23話 生徒会カップルの秘密(2)
ー/ー「ち、違う! 違うのぉー!」
音霧さんは北条くんの胸元に縋って、否定の言葉を繰り返す。
生徒会の時と違って、そこに理論なんか一切なく感情的に。
感情のまま叫ぶ姿があまりの悲痛で、耳を塞いでしまった。
『ふふ、嘘はいけませんねぇ。今回の証拠品はSNS上でのスクショです』
「え!」
途端に目を見開き、しがみついていた北条くんのシャツをそっと離す。
目をギョロギョロと動かし、指を強く噛み、顔面から血の気が引いてるように見えた。
後方から聞こえる耳障りな悲鳴と、息を詰まらせるような息遣いに、恐る恐るスマホに目を落とした。
そこには予想を上回る、衝撃の事実が映し出されていた。
『現役JKでぇす。大人あり5。お金持ちの素敵なおじさま、連絡待ってまーす』
「……はぁ?」
思わず漏れた声が、本心だった。
なんだよ、これ?
いや、分かってる。知らないなんて否定出来るほど、純粋無垢だと言うつもりなんかない。
しかし、これは。
自分でも表情が歪んでいっていると自覚出来るほどの衝撃に、胸に沸き立つ不快感のようなもの。
リアルに見るのは初めてで、吐き気を催してくる。
それに追い討ちをかけるように、次々と追加されていく証拠画像。多数のやり取りがあり、パパ活を繰り返しているのだと察せられる内容だった。
『これが彼女の裏アカです。いやあ、怖いですねぇ。こんな優等生を絵にしたような女子高生が、裏でパパ活している世の中なんですからぁ』
「ち、違うのぉ! こんなの知らない! そうよ、これが私とは限らないじゃない! このSNSはやってないのぉー! 見なさいよ、今出すから!」
はぁはぁと息を切らす音霧さんはスマホを叩く勢いでタップするが、やはりゲーム中は操作出来ないのか、「なんなのこれー!」とスマホを床に投げつけてしまった。
「……確かに、紗栄子はメッセージアプリ以外やってないし、この内容だけでは紗栄子がパパ活してるなんて断定出来ない。これを証拠とするなら、密告した者勝ちになる! 主催者のあなたは、そんな抜けのあるゲームをして良いのですか?」
北条くんが冷静に、ゲームの穴を指摘する。
そうだ。こんなのが罷り通ってしまったら、何でもありになってしまう。
だから、こんなのは証拠としてならな──。
『勿論、これだけのことで暴露なんてしません。本命はこちらです』
スマホに映し出されたのは先程と同じSNSであり、スクショだった。
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