってるから!」
 北条くんはガタガタと震える指で、音霧さんの命を縛り付けていた死の指輪を外す。
「外れた!」
 するとけたたましい音が止み、先程までの醒めた空気は一転して歓声に包まれた。
「さあ、俺も早く!」
「分かってるから!」
 指を震わしながら、音霧さんも北条くんの指輪を引き抜こうと懸命に向き合っている。そんな姿に、いつしか教室中には応援する声が響き分かっていた。しかし。
 ピー、ピー、ピィーー。
 警告音が強く鳴り響いたかと思えば耳がつんざく音と振動と共に、また同様の惨劇が俺達の前で繰り広げられた。
「どうして、二人は指輪を外そうとしていたじゃない! 違う! 私は愛莉のことで紗栄子を反省させようとしていただけで、別に殺すつもりなんかなかったの! 本当だから!」
 悲鳴と共に、虚しく響く声。
 どうして? どうして指輪を外したのに二人は死んでしまった?