21話 二回目前 四つ目のルール違反(3)
ー/ー「何、一人だけ逃げようとしてんの?」
何かと思ったが、その尖った言葉により俺の非人道さが明らかになってしまう。
確かに、そうだ。俺は役目を放棄して……。
「でも、あの時は本当に爆発するなんて思ってなかったし、それを言えば俺だって……」
バツの悪そうな表情をしながら必死にフォローをしようとしてくれる小田くんに、「アンタは黙っといて!」と一喝するだけ。
その場の空気は変わらなかった。
「あ、違い……ます。慎吾は、私を……」
あまりの細すぎる声に、教室に沸き立つ熱気に消えてしまいそうだが、小春は一つ一つ言葉を振り絞っていく。
「はぁー?」
不機嫌丸出しの声と、相手をとことん潰したいと言いたげな視線で小春をギロッと睨んでくる。
先程まで前に出てきていた小田くんは、小春と目を合わせることもなくスッと身を引いてしまう。
「って、言うかさぁー。大林さんが必死に二人を助けようとしているのに、よく自分達だけ逃げ出せるよねぇー!」
正論という名の棘は、容赦なく俺にグサグサと刺し込んでくる。
自己中で、身勝手で、保身のことしか思っていない。やはり俺って、最低だな……。
「そうゆうあなたは何してたの?」
俺と内藤さんの間を割り込むように入ってきたのは、どこまでも凛とした名前通りの女子。
「安全なところから文句だけ言うの、やめてくんない?」
自身は比較対象として讃えられている立場だというのに、それに対して一切の優越感に浸らない。
それが大林凛という、人間だ。
「はぁ? って言うかぁー、あんたの彼氏だって、口先だけ男じゃん! 俺が変わりに仲裁するだぁ? 肝心な時にいなかったくせに」
図星を突かれたからか表情はより歪み、次は関係なかった翔にまで飛び火していく。
凛は、翔のことは関係ないと軽く否定するが、確かに気になってしまった。
あの時、翔は何処にいたんだ?
だからこそ二人は、もう少しのところで……。
『なかなか良いところですが、そろそろ始めましょうかぁ? さすがに尺、というものがありますしねー』
その言葉に、教室内がシンっと静まり返る。
尺?
顔を上げると、そこには定点カメラが張り巡らされた異質な光景があり、ようやく「デスゲームのお約束」というものに気付かされた。
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