【2】①
ー/ー
◇ ◇ ◇
あたしたちが結婚するって報告した時、貴也のお父さんもうちの両親も手放しで喜んでくれた。
特に貴也のお父さんは、自分が早く気づかなかったせいで息子を傷つけたって苦しんでたみたいだし。
当然、貴也が『女性嫌悪』だか『恐怖』だかっぽいのも、全然知らなかったわけないよね。
気心の知れたあたしなら安心だ、ありがとう! ってホントに嬉しそうだった。
「まあね、結婚したらしたで次は『子どもは!』なんだろうけどさ。そこはもう適当に躱すわ」
挨拶前の打ち合わせで零したあたしに、貴也は「僕に任せてくれる?」と考えを話してくれた。
「おじさん、おばさん。大事な話があるので聞いてください。僕は、……子どもができないんです。同僚に勧められてブライダルチェックっていうのに行って──、はるかは『構わない』って言ってくれたんですが黙っているのは卑怯ですから」
ここでお母さんが逆上したら、どうにか抑えるのはもちろんだけど何より貴也に酷いこと言わせないようにしないと、って身構えてたあたしに、両親の反応は超意外だった。
「そんなの! 二人が納得してるんならどうでもいいのよ! 貴也くん、言いにくいことをごめんね」
お母さんが必死の形相で言い募るのに、お父さんがその肩を抱いて宥めながら貴也とあたしに頷いた。
「お母さんは、とにかくはるかが一人で寂しくないように、ってそれだけなんだ。『世間体』とかじゃなくてな。……世界が狭いところはあるから、未だに『ずっと独身なんてありえない、可哀想』のままなんだよ」
お母さんが化粧直しに立ったとき。
「お父さんたちもなかなか子どもできなくて、お母さんは周囲にあれこれ責められて苦労してた。『もういいじゃないか。二人で仲良く暮らそう』って言ってるところに、はるかが生まれたんだ」
ぽかんとしてるあたしに、お父さんがそっと教えてくれた。
だからお母さんは「結婚しないのか、彼氏は?」ってうるさくても、子どものことは全然言わなかっただろ? とお父さんの優しい声。
ああ、たしかにそうだったわ。
お母さんはあたしに、自分みたいに信頼できる伴侶を得てほしかった、ってだけだったのかな。
結局、その場は「夫婦円満ならそれで何も言うことない」って平和に終わった。
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特に貴也のお父さんは、自分が早く気づかなかったせいで息子を傷つけたって苦しんでたみたいだし。
当然、貴也が『女性嫌悪』だか『恐怖』だかっぽいのも、全然知らなかったわけないよね。
気心の知れたあたしなら安心だ、ありがとう! ってホントに嬉しそうだった。
「まあね、結婚したらしたで次は『子どもは!』なんだろうけどさ。そこはもう適当に躱すわ」
挨拶前の打ち合わせで零したあたしに、貴也は「僕に任せてくれる?」と考えを話してくれた。
「おじさん、おばさん。大事な話があるので聞いてください。僕は、……子どもができないんです。同僚に勧められてブライダルチェックっていうのに行って──、はるかは『構わない』って言ってくれたんですが黙っているのは卑怯ですから」
ここでお母さんが逆上したら、どうにか抑えるのはもちろんだけど何より貴也に酷いこと言わせないようにしないと、って身構えてたあたしに、両親の反応は超意外だった。
「そんなの! 二人が納得してるんならどうでもいいのよ! 貴也くん、言いにくいことをごめんね」
お母さんが必死の形相で言い募るのに、お父さんがその肩を抱いて宥めながら貴也とあたしに頷いた。
「お母さんは、とにかくはるかが一人で寂しくないように、ってそれだけなんだ。『世間体』とかじゃなくてな。……世界が狭いところはあるから、未だに『ずっと独身なんてありえない、可哀想』のままなんだよ」
お母さんが化粧直しに立ったとき。
「お父さんたちもなかなか子どもできなくて、お母さんは周囲にあれこれ責められて苦労してた。『もういいじゃないか。二人で仲良く暮らそう』って言ってるところに、はるかが生まれたんだ」
ぽかんとしてるあたしに、お父さんがそっと教えてくれた。
だからお母さんは「結婚しないのか、彼氏は?」ってうるさくても、子どものことは全然言わなかっただろ? とお父さんの優しい声。
ああ、たしかにそうだったわ。
お母さんはあたしに、自分みたいに信頼できる伴侶を得てほしかった、ってだけだったのかな。
結局、その場は「夫婦円満ならそれで何も言うことない」って平和に終わった。