第57話 仲間
ー/ー 攻撃を防ごうと咄嗟に刀を盾にするが、あまりの衝撃に身体が吹き飛び、壁へと激突した。優に5メートルはあろうかというその体格から繰り出される一撃はあまりにも重かった。
「あと一歩だったのに、残念だったな。言っておくが、今の一撃でわかるように牛鬼は君よりはるかに強いぞ」
そう言ってぬらりひょんは笑った。勝ち誇ったように。
考える暇もなく続けざまに槍のような脚が紙都を串刺しにしようと迫った。よろけながらもなんとか避けるが、傷を負った身体は自分の体じゃないように言うことを効かなかった。
牛鬼は後ろの2本の脚で体を支え、残りの前足で器用に紙都を追い続ける。壁が破壊され、粉塵が舞うなか、紙都がその脚に貫かれるのは時間の問題だった。
(くっ! このままじゃやられてしまう……なんとか、攻撃に転じないと)
何度目かわからない埃が舞い上がると、紙都は一度真上に跳んでから壁を強く蹴って大きく飛翔した。刀に力を込めて、牛鬼のおぞましい顔めがけて大きく振り下ろす。
しかし、隙を縫ったその斬撃は弾かれ、その衝撃で紙都はまた飛ばされてしまう。頭皮があまりにも硬すぎたのだ。
床に落下したばかりの紙都目掛けて、容赦なく牛鬼の脚が迫る。背中を強く打ち付けてまだ動くことのできない紙都の瞳の中に黒々と光る刃が大きくなっていく。
死を覚悟した瞬間だった。紙都の周りに強烈な風が巻き起こり、その体を吹き飛ばした。
「……牛鬼か……厄介な相手だな」
舌打ちとともに発せられた聞き覚えのある声に顔を上げると、真白な長髪に同じ色の大鎌を構えた鎌倉颯太が立っていた。
「まあた、やられそうになってるのね」
「おお……紙都、本当に妖怪だったのか!」
その後ろには柳田沙夜子に犬山蓮が。
紙都は重い体を持ち上げてその場で立ち上がった。
「みんな、どうして?」
沙夜子が前に進み、泣き腫らした顔を上げて腕を組んだ。
「なんでって、あんたが心配だからよ。散々うるさい音出して暴れまわってたから、また鬼になっちゃったのかと思ったじゃない」
蓮もその横に並ぶ。
「紙都! まだ状況がよくわからねーけど、ピンチっぽかったから来たぜ。沙夜子さんは俺が守るから安心して戦え!」
二人の間を割るようにして前に出た颯太は溜め息をついて口を開いた。
「鬼神御言は、別の場所へ移動してもらった。残念なことだが、俺がついたときには、もう息を引き取っていた」
颯太の脳裡に自分のために祈ってくれた御言の顔が浮かぶ。今ならなぜ自分があのとき御言を殺せなかったのか、その理由がわかる。
「鬼神御言の埋葬はあとだ。今は──」
紙都も刀を構えた。
「ああ。ぬらりひょんを倒す」
二本の刃が再び紙都に襲い掛かった。横へよけると、その隙に颯太が牛鬼の後ろから攻撃を試みる。
「あと一歩だったのに、残念だったな。言っておくが、今の一撃でわかるように牛鬼は君よりはるかに強いぞ」
そう言ってぬらりひょんは笑った。勝ち誇ったように。
考える暇もなく続けざまに槍のような脚が紙都を串刺しにしようと迫った。よろけながらもなんとか避けるが、傷を負った身体は自分の体じゃないように言うことを効かなかった。
牛鬼は後ろの2本の脚で体を支え、残りの前足で器用に紙都を追い続ける。壁が破壊され、粉塵が舞うなか、紙都がその脚に貫かれるのは時間の問題だった。
(くっ! このままじゃやられてしまう……なんとか、攻撃に転じないと)
何度目かわからない埃が舞い上がると、紙都は一度真上に跳んでから壁を強く蹴って大きく飛翔した。刀に力を込めて、牛鬼のおぞましい顔めがけて大きく振り下ろす。
しかし、隙を縫ったその斬撃は弾かれ、その衝撃で紙都はまた飛ばされてしまう。頭皮があまりにも硬すぎたのだ。
床に落下したばかりの紙都目掛けて、容赦なく牛鬼の脚が迫る。背中を強く打ち付けてまだ動くことのできない紙都の瞳の中に黒々と光る刃が大きくなっていく。
死を覚悟した瞬間だった。紙都の周りに強烈な風が巻き起こり、その体を吹き飛ばした。
「……牛鬼か……厄介な相手だな」
舌打ちとともに発せられた聞き覚えのある声に顔を上げると、真白な長髪に同じ色の大鎌を構えた鎌倉颯太が立っていた。
「まあた、やられそうになってるのね」
「おお……紙都、本当に妖怪だったのか!」
その後ろには柳田沙夜子に犬山蓮が。
紙都は重い体を持ち上げてその場で立ち上がった。
「みんな、どうして?」
沙夜子が前に進み、泣き腫らした顔を上げて腕を組んだ。
「なんでって、あんたが心配だからよ。散々うるさい音出して暴れまわってたから、また鬼になっちゃったのかと思ったじゃない」
蓮もその横に並ぶ。
「紙都! まだ状況がよくわからねーけど、ピンチっぽかったから来たぜ。沙夜子さんは俺が守るから安心して戦え!」
二人の間を割るようにして前に出た颯太は溜め息をついて口を開いた。
「鬼神御言は、別の場所へ移動してもらった。残念なことだが、俺がついたときには、もう息を引き取っていた」
颯太の脳裡に自分のために祈ってくれた御言の顔が浮かぶ。今ならなぜ自分があのとき御言を殺せなかったのか、その理由がわかる。
「鬼神御言の埋葬はあとだ。今は──」
紙都も刀を構えた。
「ああ。ぬらりひょんを倒す」
二本の刃が再び紙都に襲い掛かった。横へよけると、その隙に颯太が牛鬼の後ろから攻撃を試みる。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。