第71話 乾杯
ー/ー 高規は伊佐々姫の寝室に入るのは初めてだった。ほのかに香がたかれている。高規は姫が座るソファーに近づいた。
「高規、隣に座りなさい」
女は少し体を横にずらした。
高規は思わず躊躇した。
高規は思わず躊躇した。
「この時間に女を訪ねてくることの意味を分かってるでしょ」と姫。
「ああ」
「ああ」
高規がソファーに腰を下ろした。クッションが思ったより柔らかく、体が深く沈んだ。姫の顔が真横に迫った。
「高規の盃を用意して」
「高規の盃を用意して」
姫は侍女に指示を出してから高規と向き合った。
姫は生地の薄いゆったりとした寝巻を着ていた。肌が透けている。
「その服、どこで仕立てたの?」と姫。「とても似合ってるわ」
「実は知り合いに用意してもらったんだ」と高規。「あんたに会うために」
「うれしいわ」と姫。「あなた、ちゃんと女が喜ぶ服を選べるのね」
「少し努力したんだ」と高規。
姫は生地の薄いゆったりとした寝巻を着ていた。肌が透けている。
「その服、どこで仕立てたの?」と姫。「とても似合ってるわ」
「実は知り合いに用意してもらったんだ」と高規。「あんたに会うために」
「うれしいわ」と姫。「あなた、ちゃんと女が喜ぶ服を選べるのね」
「少し努力したんだ」と高規。
「そうなの?」
姫は上機嫌に答えた。
「では乾杯しましょう」
高規は侍女から背の高いガラスの盃を受け取り、姫は骨董品らしきエンボスガラスのボトルを手に取って高規の盃に酒をなみなみと注いだ。
姫と高規は手に持った黄色い液体の入った盃を軽く当てた。
「乾杯!」
高規はグラスに口を付けた。甘く強い香りがする。
「カルバドスか?」と高規。「飲み口が柔らかいが濃厚な味わいだ。さすが姫様の寝酒だな」
「飲めないくせに、味が分かるのね」と姫。
「嫌いじゃない」と高規。「アルコールに弱いだけだ」
「今夜は付き合ってもらうわ」と姫。
「つぶれる前に聞いてほしい話がある」
高規はグラスに口を付けた。甘く強い香りがする。
「カルバドスか?」と高規。「飲み口が柔らかいが濃厚な味わいだ。さすが姫様の寝酒だな」
「飲めないくせに、味が分かるのね」と姫。
「嫌いじゃない」と高規。「アルコールに弱いだけだ」
「今夜は付き合ってもらうわ」と姫。
「つぶれる前に聞いてほしい話がある」
高規は緊張して奥歯をかみしめた。
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