新たな観察者
ー/ー キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、澪を見ていた人物は教室を出る。その頭に澪のことはもうなかった。
学校が終わればまた家に帰らないといけない。計画を実行するが先か、透明な地獄に溺れ続けるか。
...憂鬱だな
「はぁ...」
「どしたの?」
思わずため息をつくと、横にはヒマリがいた。リュックをすっかり背負っていた。
「いやー、どっか遊びたいなって」
最近遊びに行ってなかったじゃん?と続けるとヒマリは納得したようにぽんと手を打った。事実半分、誤魔化し半分の言葉は上手く通ったようで、ヒマリは必死にどこに行くかをスマホで考えてくれている。
外の人は、家族と違って反応が分かりやすい。特にヒマリは飾った感じもなく隠す部分もないから、誰が見ても手に取るように分かった。
「ハンバーガー行く?」
「行く!」
即答した私の笑顔は隠さない本物だった。ヒマリだから見せれた表情だと思う。
環境で身につけた付け刃の私とは違い、彼女には天性の才能があった。
「うっま!」
中にあるハンバーグを噛むたびに広がる香ばしさに思わず感動を共有したくなった。もちろん、多少は抑えているが。
「でしょー!私のおすすめだから...うまぁー」
二人でお花を飛ばしながら食事をする。
「そういや、澪は夜ご飯大丈夫なの?私は今日ないから良いけど」
確かに、家に帰らなくてもいい喜びのあまり忘れていた。でも、計画には好都合だ。私は心の隅でニヤリとし、鼓動が高鳴るのを感じた。高校生としての仮面は被ったままで。
「大丈夫大丈夫!さっき親に連絡しといたしー」
嘘だけどね。でもさっき一人の時間が合ったから、その言い訳は十分通る。
「何で嘘つくの?」
は??なぜバレた。いや、これがハッタリの可能性だってある。ここは冷静に。
「え...?さっき、ヒマリがトイレに行ってたときに...」
「嘘の目してる」
根拠もない。そう続けようとしたけど、やめた。ヒマリの目があまりに真っ直ぐだったから。
「...なんでそんなに悲しそうにしてるの?ヒマリ」
問い詰めたのはヒマリ|《そっち》なのに、何故か彼女のほうが泣き出しそうな顔をしていた。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。