ep87 一方、シヒロたちは...(シヒロ視点)
ー/ー 【4】シヒロとフリーダムと
小説を書くために旅をしているぼくは、旅先で魔剣使いさまと出会いました。
そしてぼくは、その人に心を奪われてしまいました。今ではその人と一緒に旅をしています。
魔剣使いさまとの旅はとても刺激的です。それはぼくの好奇心を満たすに充分すぎます。ですが、今回のそれは、ちょっといき過ぎたかもしれません。
「ま、魔物!?」
「こんなところになぜ!?」
「こりゃあシャレにならんぜ!」
なんと、祭りに浮かれる街の上空を、翼を備えた大型の鳥獣系の魔物が不吉に重々しく飛行しているのです。それも一体だけではありません。何体もです。
さらに街の建物の屋根の上に、不穏な輩の姿がうようよと蠢いています。
「あ、あれは!」
「あの仮面、フリーダムだぜ!」
「どうなってんだ? 魔物とフリーダムが同時に来襲だと!?」
平和祭の真っ只中、もっとも平和祭にふさわしくない者どもが現れました。しかもちょうどクローさんが知らない女の人と一緒にぼくらから離れていってしまっているタイミングです。
「ど、どうしよう!」
ぼくはアワアワとして動けなくなります。
「嬢ちゃん! おれたちから離れんなよ!」
「大丈夫だ! ダンナか気づいていないわけがねえ!」
トレブルさんとブーストさんは即座に手に持った酒を投げ捨てました。
「で、でも、どうするんですか? すぐに街を抜けることはできないと思いますし…」
「とりあえず身を守りつつ少しでも安全そうな場所に移動するぜ!」
「そんであとは時間待ちだな!」
「時間待ち?」
「ひとつはダンナ待ちだが、もうひとつは…」
「国際平和維持軍だ」
「そ、そうか! さっき三人組の方もいましたもんね」
「平和祭の最中にフリーダムと魔物の群れ。どう考えてもこりゃあ勇者軍案件だぜ!」
「だな! 下手すりゃあ隊長クラスが直々に来るかもしれねえ!」
「でもそうなるとクローさんが……!」
「そんなもんダンナは十二分に承知だろ!」
「おれたちは勇者軍とフリーダムがやり合ってる隙に逃げりゃあいい! 切り抜け方はダンナが一番よくわかってんだろ!」
その時です。
ドガァァァンッ!
とんでもない爆発音が街に鳴り響きました。続いて別の方向からも、また別の方向からも、さらに別の方向からも爆発音が立て続けに鳴り渡りました。
「これ、魔法!?」
「もうおっ始めやがったか!」
「こりぁあさっさと移動し始めたほうが…」
ブーストさんが言いかけた時です。あっとぼくたちは空を見上げました。
「魔物が一頭、降下してきます!」
「あれは?」
「人が乗っているのか?」
一頭の巨大な鳥獣が高度を下げてきたかと思うと、その上に立っている人間の姿が僕らの目に映ります。
「おーおー。くだらねえ祭りにうじゃうじゃいやがるなぁ」
唾を吐き棄てるように言葉を放つその人は、フリーダムの仮面と服を纏い、片側だけに生やした紫色の長髪を風になびかせています。
「お、おい。あれ、まさか……」
「ウソだろ、マジかよ……」
トレブルさんとブーストさんがガタガタとおののき始めました。
「トレブルさん? ブーストさん?」
「嬢ちゃん。ありゃたぶん……」
「キラースだ」
ぼくは眼を見開きました。それは以前にも聞いた不吉な名前でした。
「そ、その人って……」
「元ダムドのボスで、現フリーダムの幹部だ」
「しかも相当イカれたな……」
トレブルさんとブーストさんの顔から血の気が引いています。
「どれだけ危ない人なんですか……?」
「あれは破壊が趣味みたいな人だ。しかもキラースと勇者軍がぶつかるとなれば……」
「完全に戦争だな。しかも今日は祭りで人がごった返してるときてやがる。ガチで悲惨極まりないことになるぜ」
