ep120 同行者
ー/ー 翌日。
「ダンナ? ここは?」
午前の陽を浴びる三階建の小綺麗な宿舎を見上げてトレブルは言った。
「ここには国際平和維持軍の連中がいる」
俺はしれっと答えた。
「はぁ!? 勇者軍が!?」
「なんでこんなとこに来たんだよダンナ!」
トレブルとブーストが騒ぎだした。まあ当然の反応だろう。
「クロー。まさかあの女隊長を……?」
俺の意図を察したらしいエレサの一言に、俺はコクッと頷いた。
「それじゃあ行くぞ」
俺が先頭を切って建物へ入ろうとした時。
「き、貴様は!」
折良く建物から出てきた二人組の兵士とかち合った。
「何しにきた! 魔剣使いクロー!」
兵士の一人がさっそく敵意をあらわに用件を尋ねてきた、というより尋問してきた。これも当然の反応だ。結果的に共闘したとはいえ、俺とヤツらは同盟を結んだわけではない。
「ちょうど良かった。あんたらのとこの美人隊長さんを呼んできてくれないか?」
俺はいたく平常通りの態度で要求した。
「カレン隊長を!? 何様のつもりだ貴様!?」
「一応、決闘でも勝ったわけだし、何様ってわけでもないだろ?」
「くっ、しかし……!」
兵士が困って答えあぐねていると、彼らの後ろから女性らしき人影が現れる。
「私に何の用だ」
人影の正体は防具を脱いだ軽装のカレンだった。
「どうも。カレン隊長」
俺は軽く会釈した。カレンは怪訝な目を向けてくる。
「どうも含みのある態度だな。それで用件は?」
「俺たちはこの街を発つ」
「それをわざわざ報告に来たのか? 黙って逃げないのか? 無論、私は追うが」
「ヘッドフィールドへ〔狂戦士〕に会いに行く」
「なんだと?」
カレンの表情がにわかに険しくなった。
「クロー、お前があのジェイズキングを訪ねるとでもいうのか?」
「やっぱりあんたもそいつのこと知っているんだな」
「……なぜ、奴に会いに行く?」
「シヒロが攫われた。ヤツの手の者にな」
「それは本当なのか?」
カレンは意外そうな顔をする。それが少々気になったが、俺は話を続ける。
「本当だ。ヤツの目的は魔剣使い。つまり俺だ」
「ジェイズが魔剣使いを? どういうことだ……?」
カレンは厳しい顔つきで考えこみ始める。
「というわけで俺たちは行く。シヒロを取り返しにな」
「そういうことか」
「あんたも来るんだろ?」
俺は挑発的な視線を送った。
カレンはますます訝しく睨んでくる。
「何を言いたい?」
「俺たちはいつでも出立できる。だが、あんたも来るんならそっちの準備ができるまで待つぞ」
「……どういうつもりだ」
「どうもこうもない。あんたをイレギュラー的な存在にしておくのは俺にとって都合良くないし、あんたはあんたで俺の動向を把握しておきたい。ならいっそ連れ立ったほうがいいんじゃないかって思っただけだ」
「なるほど……。独特な考え方をする男だな、お前は」
「そいつはどうも」
「わかった。すぐに準備する。私としても彼女が奴らに攫われたと知って放ってはおけない」
「ダンナ? ここは?」
午前の陽を浴びる三階建の小綺麗な宿舎を見上げてトレブルは言った。
「ここには国際平和維持軍の連中がいる」
俺はしれっと答えた。
「はぁ!? 勇者軍が!?」
「なんでこんなとこに来たんだよダンナ!」
トレブルとブーストが騒ぎだした。まあ当然の反応だろう。
「クロー。まさかあの女隊長を……?」
俺の意図を察したらしいエレサの一言に、俺はコクッと頷いた。
「それじゃあ行くぞ」
俺が先頭を切って建物へ入ろうとした時。
「き、貴様は!」
折良く建物から出てきた二人組の兵士とかち合った。
「何しにきた! 魔剣使いクロー!」
兵士の一人がさっそく敵意をあらわに用件を尋ねてきた、というより尋問してきた。これも当然の反応だ。結果的に共闘したとはいえ、俺とヤツらは同盟を結んだわけではない。
「ちょうど良かった。あんたらのとこの美人隊長さんを呼んできてくれないか?」
俺はいたく平常通りの態度で要求した。
「カレン隊長を!? 何様のつもりだ貴様!?」
「一応、決闘でも勝ったわけだし、何様ってわけでもないだろ?」
「くっ、しかし……!」
兵士が困って答えあぐねていると、彼らの後ろから女性らしき人影が現れる。
「私に何の用だ」
人影の正体は防具を脱いだ軽装のカレンだった。
「どうも。カレン隊長」
俺は軽く会釈した。カレンは怪訝な目を向けてくる。
「どうも含みのある態度だな。それで用件は?」
「俺たちはこの街を発つ」
「それをわざわざ報告に来たのか? 黙って逃げないのか? 無論、私は追うが」
「ヘッドフィールドへ〔狂戦士〕に会いに行く」
「なんだと?」
カレンの表情がにわかに険しくなった。
「クロー、お前があのジェイズキングを訪ねるとでもいうのか?」
「やっぱりあんたもそいつのこと知っているんだな」
「……なぜ、奴に会いに行く?」
「シヒロが攫われた。ヤツの手の者にな」
「それは本当なのか?」
カレンは意外そうな顔をする。それが少々気になったが、俺は話を続ける。
「本当だ。ヤツの目的は魔剣使い。つまり俺だ」
「ジェイズが魔剣使いを? どういうことだ……?」
カレンは厳しい顔つきで考えこみ始める。
「というわけで俺たちは行く。シヒロを取り返しにな」
「そういうことか」
「あんたも来るんだろ?」
俺は挑発的な視線を送った。
カレンはますます訝しく睨んでくる。
「何を言いたい?」
「俺たちはいつでも出立できる。だが、あんたも来るんならそっちの準備ができるまで待つぞ」
「……どういうつもりだ」
「どうもこうもない。あんたをイレギュラー的な存在にしておくのは俺にとって都合良くないし、あんたはあんたで俺の動向を把握しておきたい。ならいっそ連れ立ったほうがいいんじゃないかって思っただけだ」
「なるほど……。独特な考え方をする男だな、お前は」
「そいつはどうも」
「わかった。すぐに準備する。私としても彼女が奴らに攫われたと知って放ってはおけない」
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