第三百九十話
ー/ー 地下演習場では、生徒たちによる催し物が数多く出店していた。
その中で、一際人気なのは……あるクラスの出し物である、劇団であったのだ。
しかも、遊びで行っている訳ではない、とにかく金の取れるレベルを追求したものであり、そこには多くの一般客が押し寄せていた。
音楽フェスも現在かなり好評であるが、自身の発表の順になるまでは時間があるため、自ずとこの場に居られるというもの。
その時になるまでは、こういった同じ学園の仲間による学園祭の出し物を楽しむ、それで学内通貨や現金を落とす存在となっていたのだ。
『――ある日の夜、パリのオペラ座に務めるバレリーナたちは、皆怯えていました……』
「お、『オペラ座の怪人』だ! 結構色々と耳にする機会が多かったから、一度見てみたかったんだよなあ」
「そうね、あの英雄学園の生徒さんが演じるのだから、より楽しみね……!」
劇が順調に進んでいく中で、どうも芳しくない表情を浮かべる存在こそ、とあるVIP。どうも浮かない表情であったために、丁度観劇がてら側にいた信一郎は、ワイングラスを傾けながら、観客にも聞こえないほどの声で囁くのだった。
(――何か、ありましたか?)
その男は、非常に恰幅の良い男性であり、多くの金を稼ぎ、そして多くの大ヒットテレビ番組を世に排出した、あるテレビ局のトップ。今はある程度一線を退き、後進の育成に励む存在である。
傍には彼の使用人に近い存在がいたものの、信一郎が彼の世話をするような立ち回りを行っていたのだった。
(……いや、特に何でもないよ。ははは)
(そうですか。あ、ワインどうです?)
(いや、この後も仕事の予定が入っているのでね……ノンアルコールなら頂こう)
(そですか)
傍にいた学生ウェイターにワイングラスとワインボトルを片付けさせ、目一杯の学内通貨を瞬時に支払う信一郎。ウェイターは小躍りしつつ、そのままVIPエリアを後にするのだった。
(……そんな、過去に何かあるような顔をして、心配してしまいますよ、これからの仕事に支障が出てしまうかもしれません)
(――君は、どこまで知っているのかな、原初の英雄)
(別にィ? 私はただのしがない『原初の英雄』ですから、マスコミさんには……過去さんざお世話になった身、という程度です。何度現役時代に取り沙汰されたことか)
(そうか……なら良いんだ)
実にしどろもどろな態度で去る有力者と使用人、その背を眺めながら、意地悪そうに口角が吊り上がる信一郎。そのまま、どこかから連絡が入ってきたのをバイブのみで感じ取ると、信一郎のみVIPルームを後にするのだった。
「――『あの件』の証拠は挙がった? OK、こっちも意味ありげな証言はゲットした。すぐに別場所に向かうとするよ」
その中で、一際人気なのは……あるクラスの出し物である、劇団であったのだ。
しかも、遊びで行っている訳ではない、とにかく金の取れるレベルを追求したものであり、そこには多くの一般客が押し寄せていた。
音楽フェスも現在かなり好評であるが、自身の発表の順になるまでは時間があるため、自ずとこの場に居られるというもの。
その時になるまでは、こういった同じ学園の仲間による学園祭の出し物を楽しむ、それで学内通貨や現金を落とす存在となっていたのだ。
『――ある日の夜、パリのオペラ座に務めるバレリーナたちは、皆怯えていました……』
「お、『オペラ座の怪人』だ! 結構色々と耳にする機会が多かったから、一度見てみたかったんだよなあ」
「そうね、あの英雄学園の生徒さんが演じるのだから、より楽しみね……!」
劇が順調に進んでいく中で、どうも芳しくない表情を浮かべる存在こそ、とあるVIP。どうも浮かない表情であったために、丁度観劇がてら側にいた信一郎は、ワイングラスを傾けながら、観客にも聞こえないほどの声で囁くのだった。
(――何か、ありましたか?)
その男は、非常に恰幅の良い男性であり、多くの金を稼ぎ、そして多くの大ヒットテレビ番組を世に排出した、あるテレビ局のトップ。今はある程度一線を退き、後進の育成に励む存在である。
傍には彼の使用人に近い存在がいたものの、信一郎が彼の世話をするような立ち回りを行っていたのだった。
(……いや、特に何でもないよ。ははは)
(そうですか。あ、ワインどうです?)
(いや、この後も仕事の予定が入っているのでね……ノンアルコールなら頂こう)
(そですか)
傍にいた学生ウェイターにワイングラスとワインボトルを片付けさせ、目一杯の学内通貨を瞬時に支払う信一郎。ウェイターは小躍りしつつ、そのままVIPエリアを後にするのだった。
(……そんな、過去に何かあるような顔をして、心配してしまいますよ、これからの仕事に支障が出てしまうかもしれません)
(――君は、どこまで知っているのかな、原初の英雄)
(別にィ? 私はただのしがない『原初の英雄』ですから、マスコミさんには……過去さんざお世話になった身、という程度です。何度現役時代に取り沙汰されたことか)
(そうか……なら良いんだ)
実にしどろもどろな態度で去る有力者と使用人、その背を眺めながら、意地悪そうに口角が吊り上がる信一郎。そのまま、どこかから連絡が入ってきたのをバイブのみで感じ取ると、信一郎のみVIPルームを後にするのだった。
「――『あの件』の証拠は挙がった? OK、こっちも意味ありげな証言はゲットした。すぐに別場所に向かうとするよ」
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