小説を書くために旅をしているぼくは、旅先で魔剣使いさまと出会いました。
そしてぼくは、その人に心を奪われてしまいました。今ではその人と一緒に旅をしています。
魔剣使いさまとの旅はとても刺激的です。それはぼくの好奇心を満たすに充分すぎます。ですが、今回のそれは、ちょっといき過ぎたかもしれません。
「ま、魔物!?」
「こんなところになぜ!?」
「こりゃあシャレにならんぜ!」
なんと、祭りに浮かれる街の上空を、翼を備えた大型の鳥獣系の魔物が不吉に重々しく飛行しているのです。それも一体だけではありません。何体もです。
さらに街の建物の屋根の上に、不穏な輩の姿がうようよと蠢いています。
「あ、あれは!」
「あの仮面、フリーダムだぜ!」
「どうなってんだ? 魔物とフリーダムが同時に来襲だと!?」
平和祭の真っ只中、もっとも平和祭にふさわしくない者どもが現れました。しかもちょうどクローさんが知らない女の人と一緒にぼくらから離れていってしまっているタイミングです。
「ど、どうしよう!」
ぼくはアワアワとして動けなくなります。
「嬢ちゃん! おれたちから離れんなよ!」
「大丈夫だ! ダンナか気づいていないわけがねえ!」
トレブルさんとブーストさんは即座に手に持った酒を投げ捨てました。
「で、でも、どうするんですか? すぐに街を抜けることはできないと思いますし…」
「とりあえず身を守りつつ少しでも安全そうな場所に移動するぜ!」
「そんであとは時間待ちだな!」
「時間待ち?」
「ひとつはダンナ待ちだが、もうひとつは…」
「国際平和維持軍だ」
「そ、そうか! さっき三人組の方もいましたもんね」
「平和祭の最中にフリーダムと魔物の群れ。どう考えてもこりゃあ勇者軍案件だぜ!」
「だな! 下手すりゃあ隊長クラスが直々に来るかもしれねえ!」
「でもそうなるとクローさんが……!」
「そんなもんダンナは十二分に承知だろ!」
「おれたちは勇者軍とフリーダムがやり合ってる隙に逃げりゃあいい! 切り抜け方はダンナが一番よくわかってんだろ!」
その時です。
ドガァァァンッ!
とんでもない爆発音が街に鳴り響きました。続いて別の方向からも、また別の方向からも、さらに別の方向からも爆発音が立て続けに鳴り渡りました。
「これ、魔法!?」
「もうおっ始めやがったか!」
「こりぁあさっさと移動し始めたほうが…」
ブーストさんが言いかけた時です。あっとぼくたちは空を見上げました。
「魔物が一頭、降下してきます!」
「あれは?」
「人が乗っているのか?」
一頭の巨大な鳥獣が高度を下げてきたかと思うと、その上に立っている人間の姿が僕らの目に映ります。
「おーおー。くだらねえ祭りにうじゃうじゃいやがるなぁ」
唾を吐き棄てるように言葉を放つその人は、フリーダムの仮面と服を纏い、片側だけに生やした紫色の長髪を風になびかせています。
「お、おい。あれ、まさか……」
「ウソだろ、マジかよ……」
トレブルさんとブーストさんがガタガタとおののき始めました。
「トレブルさん? ブーストさん?」
「嬢ちゃん。ありゃたぶん……」
「キラースだ」
ぼくは眼を見開きました。それは以前にも聞いた不吉な名前でした。
「そ、その人って……」
「元ダムドのボスで、現フリーダムの幹部だ」
「しかも相当イカれたな……」
トレブルさんとブーストさんの顔から血の気が引いています。
「どれだけ危ない人なんですか……?」
「あれは破壊が趣味みたいな人だ。しかもキラースと勇者軍がぶつかるとなれば……」
「完全に戦争だな。しかも今日は祭りで人がごった返してるときてやがる。ガチで悲惨極まりないことになるぜ」
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