第5話:そして、充電器は愛を繋ぐ
ー/ー I. 賢者の選択と充電された未来
_____________________
「賢者様。この国は、あなたの叡智により永続的な平和を手にしました。どうか、あなた様自身の未来について、古代の知恵をお聞かせください」
王宮の使者が去った後、カーシャは自室の窓辺に立ち、『聖なる円盤』を見上げた。城壁に取り付けられたその魔導具は、昼間の光を浴びて微かに輝き、彼女のスマホを静かに、しかし確実に充電し続けている。バッテリー残量は85%。
(カーシャの内心: やっと……充電の呪縛から解放された。もう自転車を漕がなくていい。これで私は、偽りの賢者として完璧にサバイバルできる。でも、どうする? 帰る方法を本気で探す? それとも……)
彼女の視線は、王都の広場を巡回するレオナルドの姿を捉えた。彼の鎧は光を反射し、凛々しい。
(カーシャの内心: 充電は解決した。もう、この知識が尽きても、この世界が崩壊することはない。…なのに、なんで私はまだ迷ってるんだろう。帰りたい?帰る方法もわからないけど、でも、本当に帰りたいのは、レオナルド様のいない世界じゃないのかもしれない…)
カーシャは腹を括った。彼女が下すべき「古代の知恵」による未来の選択とは、田中さくらとしての正直な未来であるべきだ。
_____________________
II. 弟子たちの卒業と恋の最終戦争
_____________________
カーシャは、エリスとフィンを呼び出し、未来の選択について助言を求めた。
「エリス、フィン。あなたたちは、この先どうしたい?」
エリスは目を輝かせた。
「カーシャ様!私は、『聖なる円盤』の原理をもっと解明したいです! そして、カーシャ様の光の魔術を、永遠にこの世界に残します!」
(カーシャの内心: 魔術じゃない、ソーラーパネルだよ…! でも、技術を残してくれるのはありがたい!)
その言葉を聞き、フィンとガイウスの火花が散った。ガイウスは窓の外に潜伏し、フィンの出方をうかがっている。
フィンは胸に手を当てて宣言した。
「カーシャ様。俺は、エリス嬢が賢者様の叡智を追求するなら、彼女を守るという使命を全うします。古代の叡智は、その担い手がいて初めて意味を成す。俺は、エリス嬢の永遠の護衛騎士として、この地に留まる覚悟です!」
次の瞬間、窓の外からガイウスが飛び込んできた。
「たわけめ、フィン! エリス嬢の真の守護者は私だ! セシリア様の叡智、ひいては古代の真の叡智を証明するためにも、私がエリス嬢のそばにいて、賢者様の誤った光から彼女を解放せねばならない!」
エリスは、火花を散らす二人を交互に見つめ、無邪気に首を傾げた。
「わぁ。さすがフィンとガイウスですね! 二人はとっても仲良しで、お互いを高め合う最高のライバル。カーシャ様がおっしゃる『切磋琢磨』って、こういうことですね!」
ガイウスとフィンは顔面蒼白になり、同時に叫んだ。
「「ち、違う!」」
(カーシャの内心: 恋の争奪戦は、未来永劫続くのね。しかもエリスちゃん、天然すぎるわ! 私への忠誠じゃないし、仲良しでもないんだけど! でも、二人ともエリスちゃんを守りたい一心で、王宮の騎士団員としてこの国に貢献し続けるってことよね? まぁ、ある意味…完璧じゃない!?)
_____________________
III. 賢者の告白と究極の誤解の連鎖
_____________________
カーシャは弟子たちの未来を祝福し、最後にレオナルドを王宮の裏庭に呼び出した。これが、彼女の偽りの賢者生活の最後の賭けだ。
レオナルドは緊張した面持ちで立っていた。「カーシャ様。どのような古代の啓示が…?」
カーシャは深呼吸し、意を決してスマホを強く握った。
「レオナルド様!私は、古代の賢者なんかじゃありません! 私は…その、田中さくらという、500年後のただの事務員です!でも、私はこの世界に留まりたい。それは…」
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。