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第98話 敵艦隊の猛攻

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 敵艦の大群に全周を囲まれた第一随伴艦隊に逃げ場はなく、じりじりと距離を詰められていった。

「敵艦多数、百キロメートル圏に接近中」とエリカ。「数が多すぎてカウントできません」

「まさに雲霞のごとしだな」とリリス。「敵陣に深く入りすぎたようだ」


「左舷後方の敵艦五隻、距離三十キロメートル、衝突コースに入りました」とエリカ。

「綾子、回避して!」と恵子。

「とりかーじ」と綾子。

「右舷前方の敵艦三隻、距離二十五キロメートル、衝突コースに入りました」とエリカ。「右舷四時の方向から敵編隊接近中」

「早苗! ミサイルを撃って!」と恵子。

「第一番から第五番発射台、ミサイル発射用意。目標右舷前方の敵艦二隻」と早苗。「撃て!」

「敵編隊、レーザーパルス砲の弾幕を突破します」とエリカ。

 ズンという振動が艦橋に伝わって艦がゆっくりと傾いた。

「敵の体当たりを受けました」とエリカ。「後部第十一区画です」

「被害状況は?」と恵子。

「第十一、第十二区画、通信途絶しています」とエリカ。

「後部動力源暴走を確認」と機関長の舞。

「すぐに第十一区画と第十二区画の乗員を退避させて切り離して」と恵子。

「第十一区画切り離せ」と舞。

「後部指揮所より、脱出カプセルの収容確認」とエリカ。

「右舷前方の敵、衝突コースのまま接近中」とエリカ。

「回避して!」と恵子。

「あげかーじ!」と綾子。

「さらに多数の敵艦三十キロ圏に侵入してきます!」とエリカ。


「艦長どもを呼び出せ」とリリス。

 正面モニターに艦隊の五人の艦長が映し出された。

「お前たち、大事な話だ。よく聞け」とリリス。「そろそろ終着駅だ。準備をしておけ」

「覚悟はできております」と吾郎。

「お前達との旅は悪くなかった」とリリス。「今生(こんじょう)での通信はこれが最後だ。来世でまた会おう」

「リリス大佐、あなたの……」と吾郎が言いかけたとき、右舷が突然明るくなった。

「後方より虹色の光が発生!」とエリカ。「右舷の敵艦が崩壊していきます」

「重力エネルギー砲の光だ」とリリス。「理由はわからんがこれで退路ができた」


「艦長ども、右八点一斉回頭だ!」とリリスが叫んだ。「通信はこのままにしておけ!」

「綾子、右八点回頭!」と恵子。

「おもかじいっぱーい!」と綾子。

 六隻の艦は一斉に右九十度の方向変換をしたために縦列から横列の陣形になった。

「横列をそろえろ!」とリリス。

「加速して!」と恵子。

「五秒加速!」と舞。

「全艦、後方に手持ちのミサイルを全弾撃ちこめ!」とリリス。「敵を近寄らせるな!」

 横列の随伴艦隊から一斉にミサイルが放たれ、急速に接近していた最前列の敵艦群を撃破し、敵艦隊の足を止めた。

「隙ができた」とリリス。「右八点一斉回頭!」

「右八点回頭!」と恵子。

「おもかじいっぱーい」と綾子。

 艦隊は横列から縦列にもどった。二回の回頭により進行方向が反転し、列の順番が入れかわった。先頭が巡洋艦高雄、殿(しんがり)が攻撃艦朝風になった。艦隊運動のために陣形が崩れた。

「密集隊形を解除!」とリリス。「各艦最大加速で戦線を離脱しろ!」


「前方にパープルキティがいます!」とエリカ。

「なんだと?」とリリス。



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 敵艦の大群に全周を囲まれた第一随伴艦隊に逃げ場はなく、じりじりと距離を詰められていった。
「敵艦多数、百キロメートル圏に接近中」とエリカ。「数が多すぎてカウントできません」
「まさに雲霞のごとしだな」とリリス。「敵陣に深く入りすぎたようだ」
「左舷後方の敵艦五隻、距離三十キロメートル、衝突コースに入りました」とエリカ。
「綾子、回避して!」と恵子。
「とりかーじ」と綾子。
「右舷前方の敵艦三隻、距離二十五キロメートル、衝突コースに入りました」とエリカ。「右舷四時の方向から敵編隊接近中」
「早苗! ミサイルを撃って!」と恵子。
「第一番から第五番発射台、ミサイル発射用意。目標右舷前方の敵艦二隻」と早苗。「撃て!」
「敵編隊、レーザーパルス砲の弾幕を突破します」とエリカ。
 ズンという振動が艦橋に伝わって艦がゆっくりと傾いた。
「敵の体当たりを受けました」とエリカ。「後部第十一区画です」
「被害状況は?」と恵子。
「第十一、第十二区画、通信途絶しています」とエリカ。
「後部動力源暴走を確認」と機関長の舞。
「すぐに第十一区画と第十二区画の乗員を退避させて切り離して」と恵子。
「第十一区画切り離せ」と舞。
「後部指揮所より、脱出カプセルの収容確認」とエリカ。
「右舷前方の敵、衝突コースのまま接近中」とエリカ。
「回避して!」と恵子。
「あげかーじ!」と綾子。
「さらに多数の敵艦三十キロ圏に侵入してきます!」とエリカ。
「艦長どもを呼び出せ」とリリス。
 正面モニターに艦隊の五人の艦長が映し出された。
「お前たち、大事な話だ。よく聞け」とリリス。「そろそろ終着駅だ。準備をしておけ」
「覚悟はできております」と吾郎。
「お前達との旅は悪くなかった」とリリス。「|今生《こんじょう》での通信はこれが最後だ。来世でまた会おう」
「リリス大佐、あなたの……」と吾郎が言いかけたとき、右舷が突然明るくなった。
「後方より虹色の光が発生!」とエリカ。「右舷の敵艦が崩壊していきます」
「重力エネルギー砲の光だ」とリリス。「理由はわからんがこれで退路ができた」
「艦長ども、右八点一斉回頭だ!」とリリスが叫んだ。「通信はこのままにしておけ!」
「綾子、右八点回頭!」と恵子。
「おもかじいっぱーい!」と綾子。
 六隻の艦は一斉に右九十度の方向変換をしたために縦列から横列の陣形になった。
「横列をそろえろ!」とリリス。
「加速して!」と恵子。
「五秒加速!」と舞。
「全艦、後方に手持ちのミサイルを全弾撃ちこめ!」とリリス。「敵を近寄らせるな!」
 横列の随伴艦隊から一斉にミサイルが放たれ、急速に接近していた最前列の敵艦群を撃破し、敵艦隊の足を止めた。
「隙ができた」とリリス。「右八点一斉回頭!」
「右八点回頭!」と恵子。
「おもかじいっぱーい」と綾子。
 艦隊は横列から縦列にもどった。二回の回頭により進行方向が反転し、列の順番が入れかわった。先頭が巡洋艦高雄、|殿《しんがり》が攻撃艦朝風になった。艦隊運動のために陣形が崩れた。
「密集隊形を解除!」とリリス。「各艦最大加速で戦線を離脱しろ!」
「前方にパープルキティがいます!」とエリカ。
「なんだと?」とリリス。