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20話 二回目前 四つ目のルール違反(2)

ー/ー




「慎吾、行くぞ!」

 背後からの声に振り向く間もなく腕を掴まれた俺は、翔に引っ張られる形で階段を駆け上がって行く。
 その横には凛に引っ張ってもらう小春がいて、安堵しながら四人掛けて行く。
 こうゆう時は俺が小春を守らないといけないのに、いつもこうだ。本当に情けない。
 あの時だって真正面から行動を起こしたのは凛で、俺はと言えば……。
 こうして、指輪が赤く光る前に教室に入れた俺達は、ピタッと音が鳴り止んだことに膝から崩れ落ちて両手を付く。
 とりあえず爆発は止められた、ということらしい。

「ちょっと何なの! 離れてよっ!」

 突然の怒声に顔を挙げると、他の生徒全員が教室前方に立っており、俺達を見て明らかに表情を引き攣らせている。
 一瞬、意味が分からなかったが、指輪を光らせて走ってきたら、他の生徒達が怯えるのは当然だった。

「あ、いや。違うんだ。ほら、今は指輪光ってないだろ?」

 翔が指輪を見せて問題ないと説明するが、爆発の恐怖を植え付けられている全員がこちらと距離を取るのは当然だった。

『はぁー、どうしてくれるのですかぁ? これじゃ、ゲームが始められないじゃないですか? 仕方がありませんねぇ……』

 明らかに言葉に毒がある主催者の声に、俺達は戦慄する。
 まさか、進行を邪魔した俺達を消すって……。

『指輪が爆発するルールの四つ目を当ててください、片桐慎吾くん?』
「……えっ?」

 突然の名指しに、肩がビクンと跳ね上がる。
 爆発のルール? そんなの分かるわけないし!
 そんな考えを見通したかのように、俺の指輪だけがまたしても黄色く点滅し、生徒達は廊下へと駆けて行く。

『おっと、他の生徒は口出し禁止です。ヒントを与えた者も共に爆発させるので、そのつもりで』

 俺に近付いて来ていた三人から距離を取り、考えをまとめる。
 分かっていないのは俺だけ。だから主催者は俺を指名したのだろう。
 知能だけでなく、察し能力もない自分に嫌気がさす。
 どんどんと速くなる警告音。
 まとまらない考えに、視界がどんどんとぼやけてくる。
 最期にと小春に目をやると、その小さな手は廊下を指差しており、俺を真っ直ぐな視線を向けてくる。
 ……廊下?
 次に見せてきたのは、ドクロの指輪だった。
 あっ!
 あ、あ! そっか!
 口から出そうになった言葉を押し込み、冷静に息を吸って吐いて、声に出す。

「『四つ目の爆発条件は、立会人にならないこと』、……だと思います」

 情けないほどに声も全身も震えるが、なんとか言えた。
 問題はそれが正解かどうかであり、間違いなら次は俺の体が弾け飛ぶ。
 命を取り留める為のパートナーでもある、小春を置いて──。

『正解です。まあ今回は良いでしょう、余興の一つとして。だから途中で教室から抜け出すのは、なしですからね?』

 指輪の光りは消え、はぁぁぁとしゃがみ込む。
 そうか。一回目の時に俺と小春の指輪が警告音を鳴らしたのは、教室から出た俺達に対して「立会人を拒否する行動」と判断されたからだったんだ。
 指輪が爆発する条件、として。
 良かれと思ったことで、小春の命まで危ぶめてしまった。

「ごめ……」

 立ち上がった途端に感じる、刺さるような周りの視線。


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「慎吾、行くぞ!」
 背後からの声に振り向く間もなく腕を掴まれた俺は、翔に引っ張られる形で階段を駆け上がって行く。
 その横には凛に引っ張ってもらう小春がいて、安堵しながら四人掛けて行く。
 こうゆう時は俺が小春を守らないといけないのに、いつもこうだ。本当に情けない。
 あの時だって真正面から行動を起こしたのは凛で、俺はと言えば……。
 こうして、指輪が赤く光る前に教室に入れた俺達は、ピタッと音が鳴り止んだことに膝から崩れ落ちて両手を付く。
 とりあえず爆発は止められた、ということらしい。
「ちょっと何なの! 離れてよっ!」
 突然の怒声に顔を挙げると、他の生徒全員が教室前方に立っており、俺達を見て明らかに表情を引き攣らせている。
 一瞬、意味が分からなかったが、指輪を光らせて走ってきたら、他の生徒達が怯えるのは当然だった。
「あ、いや。違うんだ。ほら、今は指輪光ってないだろ?」
 翔が指輪を見せて問題ないと説明するが、爆発の恐怖を植え付けられている全員がこちらと距離を取るのは当然だった。
『はぁー、どうしてくれるのですかぁ? これじゃ、ゲームが始められないじゃないですか? 仕方がありませんねぇ……』
 明らかに言葉に毒がある主催者の声に、俺達は戦慄する。
 まさか、進行を邪魔した俺達を消すって……。
『指輪が爆発するルールの四つ目を当ててください、片桐慎吾くん?』
「……えっ?」
 突然の名指しに、肩がビクンと跳ね上がる。
 爆発のルール? そんなの分かるわけないし!
 そんな考えを見通したかのように、俺の指輪だけがまたしても黄色く点滅し、生徒達は廊下へと駆けて行く。
『おっと、他の生徒は口出し禁止です。ヒントを与えた者も共に爆発させるので、そのつもりで』
 俺に近付いて来ていた三人から距離を取り、考えをまとめる。
 分かっていないのは俺だけ。だから主催者は俺を指名したのだろう。
 知能だけでなく、察し能力もない自分に嫌気がさす。
 どんどんと速くなる警告音。
 まとまらない考えに、視界がどんどんとぼやけてくる。
 最期にと小春に目をやると、その小さな手は廊下を指差しており、俺を真っ直ぐな視線を向けてくる。
 ……廊下?
 次に見せてきたのは、ドクロの指輪だった。
 あっ!
 あ、あ! そっか!
 口から出そうになった言葉を押し込み、冷静に息を吸って吐いて、声に出す。
「『四つ目の爆発条件は、立会人にならないこと』、……だと思います」
 情けないほどに声も全身も震えるが、なんとか言えた。
 問題はそれが正解かどうかであり、間違いなら次は俺の体が弾け飛ぶ。
 命を取り留める為のパートナーでもある、小春を置いて──。
『正解です。まあ今回は良いでしょう、余興の一つとして。だから途中で教室から抜け出すのは、なしですからね?』
 指輪の光りは消え、はぁぁぁとしゃがみ込む。
 そうか。一回目の時に俺と小春の指輪が警告音を鳴らしたのは、教室から出た俺達に対して「立会人を拒否する行動」と判断されたからだったんだ。
 指輪が爆発する条件、として。
 良かれと思ったことで、小春の命まで危ぶめてしまった。
「ごめ……」
 立ち上がった途端に感じる、刺さるような周りの視線。