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机上の手紙

ー/ー




      ー*ー*ー*ー

  席を離れ 数分の隙に 文字生まれ
  見ぬ間の知恵 紙に刻まれて

  誰もいぬ 部屋に響く ペンの音
  今日の予定 教えられる午後 

      ー*ー*ー*ー


 仕事中、僕はいつものように書類を整理していた。ふと、机の上の万年筆が動いた。

手の届かない位置から、勝手に紙の上を滑っている。ペンの音だけが静かな部屋に響く。


「誰だ……?」

僕は声をかけるが、応答はない。
ペンは止まらず、スラスラと文字を書き続ける。

内容はどうやら、僕宛の手紙らしい。

読み始めると、それは僕の今日の予定を詳細に書き連ね、さらに僕が考えていた小さな悩みや不安まで言い当てていた。


「仕事は午後二時までに終わらせろ」とペン。

「ランチは軽めに。糖分過多は午後の集中力に影響する」とも。

あまりの的確さに、僕は思わず笑ってしまった。机のペンが僕の代わりに心配してくれているみたいだ。


気づけば、ペンはその日のちょっとした気づきやアイデアも書き込んでいて、まるで秘書のようだった。


しかし不思議なのは、ペンが勝手に書くのは僕が席をはずした時だけだということ。

コーヒーを取りに行く数分の間、ペンは僕の代わりに手紙を書き、机の上に置かれたまま僕の帰りを待っている。


午後三時、僕が席に戻ると、ペンはいつものように静かになっていた。紙には、僕がまだ気づいていない些細な発見が丁寧に記されている。


僕はその手紙をそっと胸に抱き、明日もまたペンが書き始めるのを楽しみに思うのだった


* 日記風雑感 *

手書きで文字を書く機会がかなり減りました。ひと昔前を思うと夢のようです。

書くことが減っていくと、「あれ、この漢字なんだっけ?」ということが度々起きるようになります。

当たり前のように書いてたのになあ……
予測変換に頼るのは便利だけど。






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      ー*ー*ー*ー
  席を離れ 数分の隙に 文字生まれ  見ぬ間の知恵 紙に刻まれて
  誰もいぬ 部屋に響く ペンの音
  今日の予定 教えられる午後 
      ー*ー*ー*ー
 仕事中、僕はいつものように書類を整理していた。ふと、机の上の万年筆が動いた。
手の届かない位置から、勝手に紙の上を滑っている。ペンの音だけが静かな部屋に響く。
「誰だ……?」
僕は声をかけるが、応答はない。
ペンは止まらず、スラスラと文字を書き続ける。
内容はどうやら、僕宛の手紙らしい。
読み始めると、それは僕の今日の予定を詳細に書き連ね、さらに僕が考えていた小さな悩みや不安まで言い当てていた。
「仕事は午後二時までに終わらせろ」とペン。
「ランチは軽めに。糖分過多は午後の集中力に影響する」とも。
あまりの的確さに、僕は思わず笑ってしまった。机のペンが僕の代わりに心配してくれているみたいだ。
気づけば、ペンはその日のちょっとした気づきやアイデアも書き込んでいて、まるで秘書のようだった。
しかし不思議なのは、ペンが勝手に書くのは僕が席をはずした時だけだということ。
コーヒーを取りに行く数分の間、ペンは僕の代わりに手紙を書き、机の上に置かれたまま僕の帰りを待っている。
午後三時、僕が席に戻ると、ペンはいつものように静かになっていた。紙には、僕がまだ気づいていない些細な発見が丁寧に記されている。
僕はその手紙をそっと胸に抱き、明日もまたペンが書き始めるのを楽しみに思うのだった
* 日記風雑感 *
手書きで文字を書く機会がかなり減りました。ひと昔前を思うと夢のようです。
書くことが減っていくと、「あれ、この漢字なんだっけ?」ということが度々起きるようになります。
当たり前のように書いてたのになあ……
予測変換に頼るのは便利だけど。