第三百八十一話
ー/ー 朝八時。少々迷いこそしたものの、実に予定通りに、那須ハイランドパークに辿り着いた二人。既にその場には、栃木支部の末端構成員が、二人を待ち受けていたのだった。事前に酔い止めを飲んでおきはしたものの、いささか具合の悪いエヴァは礼安の肩を借りながら栃木の地に降り立つのだった。
怪訝な表情のままバイクをアタッシュケースに戻し、相手がたの要らぬ警戒を生まないためにも、その末端構成員に渡す。自ら逃げ道を断てば、それなりに信頼も生まれるだろうという、エヴァの考えであった。
「……帰りには、そのアタッシュケース返してくださいね」
「勿論です、エヴァ・クリストフ様、瀧本礼安様」
複数名の警護と共に、やがて入り口に辿り着く二人。そこには、ローブを着込んでフードを目深に被るカルマと、同様にフードを着用した、もう一人の存在を侍らせた状態の何者かが出迎えていたのだった。
『やあやあ、実際の予定よりも一時間は早かったんじゃあないかな。そんなに私の明かす真実が楽しみで楽しみでしょうがなかったのかな』
「楽しみかどうかはともかくとして、仮にも教会の祖たる存在が嘘抜きにこれまでの疑問点を解消する便宜を『わざわざ図ってくださった』んです、それと共に大衆の犠牲をチラつかされたら……それに応じる以外ないでしょう」
『も~、そんな意地悪く言わないでくれたまえよ。せっかく学生の本分である、『楽しむこと』と『学ぶこと』を放棄して来てくれた存在を無碍にはしないとも、それは絶対に保証する。私たちが、『楽しむこと』と『学ぶこと』をこの場を借りて提供しようじゃあないか』
礼安は非常に腫れ物を見るような目つきのまま、表情がさほど窺い知ることのできないカルマと、同様に感知した事のない魔力を持つ存在である、付き人を見回す。
「――そっちの人は、誰?」
『ああ、私の礼安。思わず食べてしまいたくなるほど、永久不変に可愛らしい存在だ。そんな存在を無碍にはしたくないが……今はまだ語れないかな? もう少し時間が進んでからの方が、『うってつけ』だからさ』
その『うってつけ』が何なのかは知ることが出来なかったものの、カルマが構成員たちに対しジェスチャーのみで指示すると、すぐさま那須ハイランドパークは動き出す。本来の開園時間が九時半であるために、その権力と影響力を否が応でも知らされる二人。
従業員らも何ら疑問を抱くことなく礼安たちを出迎え、いたって普通の日常風景を繰り広げるばかり。しかし、一般人が従業員以外誰一人存在しないために、認識に齟齬が生じる。
『さ、じゃあせっかく来てくれたんだ。学園祭と音楽フェスだったかな、それを蹴ってこっちに来てくれたんだから……まずは楽しもうじゃアないか。一応聞いておくけれど、絶叫マシン……ひいては、ジェットコースター好きかい?』
怪訝な表情のままバイクをアタッシュケースに戻し、相手がたの要らぬ警戒を生まないためにも、その末端構成員に渡す。自ら逃げ道を断てば、それなりに信頼も生まれるだろうという、エヴァの考えであった。
「……帰りには、そのアタッシュケース返してくださいね」
「勿論です、エヴァ・クリストフ様、瀧本礼安様」
複数名の警護と共に、やがて入り口に辿り着く二人。そこには、ローブを着込んでフードを目深に被るカルマと、同様にフードを着用した、もう一人の存在を侍らせた状態の何者かが出迎えていたのだった。
『やあやあ、実際の予定よりも一時間は早かったんじゃあないかな。そんなに私の明かす真実が楽しみで楽しみでしょうがなかったのかな』
「楽しみかどうかはともかくとして、仮にも教会の祖たる存在が嘘抜きにこれまでの疑問点を解消する便宜を『わざわざ図ってくださった』んです、それと共に大衆の犠牲をチラつかされたら……それに応じる以外ないでしょう」
『も~、そんな意地悪く言わないでくれたまえよ。せっかく学生の本分である、『楽しむこと』と『学ぶこと』を放棄して来てくれた存在を無碍にはしないとも、それは絶対に保証する。私たちが、『楽しむこと』と『学ぶこと』をこの場を借りて提供しようじゃあないか』
礼安は非常に腫れ物を見るような目つきのまま、表情がさほど窺い知ることのできないカルマと、同様に感知した事のない魔力を持つ存在である、付き人を見回す。
「――そっちの人は、誰?」
『ああ、私の礼安。思わず食べてしまいたくなるほど、永久不変に可愛らしい存在だ。そんな存在を無碍にはしたくないが……今はまだ語れないかな? もう少し時間が進んでからの方が、『うってつけ』だからさ』
その『うってつけ』が何なのかは知ることが出来なかったものの、カルマが構成員たちに対しジェスチャーのみで指示すると、すぐさま那須ハイランドパークは動き出す。本来の開園時間が九時半であるために、その権力と影響力を否が応でも知らされる二人。
従業員らも何ら疑問を抱くことなく礼安たちを出迎え、いたって普通の日常風景を繰り広げるばかり。しかし、一般人が従業員以外誰一人存在しないために、認識に齟齬が生じる。
『さ、じゃあせっかく来てくれたんだ。学園祭と音楽フェスだったかな、それを蹴ってこっちに来てくれたんだから……まずは楽しもうじゃアないか。一応聞いておくけれど、絶叫マシン……ひいては、ジェットコースター好きかい?』
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