3話 ルール説明(1)
ー/ー『これは失礼しました。私のことは、「主催者」とでもお呼びください。これより説明を行いますので、みなさんは二年一組にお越しください』
丁寧な口調ではあるがこちらに有無を言わせず、一方的に呼び出してきた場所は小春と俺のクラスだった。
まだ教室は見回れていないが、何かが進展するかもしれないという僅かな期待から、見慣れた部屋を覗き込む。
そこにも天井に付けられた黒い光沢を放つ丸い物があり、廊下に比べて明らかに多く、なんとも異常な教室へと変貌していた。
『では、カップルで並んで座ってください』
その声に、体がビクッと跳ね上がる。
そうだ、今は指定されてこの部屋に来ていたんだった。
机と椅子は通常時の半数しかなく、前方の物はなくなっていて、あとは変わりはない。と思う。
「この……、丸いのは?」
そう問う声は震えていて、だけど黙りこくってしまった俺よりしっかりしていて、同じ背格好をした男子の方に目を向ける。
小田圭祐くん。
二年で同じクラスになったことで知り合い、スマホゲームがキッカケで急激に仲良くなり、ゲームだけでなく授業や面白かったテレビのバライティ番組とかも話す仲で、気が合う友達、だった。
『ああ。カメラなのでご心配なく』
やっぱり、そうだった。
俺の視線に気付いたのか、小田くんもこっちに顔を向けてきて、互いに目で「きっと大丈夫」と相槌を打った。
「え~! どおしてこんなことしないといけないのぉ~! あいりん、怖いんだけどぉ~」
ざわつく廊下から一人中に入って行くのは、西条寺愛莉さん。
動くたびに茶髪の髪が揺れ、シャツのボタンが緩くて目のやり場に困るぐらいで、普段は化粧が濃い、正直俺は苦手なタイプだ。
「そうそう なーんで、そんな意味分からない奴の言うこと聞かないといけないのぉ! マジで不愉快なんですけどぉー!」
廊下より加勢するように叫ぶのは、西条寺さんと仲の良い友達ではなく、別のグループである一人の女子。
俺はこの声に殺意が湧くほどの嫌悪感を抱いていて、小春の手を引いて集団の輪から外れる。
「やめなよ。ここは言うこと聞いた方が良いから……」
「うるさいなぁ! だったら、圭祐がなんとかしてよ!」
小田くんが穏やかに宥めているけど、その彼女、内藤南さんは強い口調で責め立てる。
肩までの茶髪に、緩く着た制服、彼女も普段より化粧が濃いタイプで、特に目力が強かった。
あの目で睨まれ、声を捲し立てられたら、小田くんみたいに怯んでしまうぐらいに。
騒がせてごめんと言いたそうに周りに小さく頭を下げる小田くんと目が合い、俺は思わず逸らしてしまった。
『困りましたねぇ。これではゲームが始められません』
機械を通した声だったが、その音声からは全く困惑しているようには聞こえず、むしろ想定通りと言いたげだった。
「みんなー! 主催者という奴の言う通りにしよう!」
この状況に全員の指揮を取るのは、神宮寺翼くん。
西条寺さんの彼氏で、背が高くスラッとしており、アイドルみたいな爽やかさで、男の俺でも息を呑むことのあるほど美形だ。
「大丈夫、愛莉のことは俺が守るよ」
「翼、ありがとう! 大好きぃ!」
人目を阻まずされるキスに、その場にいた半数はそっと目を逸らす。
だけど確かに、このまま反発していても得られることはないのかもしれない。
だから俺達は目を配らせ、順番に教室に入り着席していく。
後方に居た小春と俺は、一番後ろの廊下側の席に座る。
全員が着席した時、その声は聞こえた。
『これより皆さんには、カップルデスゲームをしてもらいます』
「……はぁ?」
どこかから漏れた声は、次第に大きな騒めきへと変わっていった。
カップルデスゲーム? 何を、言っているんだ?
