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ep96 魔法剣士vs爆破魔術師②(シヒロ視点)

ー/ー



「妙だな」

 トレブルさんがふと疑問を口にします。

「どうかしたんですか?」

「あの上空からの攻撃……避難する市民を狙っているように見えて、すべて女隊長さんが間に合う位置へ間に合うように発射しているようにも見える」

「えっ? それって……」

「キラースの狙い……まさか」

「あの魔法剣士か!」

 ブーストさんが勢いよく反応しました。

「ど、どういうことなんですか!?」

 ぼくにはよくわかりません。ただ、トレブルさんとブーストさんの様子から、ただならぬであろうことだけは伝わってきます。
 トレブルさんは重々しく口をひらきます。

「キラースは……基本的には相手を見境なく理不尽にブッ殺しまくる狂人だが、あえて殺さず生かしとくこともあると聞く。その場合は自分のオモチャにするとかなんとかで、その方法はわからねえが……。つまりこうだ。キラースは、天下の魔法剣士さまを痛めつけるだけ痛めつけてから自分のオモチャにしようとしてるんじゃねえかってことだ。あくまで可能性だが」

「よりにもよってあのカレンさんを、ですか?」

「だからこそだよ。なんせあの勇者様の妹君だ。手に入りゃあこんなにいいもんはねえだろうぜ。政治的な道具としても使えるしな」

「えっ、待ってください! もしそうであるなら、その目的を達成するためだけに、祭り中のサンダースに魔物まで引き連れてきてこんなメチャクチャなことをしているってことですか!?」

「ヤツならあり得る。そもそも、平和祭の最中にあんなに目立つ格好で空から魔物まで引き連れて来ている時点で、国際平和維持軍に出てきてくれって言っているようなもんだぜ。この平和なご時世に空からあんな魔物がうじゃうじゃ現れりゃあ、天下の魔法剣士さまも出てくるだろうよ。あるいはあの女隊長が小部隊で近隣エリアにいることも事前に知っていたのかもしれねえ」

「か、カレンさんは、負けないですよね?」

「いくらキラースがイカれた悪魔で強いっていったってよ? そりゃあ実力じゃあ魔法剣士さまの方が断然上だろ。だからこそ、あんなやり方で仕掛けてるんじゃねえの?」

「じゃあカレンさんは勝つんですね!?」

「どうだろうな。そればっかりはわからねえ。人の命をなんとも思ってねえキラースと人々を守りたい魔法剣士。どう考えても今この状況はキラースに有利だろ」

「そ、そんな!」

「とにかくおれたちは良いタイミングでズラかるぞ」

「クローさんは? クローさんが来てくれればあんなヤツなんか!」

「ああ。だがそうなるとまたややこしくなるかもな。だって勇者軍もダンナを狙ってんだろ? てことはヘタすりゃ三つ巴だぜ。ダンナからすりゃあ、キラースよりも魔法剣士さまの方がよっぽど厄介かもしれねえぜ」

「そ、そうかもしれないですけど……」

 クローさんは今どこで何をしているんですか? ぼくはクローさんこそが救世主だと思っているのに……。


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「妙だな」
 トレブルさんがふと疑問を口にします。
「どうかしたんですか?」
「あの上空からの攻撃……避難する市民を狙っているように見えて、すべて女隊長さんが間に合う位置へ間に合うように発射しているようにも見える」
「えっ? それって……」
「キラースの狙い……まさか」
「あの魔法剣士か!」
 ブーストさんが勢いよく反応しました。
「ど、どういうことなんですか!?」
 ぼくにはよくわかりません。ただ、トレブルさんとブーストさんの様子から、ただならぬであろうことだけは伝わってきます。
 トレブルさんは重々しく口をひらきます。
「キラースは……基本的には相手を見境なく理不尽にブッ殺しまくる狂人だが、あえて殺さず生かしとくこともあると聞く。その場合は自分のオモチャにするとかなんとかで、その方法はわからねえが……。つまりこうだ。キラースは、天下の魔法剣士さまを痛めつけるだけ痛めつけてから自分のオモチャにしようとしてるんじゃねえかってことだ。あくまで可能性だが」
「よりにもよってあのカレンさんを、ですか?」
「だからこそだよ。なんせあの勇者様の妹君だ。手に入りゃあこんなにいいもんはねえだろうぜ。政治的な道具としても使えるしな」
「えっ、待ってください! もしそうであるなら、その目的を達成するためだけに、祭り中のサンダースに魔物まで引き連れてきてこんなメチャクチャなことをしているってことですか!?」
「ヤツならあり得る。そもそも、平和祭の最中にあんなに目立つ格好で空から魔物まで引き連れて来ている時点で、国際平和維持軍に出てきてくれって言っているようなもんだぜ。この平和なご時世に空からあんな魔物がうじゃうじゃ現れりゃあ、天下の魔法剣士さまも出てくるだろうよ。あるいはあの女隊長が小部隊で近隣エリアにいることも事前に知っていたのかもしれねえ」
「か、カレンさんは、負けないですよね?」
「いくらキラースがイカれた悪魔で強いっていったってよ? そりゃあ実力じゃあ魔法剣士さまの方が断然上だろ。だからこそ、あんなやり方で仕掛けてるんじゃねえの?」
「じゃあカレンさんは勝つんですね!?」
「どうだろうな。そればっかりはわからねえ。人の命をなんとも思ってねえキラースと人々を守りたい魔法剣士。どう考えても今この状況はキラースに有利だろ」
「そ、そんな!」
「とにかくおれたちは良いタイミングでズラかるぞ」
「クローさんは? クローさんが来てくれればあんなヤツなんか!」
「ああ。だがそうなるとまたややこしくなるかもな。だって勇者軍もダンナを狙ってんだろ? てことはヘタすりゃ三つ巴だぜ。ダンナからすりゃあ、キラースよりも魔法剣士さまの方がよっぽど厄介かもしれねえぜ」
「そ、そうかもしれないですけど……」
 クローさんは今どこで何をしているんですか? ぼくはクローさんこそが救世主だと思っているのに……。