ep108 魔剣使い&魔法剣士vs爆破魔術師&ダークエルフ⑦
ー/ー まもなく、魔力の風がおさまった。いや、それは魔力の風というよりも、生命の風と表現するのが相応しい。
「わ、わたしは……助かった…のか」
エレサはむくりと上体を起こし胸に手を当てた。
「ああ、お前は助かった。治癒を施したのはそこのシヒロだ」
俺はエレサにシヒロをさし示した。シヒロは未だ肩で息をしていた。
「な、なんで、赤の他人のわたしを……」
さっぱり理解できないといった面持ちのダークエルフ。だがシヒロの顔にはエレサが助かったことの喜びしか表出されていなかった。
「よ、良かったです! ぼく、こんなに頑張って魔法使ったの生まれてはじめてかも……」
フラフラながらも一気に緊張が解けたのか、シヒロは涙目で微笑んだ。
「おいおい嬢ちゃん! おれたちを治療するときはそんなに頑張らなかったのか!?」
「そうだぜ嬢ちゃん!」
トレブルとブーストが不満たっぷりに苦情を入れてくる。
「そりゃそうだろ」と俺が冷静にツッコんでおいた。
「そりゃねーぜダンナぁ!」
「おれたちに冷たすぎるぜぇ!」
俺はトレブルとブーストを放っておいて、改めてエレサに呼びかける。
「エレサ。大丈夫か? 状況が状況だったんで手荒な手段になってしまった。ギリギリの手加減はしたつもりだが……」
「魔剣使い……オマエは最初からこれを狙って?」
「俺の剣はあらゆる魔法を斬り裂く。それはキラースの爆破魔法も同様だ。だからエレサ、お前を斬れば必然的にキラースの魔術から解放してやれると思ったんだ。キラースの言葉がウソであろうとなかろうと関係なく」
「た、確かに……呪いのようにわたしを縛り付けていたヤツの魔術は、もう感じない」
「たが、ヤツの魔術の原理はわからなかったし失敗も許されなかった。だから全身を斬り刻んだうえに胸を突いた。人の生命に危害を加えるような人体魔術は心臓が定番だからな。つまり、ここまでやればまずいけるだろうってレベルで攻撃したってわけだ。さすがに脳にやられていたら救ってやれなかったが」
「魔剣使い……その……なぜ?」
「なぜ、とは?」
「なぜ、わたしを助けたの?」
「ただ、そうするべきだと思ってそうしただけだ」
「わたしは……多くの罪のない人々を手にかけようとした」
「でもお前は望んでいなかった。それぐらいは俺にもわかる」
「たとえキラースの命令だとしても、事実は事実」
「だが俺が食い止めた」
「……魔剣使いは、わたしをどうしたいの?」
「さあ? 俺の邪魔さえしなきゃ、あとはお前の好きにしてくれ」
「はっ? わたしを従わせないのか? なんで?」
「まっ、今後のことは、生きてゆっくり考えてみればいいんじゃないか?」
「お、おい、魔剣使い!」
「俺はクロー・ラキアードだ」
「く、クロー!」
「あとエレサ。お前の命の恩人は俺ではなくシヒロだ。なにかあればシヒロに聞いてくれ」
俺はシヒロの肩にポンと手を置いてから立ち上がると「〔グラディウス〕」再び魔導剣を顕現させた。血の跡は残っていない。
「く、クローさん! そ、そんな! ぼくに任せられても」
シヒロはあわあわとする。俺はシヒロとエレサに一瞥を送ってから、
「トレブル、ブースト。シヒロとエレサを頼む。俺はあのクソヤロウと決着をつけてくる」
元の場所へ向かってダッと飛び出していった。
「わ、わたしは……助かった…のか」
エレサはむくりと上体を起こし胸に手を当てた。
「ああ、お前は助かった。治癒を施したのはそこのシヒロだ」
俺はエレサにシヒロをさし示した。シヒロは未だ肩で息をしていた。
「な、なんで、赤の他人のわたしを……」
さっぱり理解できないといった面持ちのダークエルフ。だがシヒロの顔にはエレサが助かったことの喜びしか表出されていなかった。
「よ、良かったです! ぼく、こんなに頑張って魔法使ったの生まれてはじめてかも……」
フラフラながらも一気に緊張が解けたのか、シヒロは涙目で微笑んだ。
「おいおい嬢ちゃん! おれたちを治療するときはそんなに頑張らなかったのか!?」
「そうだぜ嬢ちゃん!」
トレブルとブーストが不満たっぷりに苦情を入れてくる。
「そりゃそうだろ」と俺が冷静にツッコんでおいた。
「そりゃねーぜダンナぁ!」
「おれたちに冷たすぎるぜぇ!」
俺はトレブルとブーストを放っておいて、改めてエレサに呼びかける。
「エレサ。大丈夫か? 状況が状況だったんで手荒な手段になってしまった。ギリギリの手加減はしたつもりだが……」
「魔剣使い……オマエは最初からこれを狙って?」
「俺の剣はあらゆる魔法を斬り裂く。それはキラースの爆破魔法も同様だ。だからエレサ、お前を斬れば必然的にキラースの魔術から解放してやれると思ったんだ。キラースの言葉がウソであろうとなかろうと関係なく」
「た、確かに……呪いのようにわたしを縛り付けていたヤツの魔術は、もう感じない」
「たが、ヤツの魔術の原理はわからなかったし失敗も許されなかった。だから全身を斬り刻んだうえに胸を突いた。人の生命に危害を加えるような人体魔術は心臓が定番だからな。つまり、ここまでやればまずいけるだろうってレベルで攻撃したってわけだ。さすがに脳にやられていたら救ってやれなかったが」
「魔剣使い……その……なぜ?」
「なぜ、とは?」
「なぜ、わたしを助けたの?」
「ただ、そうするべきだと思ってそうしただけだ」
「わたしは……多くの罪のない人々を手にかけようとした」
「でもお前は望んでいなかった。それぐらいは俺にもわかる」
「たとえキラースの命令だとしても、事実は事実」
「だが俺が食い止めた」
「……魔剣使いは、わたしをどうしたいの?」
「さあ? 俺の邪魔さえしなきゃ、あとはお前の好きにしてくれ」
「はっ? わたしを従わせないのか? なんで?」
「まっ、今後のことは、生きてゆっくり考えてみればいいんじゃないか?」
「お、おい、魔剣使い!」
「俺はクロー・ラキアードだ」
「く、クロー!」
「あとエレサ。お前の命の恩人は俺ではなくシヒロだ。なにかあればシヒロに聞いてくれ」
俺はシヒロの肩にポンと手を置いてから立ち上がると「〔グラディウス〕」再び魔導剣を顕現させた。血の跡は残っていない。
「く、クローさん! そ、そんな! ぼくに任せられても」
シヒロはあわあわとする。俺はシヒロとエレサに一瞥を送ってから、
「トレブル、ブースト。シヒロとエレサを頼む。俺はあのクソヤロウと決着をつけてくる」
元の場所へ向かってダッと飛び出していった。
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