ep106 魔剣使い&魔法剣士vs爆破魔術師&ダークエルフ⑤
ー/ー「魔剣使い! 貴様ぁ!」
カレンの怒声が聞こえる。
「さすが魔剣使いだぜ! いっさいの躊躇がねえ!」
キラースの不快な声も聞こえる。
「だが残念だったな! さっきオレが言ったことはウソでもねえが、死んじまうのは最後の起爆のトリガーなんだなぁ! つまり殺したってムダ! 無理ゲーだよなぁ! ギャッハッハァ!」
しかし俺にはそれらの声よりも、目の前の女の消え入りそうな声のほうが重要だった。
「ま、まけん……つかい……」
彼女はまさしく虫の息だった。俺は彼女に剣を突き通したままで、その身体をグッと抱き寄せて着地した。それから休む事なく彼女を抱きかかえて即座にある方向へ向かって飛び出す。
「シヒロ!」
俺はシヒロたちのいる所へ向かって全速力で翔けた。
「く、クローさん!」
「ダンナぁ!」
「その女!」
まもなく遠目で一部始終を見ていたシヒロたちのもとへたどり着くと、俺が抱える血塗れのダークエルフを見て彼らは絶句する。
「シヒロ!」と俺は切迫に呼びかけた。
「は、はい!」
シヒロはひどく緊張して返事する。俺は畳み掛けるように言葉を続ける。
「この女の傷を治してくれ!」
「こ、この傷を、ですか!? できるかな……いや、や、やります! やらせてください!」
できるかできないかは言わなかった。ただシヒロはやるとだけ言った。
「じゃあすぐにやってくれ!」
「はい! あっ、で、でも、剣は抜かないんですか?」
「引き抜けばそのまますぐに失血死してしまう可能性がある。それに剣については考えがある」
「わ、わかりました! で、では……」
俺は瀕死のダークエルフをそっと地面に寝かせた。シヒロは彼女に向かって両手をかざし魔法の詠唱を始める。
「深淵なる万物万象の源泉よ。我が劤と為なり、彼の者を癒し給へ〔アルカーナ・サナーレ〕」
シヒロの魔法が発動され、その治癒のエネルギーがダークエルフの身体へ流れだしたことを視認するなり「〔グラディウス〕」と俺は魔導剣を引っ込めた。
「そ、そうか!」
「ダンナは剣を自由に出し入れできるからそれを利用したってわけか!」
トレブルとブーストがなるほどと反応した。とはいえ重大な致命傷を与えたのは事実。あとはシヒロ頼みといったところか。
「シヒロ。なんとかなりそうか?」
「し、正直、わかりません……でも、がんばります!」
シヒロは懸命に魔法の治療を施した。俺はその魔力の力強くもあたたかく美しい白光を眺めながら理解した。シヒロの持つ力の非凡さを。
「す、すげぇ! あれだけの傷が……!」
「ダークエルフの生命力がすげえってのも聞いたことあるかが……さすが嬢ちゃんだぜ! おれたちを治療したのもダテじゃなかったってわけだ!」
トレブルとブーストも感嘆を隠せない。
そんな中、当然シヒロの表情が変化した。
「く、クローさん!」
それは何かを訴えるような声音だった。
カレンの怒声が聞こえる。
「さすが魔剣使いだぜ! いっさいの躊躇がねえ!」
キラースの不快な声も聞こえる。
「だが残念だったな! さっきオレが言ったことはウソでもねえが、死んじまうのは最後の起爆のトリガーなんだなぁ! つまり殺したってムダ! 無理ゲーだよなぁ! ギャッハッハァ!」
しかし俺にはそれらの声よりも、目の前の女の消え入りそうな声のほうが重要だった。
「ま、まけん……つかい……」
彼女はまさしく虫の息だった。俺は彼女に剣を突き通したままで、その身体をグッと抱き寄せて着地した。それから休む事なく彼女を抱きかかえて即座にある方向へ向かって飛び出す。
「シヒロ!」
俺はシヒロたちのいる所へ向かって全速力で翔けた。
「く、クローさん!」
「ダンナぁ!」
「その女!」
まもなく遠目で一部始終を見ていたシヒロたちのもとへたどり着くと、俺が抱える血塗れのダークエルフを見て彼らは絶句する。
「シヒロ!」と俺は切迫に呼びかけた。
「は、はい!」
シヒロはひどく緊張して返事する。俺は畳み掛けるように言葉を続ける。
「この女の傷を治してくれ!」
「こ、この傷を、ですか!? できるかな……いや、や、やります! やらせてください!」
できるかできないかは言わなかった。ただシヒロはやるとだけ言った。
「じゃあすぐにやってくれ!」
「はい! あっ、で、でも、剣は抜かないんですか?」
「引き抜けばそのまますぐに失血死してしまう可能性がある。それに剣については考えがある」
「わ、わかりました! で、では……」
俺は瀕死のダークエルフをそっと地面に寝かせた。シヒロは彼女に向かって両手をかざし魔法の詠唱を始める。
「深淵なる万物万象の源泉よ。我が劤と為なり、彼の者を癒し給へ〔アルカーナ・サナーレ〕」
シヒロの魔法が発動され、その治癒のエネルギーがダークエルフの身体へ流れだしたことを視認するなり「〔グラディウス〕」と俺は魔導剣を引っ込めた。
「そ、そうか!」
「ダンナは剣を自由に出し入れできるからそれを利用したってわけか!」
トレブルとブーストがなるほどと反応した。とはいえ重大な致命傷を与えたのは事実。あとはシヒロ頼みといったところか。
「シヒロ。なんとかなりそうか?」
「し、正直、わかりません……でも、がんばります!」
シヒロは懸命に魔法の治療を施した。俺はその魔力の力強くもあたたかく美しい白光を眺めながら理解した。シヒロの持つ力の非凡さを。
「す、すげぇ! あれだけの傷が……!」
「ダークエルフの生命力がすげえってのも聞いたことあるかが……さすが嬢ちゃんだぜ! おれたちを治療したのもダテじゃなかったってわけだ!」
トレブルとブーストも感嘆を隠せない。
そんな中、当然シヒロの表情が変化した。
「く、クローさん!」
それは何かを訴えるような声音だった。
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