まるでドラマや映画みたいだと笑いたくなるが、目が覚めたら学校で倒れていて、記憶がなくて、騙されたみたいな形で連れて来られて、指輪まで付けられている展開を考えたら、全然笑えなかった。
丁寧な口調ではあるがこちらに有無を言わせず、一方的に呼び出してきた場所は小春と俺のクラスだった。
まだ教室は見回れていないが、何かが進展するかもしれないという僅かな期待から、見慣れた部屋を覗き込む。
そこにも天井に付けられた黒い光沢を放つ丸い物があり、廊下に比べて明らかに多く、なんとも異常な教室へと変貌していた。
『では、カップルで並んで座ってください』
その声に、体がビクッと跳ね上がる。
そうだ、今は指定されてこの部屋に来ていたんだった。
机と椅子は通常時の半数しかなく、前方の物はなくなっていて、あとは変わりはない。と思う。
「この……、丸いのは?」
そう問う声は震えていて、だけど黙りこくってしまった俺よりしっかりしていて、同じ背格好をした男子の方に目を向ける。
小田圭祐くん。
二年で同じクラスになったことで知り合い、スマホゲームがキッカケで急激に仲良くなり、ゲームだけでなく授業や面白かったテレビのバライティ番組とかも話す仲で、気が合う友達、だった。
『ああ。カメラなのでご心配なく』
やっぱり、そうだった。
俺の視線に気付いたのか、小田くんもこっちに顔を向けてきて、互いに目で「きっと大丈夫」と相槌を打った。
「え~! どおしてこんなことしないといけないのぉ~! あいりん、怖いんだけどぉ~」
ざわつく廊下から一人中に入って行くのは、西条寺愛莉さん。
動くたびに茶髪の髪が揺れ、シャツのボタンが緩くて目のやり場に困るぐらいで、普段は化粧が濃い、正直俺は苦手なタイプだ。
「そうそう なーんで、そんな意味分からない奴の言うこと聞かないといけないのぉ! マジで不愉快なんですけどぉー!」
廊下より加勢するように叫ぶのは、西条寺さんと仲の良い友達ではなく、別のグループである一人の女子。
俺はこの声に殺意が湧くほどの嫌悪感を抱いていて、小春の手を引いて集団の輪から外れる。
「やめなよ。ここは言うこと聞いた方が良いから……」
「うるさいなぁ! だったら、圭祐がなんとかしてよ!」
小田くんが穏やかに宥めているけど、その彼女、内藤南さんは強い口調で責め立てる。
肩までの茶髪に、緩く着た制服、彼女も普段より化粧が濃いタイプで、特に目力が強かった。
あの目で睨まれ、声を捲し立てられたら、小田くんみたいに怯んでしまうぐらいに。
騒がせてごめんと言いたそうに周りに小さく頭を下げる小田くんと目が合い、俺は思わず逸らしてしまった。
『困りましたねぇ。これではゲームが始められません』
機械を通した声だったが、その音声からは全く困惑しているようには聞こえず、むしろ想定通りと言いたげだった。
「みんなー! 主催者という奴の言う通りにしよう!」
この状況に全員の指揮を取るのは、神宮寺翼くん。
西条寺さんの彼氏で、背が高くスラッとしており、アイドルみたいな爽やかさで、男の俺でも息を呑むことのあるほど美形だ。
「大丈夫、愛莉のことは俺が守るよ」
「翼、ありがとう! 大好きぃ!」
人目を阻まずされるキスに、その場にいた半数はそっと目を逸らす。
だけど確かに、このまま反発していても得られることはないのかもしれない。
だから俺達は目を配らせ、順番に教室に入り着席していく。
後方に居た小春と俺は、一番後ろの廊下側の席に座る。
全員が着席した時、その声は聞こえた。
『これより皆さんには、カップルデスゲームをしてもらいます』
「……はぁ?」
どこかから漏れた声は、次第に大きな騒めきへと変わっていった。
カップルデスゲーム? 何を、言っているんだ?
まるでドラマや映画みたいだと笑いたくなるが、目が覚めたら学校で倒れていて、記憶がなくて、騙されたみたいな形で連れて来られて、指輪まで付けられている展開を考えたら、全然笑えなかった。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。