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ep92 爆破魔術師キラース(シヒロ視点)

ー/ー



 魔法剣士カレンさんの防衛任務に同行することになったほくたちは、市民の避難誘導を手伝います。義勇兵と言われたので戦闘参加を想定していたトレブルさんとブーストさんは、若干拍子抜けしたみたいです。

「てゆーかよ、おれら本当に要るのか?」
「だよな」

 二人がそう言ってしまうのも無理はありません。敵が現れても、カレンさんが一人であっという間に片付けてしまうからです。迅速すぎて手を出す暇もないのです。

 「トレブルさん、ブーストさん。そんなこと言っちゃダメですよ。まだ街には人がたくさんいますし」と言いつつも、ぼくもいささか疑問を抱き始めていました。
 確かに祭りの最中での有事は街を大いに混乱させました。しかし爆発は途絶えましたし、カレンさんを警戒してか空の魔物たちも上空をうろついているだけです。

「……」

 カレンさんはカレンさんでぼくたちに簡単な指示をするのみで、それ以上は特に何も口にしません。
 また、トレブルさんとブーストさんが言っていた敵のボスらしき人物は、現在上空にいるらしいこと以外は何もわかりません。
 ぼくは考えます。
(なにかの機会をうかがっている? それにクローさんはどこで何をしているんだろう……)
 そんな時でした。

 ドガァァァン!

 俺を忘れるなと言わんばかりに再び爆発音が激しく鳴り渡りました。さらに二発三発四発と爆発音が続きます。

「これは……」
 突然、カレンさんが立ち止まりました。
「今の爆発、市民の避難していく方向に沿っている」

「えっ?」

「完全に市民を狙った無差別爆破だ。外道め」

 カレンさんは憤怒に目を燃え上がらせます。そんなところへ見計らっていたかのように、鳥獣の一体がぼくらの前方にある四階建ての建物にバサーッと飛んできました。

「魔物が屋根へ降りてきた?」

 見上げると、ひとりの仮面を被った男が屋根へ降り立つのが見えました。

「あ、あいつはキラース!」

 トレブルさんが恐怖の入り混じった声を震わせました。片側だけに生やした紫色の長髪を風になびかせる男…キラースは、カレンさんを見てニヤリとします。

「こりゃあどうも。偉大なる勇者の妹君さま」

「貴様……」
 カレンさんが応じます。
「フリーダムの幹部か? この悪辣なテロの首謀者だな?」

「悪辣? テロに良いも悪いもねえだろ。やっぱり頭でっかちのお嬢さまには理解できねえんだなぁ。まっ、とりあえずさっきの爆発だけでも何人死んだかな? 五十? 六十? それとも三桁いったか? なんせ平和祭の真っ最中だからな〜」

「キサマァァ!」

 カレンさんは憤激を爆発させて飛び出すと、地を蹴り壁を蹴りあっという間にキラースのいる屋根上までバッと躍り出ます。

「バァーカ」

 迫りくる魔法剣士へ不敵にニヤつくキラースが罵り言葉をひとつ吐いた瞬間です。

 ドガァァァァァン!
 
 その建物が勢いよく炎煙を噴き出して大爆破しました。カレンさんのための時限爆弾がセットされていたと言わんばかりの絶妙なタイミングです。

「カレンさん!」
「嬢ちゃん! 危ねえから離れるぞ!」
「退がれ退がれ!」

 ぼくはトレブルさんとブーストさんに庇われるように退がります。
 
「そ、そんな、カレンさんが……」

 やられてしまった? あの魔法剣士さまが?


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 魔法剣士カレンさんの防衛任務に同行することになったほくたちは、市民の避難誘導を手伝います。義勇兵と言われたので戦闘参加を想定していたトレブルさんとブーストさんは、若干拍子抜けしたみたいです。
「てゆーかよ、おれら本当に要るのか?」
「だよな」
 二人がそう言ってしまうのも無理はありません。敵が現れても、カレンさんが一人であっという間に片付けてしまうからです。迅速すぎて手を出す暇もないのです。
 「トレブルさん、ブーストさん。そんなこと言っちゃダメですよ。まだ街には人がたくさんいますし」と言いつつも、ぼくもいささか疑問を抱き始めていました。
 確かに祭りの最中での有事は街を大いに混乱させました。しかし爆発は途絶えましたし、カレンさんを警戒してか空の魔物たちも上空をうろついているだけです。
「……」
 カレンさんはカレンさんでぼくたちに簡単な指示をするのみで、それ以上は特に何も口にしません。
 また、トレブルさんとブーストさんが言っていた敵のボスらしき人物は、現在上空にいるらしいこと以外は何もわかりません。
 ぼくは考えます。
(なにかの機会をうかがっている? それにクローさんはどこで何をしているんだろう……)
 そんな時でした。
 ドガァァァン!
 俺を忘れるなと言わんばかりに再び爆発音が激しく鳴り渡りました。さらに二発三発四発と爆発音が続きます。
「これは……」
 突然、カレンさんが立ち止まりました。
「今の爆発、市民の避難していく方向に沿っている」
「えっ?」
「完全に市民を狙った無差別爆破だ。外道め」
 カレンさんは憤怒に目を燃え上がらせます。そんなところへ見計らっていたかのように、鳥獣の一体がぼくらの前方にある四階建ての建物にバサーッと飛んできました。
「魔物が屋根へ降りてきた?」
 見上げると、ひとりの仮面を被った男が屋根へ降り立つのが見えました。
「あ、あいつはキラース!」
 トレブルさんが恐怖の入り混じった声を震わせました。片側だけに生やした紫色の長髪を風になびかせる男…キラースは、カレンさんを見てニヤリとします。
「こりゃあどうも。偉大なる勇者の妹君さま」
「貴様……」
 カレンさんが応じます。
「フリーダムの幹部か? この悪辣なテロの首謀者だな?」
「悪辣? テロに良いも悪いもねえだろ。やっぱり頭でっかちのお嬢さまには理解できねえんだなぁ。まっ、とりあえずさっきの爆発だけでも何人死んだかな? 五十? 六十? それとも三桁いったか? なんせ平和祭の真っ最中だからな〜」
「キサマァァ!」
 カレンさんは憤激を爆発させて飛び出すと、地を蹴り壁を蹴りあっという間にキラースのいる屋根上までバッと躍り出ます。
「バァーカ」
 迫りくる魔法剣士へ不敵にニヤつくキラースが罵り言葉をひとつ吐いた瞬間です。
 ドガァァァァァン!
 その建物が勢いよく炎煙を噴き出して大爆破しました。カレンさんのための時限爆弾がセットされていたと言わんばかりの絶妙なタイミングです。
「カレンさん!」
「嬢ちゃん! 危ねえから離れるぞ!」
「退がれ退がれ!」
 ぼくはトレブルさんとブーストさんに庇われるように退がります。
「そ、そんな、カレンさんが……」
 やられてしまった? あの魔法剣士さまが?