お屋敷の一室。
少年の使用人がベッドに転がりながら、ぼんやりと天井を見つめて呟く。
「あぁ〜お腹すいたよぉ……なんか簡単に作れ——」
——バタン!
突然、クローゼットの扉が勢いよく開き、エリシアが中から飛び出してきた。
「イッテ……」
しかし、飛び出した瞬間、左足で転がっていた少年を踏んづける。だが、彼女はそれに気づくどころか、その場で見事な決めポーズを披露した。
「お腹が空いたら——『キエェ〜メシ!』」
突然の出来事に少年は床で悶えつつ、目を白黒させる。
「ほら、ご飯も一緒に入ってますわよ!」
「作り方も超カンタン! レンジでチンするだけですわ!」
彼女が堂々と言う中、キッチンから電子レンジの音が響く。
——チーン!
その瞬間、どこからともなくセバスが現れ、温められた料理を手にして感嘆の声を上げた。
「こりゃ驚いた!」
エリシアは温め終えたご飯セットを少年に差し出し、にやりと笑った。
「ほらほら……どうです……ヤバそうですわね……!」
少年は目の前のセットを見て、どこか怪しげな視線を送る。
エリシアは自信満々に続けた。
「3つの味から選べますわよ!」
隣のゾンビもびっくり!
「ウヴォアァ!(やべえ!)」
「うおおおおおおぉ!」
突然、天井から大きな音が響き渡り、タイルが外れる。
——バコン!
その隙間からロープを使って覆面男が滑り降りてきた。その姿に少年は思わず目を丸くし、ゾンビは驚いて一歩後ずさる。
覆面男は力強く叫んだ。
「今日の飯はキエェ〜メシだぞぉ〜!」
その瞬間、エリシアも勢いよく拳を突き上げ、全力で応じる。
「キエエエェ〜!」
少年とゾンビはその場の熱気に圧倒される。
覆面男が高らかに叫び、旗を掲げる。
——大 正 義
キエェ〜メシ!
——というYouTube広告を無言で見つめるヴァイ。
画面に映る謎の覆面男、全力で叫ぶエリシア、そして妙に大げさな演出。
「……」
しばらく呆然と眺めていたが、動画が終わった瞬間、ヴァイは静かに一言呟いた。
「何やってんだ……あいつ……。」
——終わり。