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27話 生徒会カップルの秘密(6)

ー/ー




「……やめてくれないか?」
『無理です』
「勘弁してくれ! 頼む!」
「爽太。私、平気だよ」

 北条が荒らげた声を落ち着かせたのは、音霧さん。

「紗栄子?」
「だって、私の過ちを許してくれたんだもの。何を聞いても、私は受け入れるから」

 ガタガタと震わせる北条くんの手を、握る音霧さん。しかしそれは一瞬で崩壊した。

『北条爽太は音霧紗栄子のパパ活を知っており、金を受け取っていた』
「……え?」

 あまりにも突拍子もない暴露に、教室に居た全員が静まり返ってしまった。しかし横を見ると小春は明らかに表情を歪めており、その奥にいた凛は鋭い眼差しで睨み付けていた。

「いや、待ってくれよ! 彼女のパパ活止めない彼氏なんて、いるわけないだろ!」

 いつもなら賛同が湧く北条くんの言葉に、同調する者はいなかった。

「お母さんが具合悪いんだよね?」
「……あ」
「だからお金が必要だって? そうだよね?」
『残念ながら違います。証拠はまたSNSの裏アカです』

『レアキャラゲット! 十万注ぎ込んだもんなー』
 文章と共に映し出されていたのは、女性のイラストだった。絵柄的にスマホアプリのキャラクターだと、察せられた。

「見せて!」

 音霧さんは北条くんからスマホを奪い取る。取り返そうとしてくる北条くんを強く突き飛ばしたかと思えば、パスコードを知っているみたいな手付きで解除し、すぐにそれを見つけたようだった。

「十万で得たのは、これ?」

 先程のスクショと同じレアキャラが、北条くんのスマホアプリから出てきたようだった。

 ピッ、ピッ、ピッ。
 二人の指輪より聞こえる、警告音。黄色の点滅を始め、切迫しているのだと誰でもが察せられた。

『あららら。決定的な証拠出ちゃいましたね?』
「とりあえず、生きて出てから話し合おう? な?」

 両手の平を広げて「まあまあ」と宥める姿は、いつもの北条くんと別人に見えた。

「私が何したか知ってる? 体穢したのだって、あなたが好きだったから! ……っていうかよ、暴露したのは(はな)だろっ! パパ活のこと、あんたにしか話してないからぁ!」

 北条くんに向いていた怒りは、いつの間にか華と呼ばれる三上(みかみ)さんに矛先が変わっていた。


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「……やめてくれないか?」
『無理です』
「勘弁してくれ! 頼む!」
「爽太。私、平気だよ」
 北条が荒らげた声を落ち着かせたのは、音霧さん。
「紗栄子?」
「だって、私の過ちを許してくれたんだもの。何を聞いても、私は受け入れるから」
 ガタガタと震わせる北条くんの手を、握る音霧さん。しかしそれは一瞬で崩壊した。
『北条爽太は音霧紗栄子のパパ活を知っており、金を受け取っていた』
「……え?」
 あまりにも突拍子もない暴露に、教室に居た全員が静まり返ってしまった。しかし横を見ると小春は明らかに表情を歪めており、その奥にいた凛は鋭い眼差しで睨み付けていた。
「いや、待ってくれよ! 彼女のパパ活止めない彼氏なんて、いるわけないだろ!」
 いつもなら賛同が湧く北条くんの言葉に、同調する者はいなかった。
「お母さんが具合悪いんだよね?」
「……あ」
「だからお金が必要だって? そうだよね?」
『残念ながら違います。証拠はまたSNSの裏アカです』
『レアキャラゲット! 十万注ぎ込んだもんなー』
 文章と共に映し出されていたのは、女性のイラストだった。絵柄的にスマホアプリのキャラクターだと、察せられた。
「見せて!」
 音霧さんは北条くんからスマホを奪い取る。取り返そうとしてくる北条くんを強く突き飛ばしたかと思えば、パスコードを知っているみたいな手付きで解除し、すぐにそれを見つけたようだった。
「十万で得たのは、これ?」
 先程のスクショと同じレアキャラが、北条くんのスマホアプリから出てきたようだった。
 ピッ、ピッ、ピッ。
 二人の指輪より聞こえる、警告音。黄色の点滅を始め、切迫しているのだと誰でもが察せられた。
『あららら。決定的な証拠出ちゃいましたね?』
「とりあえず、生きて出てから話し合おう? な?」
 両手の平を広げて「まあまあ」と宥める姿は、いつもの北条くんと別人に見えた。
「私が何したか知ってる? 体穢したのだって、あなたが好きだったから! ……っていうかよ、暴露したのは|華《はな》だろっ! パパ活のこと、あんたにしか話してないからぁ!」
 北条くんに向いていた怒りは、いつの間にか華と呼ばれる|三上《みかみ》さんに矛先が変わっていた。