表示設定
表示設定
目次 目次




【少しかわいい話】寝言

ー/ー



 会社帰りの夜道を歩いていた。ふと夜空を見上げた。月が出ていない。晴れているのにな。まぁ、そんなこともあるか。家に着いた。「ただいま」返事がない。娘は寝ているようだ。女手一つで育ててきた大事な娘。その寝顔を見るのが楽しみだ。そっと部屋のドアを開ける。その瞬間、まぶしい光に襲われた。目をこらすと、布団の中で娘が寝ていた。その娘が、光る球体を抱いていた。その光る球体は、月だった。カーテンを開けて、もう一度夜空を見上げた。やっぱり、晴れているのに月がない。まったく、子どもというのは時に思いがけないことをする。「いけない子ね」娘の頬を指でつつく。娘が「ウサギさん……」と寝言を言った。


スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む 【少しこわい話】翼


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



 会社帰りの夜道を歩いていた。ふと夜空を見上げた。月が出ていない。晴れているのにな。まぁ、そんなこともあるか。家に着いた。「ただいま」返事がない。娘は寝ているようだ。女手一つで育ててきた大事な娘。その寝顔を見るのが楽しみだ。そっと部屋のドアを開ける。その瞬間、まぶしい光に襲われた。目をこらすと、布団の中で娘が寝ていた。その娘が、光る球体を抱いていた。その光る球体は、月だった。カーテンを開けて、もう一度夜空を見上げた。やっぱり、晴れているのに月がない。まったく、子どもというのは時に思いがけないことをする。「いけない子ね」娘の頬を指でつつく。娘が「ウサギさん……」と寝言を言った。