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26話 生徒会カップルの秘密(5)

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『じゃあ、あなたが証明したら良いじゃないですか? この日、音霧さんは何してました? お二人が付き合い始めたのは去年の五月二十一日から。メッセージを確認されてはどうですか?』

 北条くんのスマホロックは解除されたのか、画面に映し出されているのは赤い月ではなく、通常の待ち受け画面だった。
 遠目より見えたのは友人六人で写った画像で、いかに仲が良かったのかが伺える。
 しかし操作する素振りはなく、主催者に促されてようやく画面をスライドさせていく。

『疑われた当日は、バイトだと返ってきていますね? どんなバイトしてんだかって話ですが』

 どこまでも悪声をもたらす主催者に促されて音霧さんに視線を向けると、ガタガタと身を震わせている。

『これが無実の人間の態度ですかぁ? 心当たりがなければ、バイト先の名前、店長とのやり取りの履歴、その日のアリバイを探すなど、あなたほどの知性がある方ならとっくにされてますよねぇ? まあ、証明隠滅の手法はお見事でした』
「見て……たの?」
『当たり前じゃないですかぁ。アカウントとアプリの削除、個人メールまで消してせっかくの収入源を全て潰して、なかなか滑稽でした』
「ああっ……」

 もう逃げられないと悟った音霧さんは、長い髪を掻き上げヘナヘナとしゃがみ込む。
 それに寄り添うように、北条くんも同じ視線になるようにとかがみ込む。

「お願い助けて! 私がパパ活していたのは……!」
「分かってるよ」

 北条くんは変わらない。柔らかな笑顔を浮かべ、音霧さんの肩をそっと支える。

「……っ! あ、ありがとう!」

 北条くんは音霧さんの手を持ち、指輪に指を近付けていく。

『待ってください。暴露は二つと言いましたよ?』
「……え? 今、二つ出しましたよね?」
『いえ、証拠品ではなく暴露が二つと言いました。お願いですから、主催者の話を聞いてくださいよ。もう一つは北条爽太くん。あなたの暴露ですよ?』

 そう宣告された北条くんは、ピクピクと眉を動かす。


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『じゃあ、あなたが証明したら良いじゃないですか? この日、音霧さんは何してました? お二人が付き合い始めたのは去年の五月二十一日から。メッセージを確認されてはどうですか?』
 北条くんのスマホロックは解除されたのか、画面に映し出されているのは赤い月ではなく、通常の待ち受け画面だった。
 遠目より見えたのは友人六人で写った画像で、いかに仲が良かったのかが伺える。
 しかし操作する素振りはなく、主催者に促されてようやく画面をスライドさせていく。
『疑われた当日は、バイトだと返ってきていますね? どんなバイトしてんだかって話ですが』
 どこまでも悪声をもたらす主催者に促されて音霧さんに視線を向けると、ガタガタと身を震わせている。
『これが無実の人間の態度ですかぁ? 心当たりがなければ、バイト先の名前、店長とのやり取りの履歴、その日のアリバイを探すなど、あなたほどの知性がある方ならとっくにされてますよねぇ? まあ、証明隠滅の手法はお見事でした』
「見て……たの?」
『当たり前じゃないですかぁ。アカウントとアプリの削除、個人メールまで消してせっかくの収入源を全て潰して、なかなか滑稽でした』
「ああっ……」
 もう逃げられないと悟った音霧さんは、長い髪を掻き上げヘナヘナとしゃがみ込む。
 それに寄り添うように、北条くんも同じ視線になるようにとかがみ込む。
「お願い助けて! 私がパパ活していたのは……!」
「分かってるよ」
 北条くんは変わらない。柔らかな笑顔を浮かべ、音霧さんの肩をそっと支える。
「……っ! あ、ありがとう!」
 北条くんは音霧さんの手を持ち、指輪に指を近付けていく。
『待ってください。暴露は二つと言いましたよ?』
「……え? 今、二つ出しましたよね?」
『いえ、証拠品ではなく暴露が二つと言いました。お願いですから、主催者の話を聞いてくださいよ。もう一つは北条爽太くん。あなたの暴露ですよ?』
 そう宣告された北条くんは、ピクピクと眉を動かす。