ep90 意外な要望(シヒロ視点)
ー/ー「ま、マジかよ……」
トレブルさんとブーストさんが、びくんとして肩をすくめました。二人は明らかに魔法剣士さまへ恐れを抱いているようです。
(あの勇者様の妹君が、魔法剣士さまが、こっちへ来る……!)
トレブルさんとブーストさんには悪いけど、ぼくは密かに胸を膨らませてしまいました。
魔法剣士さまは近くまでやって来ると、その美しくも凛々しい目をぼくたちひとりひとりに向けます。
「あ、あの〜」
「お、おれたちに一体なんのようですかね〜?」
気圧されたトレブルさんとブーストさんがヘラヘラしながら尋ねました。
「私はカレン・ホールズワース。国際平和維持軍特別部隊隊長だ。ナイフを持ったお前と斧を持ったお前、そして少年、いや、少女か? お前達は街の者ではないように見受けられるが、三人組の冒険者か何かか?」
魔法剣士さまは律儀にも改めて名乗ってから、ぼくたちへ質問を投げてきます。どういう意図かはわかりません。ぼくたち三人は互いにチラッと視線を交わし合ってから、
「ま、まあ、そんな感じっす!」
「そ、そうっす!」
「そそそそうです!」
オドオドしながらそういうことにしておきました。
「そうか。ちなみにナイフのお前と斧のお前は無言魔術…魔力を使った技ができるのか?」
その質問を受け、トレブルさんとブーストさんはまたびくんとして顔を見合わせました。
「ここへ向かいながら遠目に魔力を感じて多分お前達だと思ったのだが、違うのか?」
「ええと、その、隊長さん…」
「お、おれたち、しょっぴかれちまうんですかね?」
トレブルさんとブーストさんは冷や汗を垂らしながら単刀直入に訊きます。魔法剣士さまはじっと二人を見据えます。
「今は緊急時、というよりもはや戦時だ。自衛のためにも魔力および魔法の行使はやむを得ないだろう。そこでだ」
「?」
「?」
「街の防衛と市民の避難に力を貸してもらえないか?」
「お、おれたちが??」
二人はビックリしてきょとんとします。
ああ、と魔法剣士さまは頷きます。
「正直、人手が足りない。我々は今、少数部隊でしか来ていないんだ。戦力的には私ひとりでもあの魔物どもを一掃することは可能だが、街への被害を考えると迂闊に大きな力を使えない。何せ平時の祭りの真っ只中の襲撃だ。市民の避難も時間がかかる。だから少しでも被害を減らすためには義勇兵の力が必要なんだ。どうか協力を頼めないだろうか」
魔法剣士さまからの全くの予想外の要望に、ぼくたちは戸惑いを禁じ得ません。そんな中、なぜかぼくが率先して答えてしまいます。
「トレブルさん! ブーストさん! ぼくたちも協力しましょう!」
「嬢ちゃん!?」
「いやいや待て待て!」
トレブルさんとブーストさんは慌ててぼくの耳元に顔を寄せてきます。
「いいか嬢ちゃん。それってつまり、ダンナを追っている連中に手を貸すってことだぜ?」
「そんなダンナに連れ立っているおれたちだってこの先どう扱われるかわからねえんだぞ?」
確かに二人の言うとおり、魔法剣士さまの話に乗るのはリスクが伴います。しかし、ぼくは大丈夫だと思いました。明確な根拠はありません。ただ、直感的に、この魔法剣士さまなら大丈夫だと思ったのです。
トレブルさんとブーストさんが、びくんとして肩をすくめました。二人は明らかに魔法剣士さまへ恐れを抱いているようです。
(あの勇者様の妹君が、魔法剣士さまが、こっちへ来る……!)
トレブルさんとブーストさんには悪いけど、ぼくは密かに胸を膨らませてしまいました。
魔法剣士さまは近くまでやって来ると、その美しくも凛々しい目をぼくたちひとりひとりに向けます。
「あ、あの〜」
「お、おれたちに一体なんのようですかね〜?」
気圧されたトレブルさんとブーストさんがヘラヘラしながら尋ねました。
「私はカレン・ホールズワース。国際平和維持軍特別部隊隊長だ。ナイフを持ったお前と斧を持ったお前、そして少年、いや、少女か? お前達は街の者ではないように見受けられるが、三人組の冒険者か何かか?」
魔法剣士さまは律儀にも改めて名乗ってから、ぼくたちへ質問を投げてきます。どういう意図かはわかりません。ぼくたち三人は互いにチラッと視線を交わし合ってから、
「ま、まあ、そんな感じっす!」
「そ、そうっす!」
「そそそそうです!」
オドオドしながらそういうことにしておきました。
「そうか。ちなみにナイフのお前と斧のお前は無言魔術…魔力を使った技ができるのか?」
その質問を受け、トレブルさんとブーストさんはまたびくんとして顔を見合わせました。
「ここへ向かいながら遠目に魔力を感じて多分お前達だと思ったのだが、違うのか?」
「ええと、その、隊長さん…」
「お、おれたち、しょっぴかれちまうんですかね?」
トレブルさんとブーストさんは冷や汗を垂らしながら単刀直入に訊きます。魔法剣士さまはじっと二人を見据えます。
「今は緊急時、というよりもはや戦時だ。自衛のためにも魔力および魔法の行使はやむを得ないだろう。そこでだ」
「?」
「?」
「街の防衛と市民の避難に力を貸してもらえないか?」
「お、おれたちが??」
二人はビックリしてきょとんとします。
ああ、と魔法剣士さまは頷きます。
「正直、人手が足りない。我々は今、少数部隊でしか来ていないんだ。戦力的には私ひとりでもあの魔物どもを一掃することは可能だが、街への被害を考えると迂闊に大きな力を使えない。何せ平時の祭りの真っ只中の襲撃だ。市民の避難も時間がかかる。だから少しでも被害を減らすためには義勇兵の力が必要なんだ。どうか協力を頼めないだろうか」
魔法剣士さまからの全くの予想外の要望に、ぼくたちは戸惑いを禁じ得ません。そんな中、なぜかぼくが率先して答えてしまいます。
「トレブルさん! ブーストさん! ぼくたちも協力しましょう!」
「嬢ちゃん!?」
「いやいや待て待て!」
トレブルさんとブーストさんは慌ててぼくの耳元に顔を寄せてきます。
「いいか嬢ちゃん。それってつまり、ダンナを追っている連中に手を貸すってことだぜ?」
「そんなダンナに連れ立っているおれたちだってこの先どう扱われるかわからねえんだぞ?」
確かに二人の言うとおり、魔法剣士さまの話に乗るのはリスクが伴います。しかし、ぼくは大丈夫だと思いました。明確な根拠はありません。ただ、直感的に、この魔法剣士さまなら大丈夫だと思ったのです。
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