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19話 二回目 四つ目のルール違反(1)

ー/ー



『一時間が経ちました。今回のカップルは北条爽太くんと、音霧紗栄子さんです。立会人となる皆さんは、教室にお集まりください』

 次は二人じゃなければ良いな。
 俺の些細な願いは、スマホより流れる音声により簡単に打ち砕かれた。

「俺達か……。まあ、想定通りだ。行こう、紗栄子」
「うん。じゃあ、みんな後でね」

 二人は覚悟していたのか、取り乱す様子もなく二年一組に行く為に、階段に向かって行く。

「……やっぱりな……」

 小さくなっていく二人の背中を見ていた翔は、聞こえるか聞こえないかの声でそう呟く。

「やっぱり?」
「……あ、いや! 想定内ってどうゆうことなんだろうなって!」

 翔が落とした言葉を思わず拾いあげると、一つの情報が舞い込んできた。

「確か順番は、主催者の独断と偏見によって選出すると言ってた。なのにどうして北条くんは次だと気付いたか……、ってことだよね?」

 凛のまとめにより、疑問がより鮮明になっていく。
 カップルの順番に何か法則でもあるのか?
 でもそれなら、二組目の発表前に見当を付けていたことになるよな? いくらなんでも早すぎるだろう?
 気付けば俺は一人駆け出しており、階段を登っていた北条くんの背中に声をかけていた。

「待って。どうして次は自分だと分かったの?」

 それを聞いた途端に北条くんは顔を歪め、こっちを見据えてきた。

「教えられないな」
「どうして? みんなで協力するなら、情報共有は大事だと思うけど」

 人間、追い詰められるとなんでも出来ると言うけど、あながち間違ってないのかもしれない。
 普段は絶対関わらない特進クラスの男子に、意見をするなんて。

「……じゃあさ、もし内藤さんが次の番だって分かったら、君はどうする?」
「え?」

 不意に出てきた、あの人の名前。
 どうすることもしないと決めたばかりなのに、顔が引き攣っていくを感じる。

「そうゆうことだよ? だから、知らない方が良いこともあるんだよ。みんなで助かる為にね。……さあ、行こう。うかうかしていると、主催者に目を付けられるかもしれないから」

 その言葉に頷き先に行く二人を見送りつつ、呆けてしまう心と体。
 人を恨む感情とは、ここまでギトギトとした粘着したものなのか。拭っても拭っても湧き出てくる、ドロドロとした黒い不純油のようなものに、現実を突き付けられていく。
 俺の中にこれほどの悍ましい考えがあるのだと、ただ熱い息が漏れる。
 そんな俺を許さないと告げる音。
 ピッ、ピッ、ピッ。
 ビクッと体を震わす機械音に、ドクロ指輪をから不気味に放たれる黄色い点滅。
 さっき見ていたから分かる。これは爆発知らせる警告音。
 なんで、なんでだよ!


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『一時間が経ちました。今回のカップルは北条爽太くんと、音霧紗栄子さんです。立会人となる皆さんは、教室にお集まりください』
 次は二人じゃなければ良いな。
 俺の些細な願いは、スマホより流れる音声により簡単に打ち砕かれた。
「俺達か……。まあ、想定通りだ。行こう、紗栄子」
「うん。じゃあ、みんな後でね」
 二人は覚悟していたのか、取り乱す様子もなく二年一組に行く為に、階段に向かって行く。
「……やっぱりな……」
 小さくなっていく二人の背中を見ていた翔は、聞こえるか聞こえないかの声でそう呟く。
「やっぱり?」
「……あ、いや! 想定内ってどうゆうことなんだろうなって!」
 翔が落とした言葉を思わず拾いあげると、一つの情報が舞い込んできた。
「確か順番は、主催者の独断と偏見によって選出すると言ってた。なのにどうして北条くんは次だと気付いたか……、ってことだよね?」
 凛のまとめにより、疑問がより鮮明になっていく。
 カップルの順番に何か法則でもあるのか?
 でもそれなら、二組目の発表前に見当を付けていたことになるよな? いくらなんでも早すぎるだろう?
 気付けば俺は一人駆け出しており、階段を登っていた北条くんの背中に声をかけていた。
「待って。どうして次は自分だと分かったの?」
 それを聞いた途端に北条くんは顔を歪め、こっちを見据えてきた。
「教えられないな」
「どうして? みんなで協力するなら、情報共有は大事だと思うけど」
 人間、追い詰められるとなんでも出来ると言うけど、あながち間違ってないのかもしれない。
 普段は絶対関わらない特進クラスの男子に、意見をするなんて。
「……じゃあさ、もし内藤さんが次の番だって分かったら、君はどうする?」
「え?」
 不意に出てきた、あの人の名前。
 どうすることもしないと決めたばかりなのに、顔が引き攣っていくを感じる。
「そうゆうことだよ? だから、知らない方が良いこともあるんだよ。みんなで助かる為にね。……さあ、行こう。うかうかしていると、主催者に目を付けられるかもしれないから」
 その言葉に頷き先に行く二人を見送りつつ、呆けてしまう心と体。
 人を恨む感情とは、ここまでギトギトとした粘着したものなのか。拭っても拭っても湧き出てくる、ドロドロとした黒い不純油のようなものに、現実を突き付けられていく。
 俺の中にこれほどの悍ましい考えがあるのだと、ただ熱い息が漏れる。
 そんな俺を許さないと告げる音。
 ピッ、ピッ、ピッ。
 ビクッと体を震わす機械音に、ドクロ指輪をから不気味に放たれる黄色い点滅。
 さっき見ていたから分かる。これは爆発知らせる警告音。
 なんで、なんでだよ!