ep93 危機(シヒロ視点)
ー/ー ぼくはあまりの衝撃に愕然とします。だってカレンさんは……あの勇者様の妹君で世界最高の魔法剣士さまなのに!
しかしぼくはすぐにハッとします。
「そ、そういえば敵は!?」
あの爆発だと、敵はカレンさんもろとも自爆したと同じです。いや、最初からそれを狙っていたのか? 建物付近には視界を遮るようにもくもくと煙が舞い上がり、確認することができません。
「よお、オメーらじゃねえか」
突如、もくもくと煙る前方から人の声がしました。
「!」
煙の中からこちらへ人影が進んできます。
「あ、あんたは…!」
「キラース!」
トレブルさんとブーストさんが凍りついた声を上げました。二人は明らかに戦慄しています。
「たしかテメーら…シヴィスんとこにいたヤツらだよなぁ?」
煙幕からぬっと姿を現したキラース。顔からは仮面が剥がれていて、釣りあがった目に危うい光をたたえて残忍な微笑を浮かべています。
「ひぃぃ!」
ぼくは本能的に怯えました。この人は危険だ!
「嬢ちゃんはおれたちの後ろにいろ!」
トレブルさんとブーストさんの顔にも色濃い恐怖が滲んでいます。
「テメーら、こんなところでなにしてんだぁ?」
キラースは、二人を試すように質問をしてきました。トレブルさんとブーストさんは唾を飲み込んでから口をひらきます。
「な、なにって、祭りに来ていただけっすよ! なあブースト?」
「そ、そうだぜ!」
「女隊長と一緒にか?」
「ち、ちげーよ!」
「おれらはたまたま居合わせちまっただけだぜ!」
「うしろのガキはなんだ?」
「こ、この娘は……」
「ただのパシリだぜパシリ!」
「ふーん、なるほどねぇ。そんじゃオメーら手伝え」
「えっ?」
「な、なにをっすか?」
「あの女隊長をさがすんだ」
「さっきの爆破で死んだんじゃ?」
「だ、だよな?」
「バカかテメーらは。あの女はあれぐらいじゃくたばらねえ。瓦礫に埋もれながらもゼッテー生きてる」
「そ、そうっすか」
「お、おう」
「ついでにテメーらをオレの部下にしてやる。こんなありがてえハナシねえよなぁ? あとはそこのガキ……慰みモンとして使ってやるか? うちにはロリコンの変態もいっからなぁ」
キラースは残酷にニヤリとしました。
背筋にぞわっと悪寒が走ります。こういう恐怖は生まれて初めてかもしれません。
「んじゃさっそくはじめっぞ」
キラースはクルッときびすを返し、歩きだしました。誰も付いて行きたいはずがない。しかしこの男に逆らうことは容易に死を連想させます。ぼくたち三人は、絶望の足を踏み出します。とその時です。
「嬢ちゃん。おれたちが隙を作るから嬢ちゃんはその間に逃げろ」
トレブルさんがこっそり囁きかけてきました。
ぼくは一驚します。あの男に逆らうつもりなのか?
しかしぼくはすぐにハッとします。
「そ、そういえば敵は!?」
あの爆発だと、敵はカレンさんもろとも自爆したと同じです。いや、最初からそれを狙っていたのか? 建物付近には視界を遮るようにもくもくと煙が舞い上がり、確認することができません。
「よお、オメーらじゃねえか」
突如、もくもくと煙る前方から人の声がしました。
「!」
煙の中からこちらへ人影が進んできます。
「あ、あんたは…!」
「キラース!」
トレブルさんとブーストさんが凍りついた声を上げました。二人は明らかに戦慄しています。
「たしかテメーら…シヴィスんとこにいたヤツらだよなぁ?」
煙幕からぬっと姿を現したキラース。顔からは仮面が剥がれていて、釣りあがった目に危うい光をたたえて残忍な微笑を浮かべています。
「ひぃぃ!」
ぼくは本能的に怯えました。この人は危険だ!
「嬢ちゃんはおれたちの後ろにいろ!」
トレブルさんとブーストさんの顔にも色濃い恐怖が滲んでいます。
「テメーら、こんなところでなにしてんだぁ?」
キラースは、二人を試すように質問をしてきました。トレブルさんとブーストさんは唾を飲み込んでから口をひらきます。
「な、なにって、祭りに来ていただけっすよ! なあブースト?」
「そ、そうだぜ!」
「女隊長と一緒にか?」
「ち、ちげーよ!」
「おれらはたまたま居合わせちまっただけだぜ!」
「うしろのガキはなんだ?」
「こ、この娘は……」
「ただのパシリだぜパシリ!」
「ふーん、なるほどねぇ。そんじゃオメーら手伝え」
「えっ?」
「な、なにをっすか?」
「あの女隊長をさがすんだ」
「さっきの爆破で死んだんじゃ?」
「だ、だよな?」
「バカかテメーらは。あの女はあれぐらいじゃくたばらねえ。瓦礫に埋もれながらもゼッテー生きてる」
「そ、そうっすか」
「お、おう」
「ついでにテメーらをオレの部下にしてやる。こんなありがてえハナシねえよなぁ? あとはそこのガキ……慰みモンとして使ってやるか? うちにはロリコンの変態もいっからなぁ」
キラースは残酷にニヤリとしました。
背筋にぞわっと悪寒が走ります。こういう恐怖は生まれて初めてかもしれません。
「んじゃさっそくはじめっぞ」
キラースはクルッときびすを返し、歩きだしました。誰も付いて行きたいはずがない。しかしこの男に逆らうことは容易に死を連想させます。ぼくたち三人は、絶望の足を踏み出します。とその時です。
「嬢ちゃん。おれたちが隙を作るから嬢ちゃんはその間に逃げろ」
トレブルさんがこっそり囁きかけてきました。
ぼくは一驚します。あの男に逆らうつもりなのか?
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