16話 協力(1)
ー/ー俺達四人は中学一年生からの友達。クラスが変わっても、それは変わらなかった。
だけど、そんな関係が変わったのは中学三年の春。
翔が「男同士の話」だと言い、俺達の母校だった北小学校に俺を呼び出してきたことだった。
南小と北小の統合により、俺達の卒業と同時に廃校となった校舎はあまりにも懐かしい。
そして窓ガラスが割れた玄関から中に入れてしまい、屋上の鍵すらも壊れて外に出てしまえる、緩い管理体制に度肝を抜かれてしまった。
情報通の翔と、噂は本当だったと悪い顔をして中に入っていく。
オレンジ色の夕日に照らされる屋上。安全用に付けられたフェンスが一部壊れていて、廃墟の怖さを思い知る。
翔からは、さっきまでのふざけた表情はなくなり、背を向けたかと思えば、凛を好きになったとボソッと呟いていた。
だからこそもし俺も同じ気持ちなら、正々堂々と勝負したい。友情がなくなるのはなしだと、真っ直ぐに俺を見つめてきた。
さすが大山中学校の野球部エース。なんの策もないストレート投球に、それは反則だと思った。……どこまでかっこいいんだよ。性格までなんて、ズルすぎるだろ?
俺は凛について改めて考えたが、やはり友達以上の感情はなく、心から応援すると話した。
むしろ最初に浮かんだのは小春の顔で、どこか気恥ずかしくて隠していた本心が露わになった、中三の春だった。
それから小春を見るたびに顔を背けてしまい、せっかく凛を通さなくても話せる仲になっていたのに離れていってしまった。小春が。
向こうからしたら突然避けられたと思うのは当然で、クラスがバラバラになったことからより関わりは減っていってしまう。
今までの俺なら、失敗したと交友関係を終わらせてしまっていたけど、翔に言葉に動かされなんとか謝り仲直り出来た。
だけど別のクラスになった弊害は俺には大きすぎて、行動を起こすことが出来なかった。
そんな中、四人とも同じ高校を受験することになり、それがキッカケでまた集まるようになった。高校は三校しかないほどの田舎で、特別すごいことでもない。
しかも翔と凛はスポーツ推薦で、小春は特進クラス。俺は一般入試で、立場は全然違った。
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