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第75話 帰還

ー/ー



「悠木、起きなさい」
 瞳の声がして、体を揺すられるのを感じた。

 悠木の小さな体は、瞳に抱きかかえられていた。見覚えのある、縁に彫刻のある応接室のソファーの上だった。

「瞳姉さん……」
 悠木は絶句して泣いた。

「どうしたの?」と瞳。

 瑠璃子とククリ姫、タタリ姫が心配そうに悠木の顔を覗き込んでいた。

「ぼくはお姉さんに追い出されたはずでは?」と悠木。

「私があなたを追い出すわけがないでしょ」と瞳。「悪い夢でも見ていたのね」

「お姉さん、ぼく、生意気でごめんなさい」と悠木。

「あら、今日はずいぶん素直なのね」
 瞳は言いながら、抱きかかえた悠木の体をトントンと揺すった。

 悠木は瞳の胸に顔を押し付けた。瞳は悠木が泣き止むまで悠木の後頭部と背中をなで続けた。

 瞳は、悠木が落ち着くのを待って自分の隣に座らせ、顔の前に左手の指を並べて見せた。薬指には例の黄色い石が光っていた。

 瞳は満面の笑みを浮かべて悠木と目を合わせた。
「どんな場所にも付いてきてくれて、側にいてくれるのでしょ。わたしの可愛いお婿さん」


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「悠木、起きなさい」
 瞳の声がして、体を揺すられるのを感じた。
 悠木の小さな体は、瞳に抱きかかえられていた。見覚えのある、縁に彫刻のある応接室のソファーの上だった。
「瞳姉さん……」
 悠木は絶句して泣いた。
「どうしたの?」と瞳。
 瑠璃子とククリ姫、タタリ姫が心配そうに悠木の顔を覗き込んでいた。
「ぼくはお姉さんに追い出されたはずでは?」と悠木。
「私があなたを追い出すわけがないでしょ」と瞳。「悪い夢でも見ていたのね」
「お姉さん、ぼく、生意気でごめんなさい」と悠木。
「あら、今日はずいぶん素直なのね」
 瞳は言いながら、抱きかかえた悠木の体をトントンと揺すった。
 悠木は瞳の胸に顔を押し付けた。瞳は悠木が泣き止むまで悠木の後頭部と背中をなで続けた。
 瞳は、悠木が落ち着くのを待って自分の隣に座らせ、顔の前に左手の指を並べて見せた。薬指には例の黄色い石が光っていた。
 瞳は満面の笑みを浮かべて悠木と目を合わせた。
「どんな場所にも付いてきてくれて、側にいてくれるのでしょ。わたしの可愛いお婿さん」