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がんばれ!ミノタウロス君!

ー/ー



 魔王軍四天王のエリシアと、その側近であるミノタウロスが街を歩いていると、マクドナルドの前に差し掛かった。



 ——ざわざわ



「ものすごい行列ですわね……。」
「一体これは。」



 ミノタウロスがスマホでX(旧Twitter)を開いて確認すると、どうやらその店舗に有名人が来ていて話題になり、バズっているらしい。



「これじゃあダブチが買えませんわよ!」
「そうですな……。」



 エリシアは不満げにため息をつきながらも、ふと目を向けるとドライブスルーが空いていることに気づく。



「あ、ドライブスルーはガラガラですわね。」



 ミノタウロスはすぐさま突っ込みを入れる。

「いや……車専用なので、我々は利用できません。」

 するとエリシアはピンときたように笑みを浮かべ、命じた。





「ちょっと四つん這いになってくださる!?」





 ミノタウロスは一瞬固まり、困惑の表情を浮かべるが、結局言い返せず、その場で四つん這いになる覚悟を決めた。



¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥



 魔王城では食糧が尽き、飢餓に苦しむ部下たちがあちこちでうめき声を上げていた。



 エリシアとミノタウロスは対策を練ろうとするが、なかなか妙案が浮かばない。



「はぁ……こんな時、皆様にステーキでも食べさせれば、私の支持率はうなぎのぼりですのに……。」



 エリシアが深いため息をつきながら呟くと、ミノタウロスは無言で立ち尽くす。



 しばらくして、エリシアの視線がふとミノタウロスに向いた。

 そして、彼をつま先から頭の先まで舐め回すようにじっくりと見つめ始めた。



「……。」



 ミノタウロスはその視線に気づき、冷や汗を浮かべる。



 しばらくして黙ってスーツケースを取り出し、荷物を詰め始めた。
 そしてカンカン帽を被り、玄関へと向かう。



故郷(くに)に帰ります。」



 その宣言に、エリシアは慌てて手を振りながら叫ぶ。



「ちょっと!? 私、何も言ってないでしょ!? 帰ってきておくんなまし!」



 ミノタウロスは振り返ることなく、スーツケースを引きながら城の外へと向かうのだった。



¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥



 エリシアが突然ツボを抱えてやってきた。

「新しい兵器を考えましたわ!」



 ミノタウロスはその言葉に反射的に拍手をしながら応じる。

「さすがですな。」



 エリシアは得意げにツボの蓋を開け、中を覗き込む。



「まずこのオウムを中に入れますの。」



 ——バサァ!



 彼女は手慣れた様子でオウムをツボの中に放り込むと、蓋を閉めた。



「で、毎日ツボに向かって『キエエエェ〜!』って叫びますの。」



 その説明にミノタウロスの目が点になる。

「……は?」



 エリシアは何事もなかったかのように続ける。



「これをダンジョンに置けば、調べた勇者の心を粉砕しますわ。精神攻撃は基本ですもの。」



 ミノタウロスは額に汗を浮かべながらも、どうにか褒め言葉を絞り出す。



「さすがは……エリシア殿……ですなぁ。」



 エリシアは満足げに笑いながら、ツボを大事そうに抱えて部屋を出て行った。



 ——終わり。



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 魔王軍四天王のエリシアと、その側近であるミノタウロスが街を歩いていると、マクドナルドの前に差し掛かった。
 ——ざわざわ
「ものすごい行列ですわね……。」
「一体これは。」
 ミノタウロスがスマホでX(旧Twitter)を開いて確認すると、どうやらその店舗に有名人が来ていて話題になり、バズっているらしい。
「これじゃあダブチが買えませんわよ!」
「そうですな……。」
 エリシアは不満げにため息をつきながらも、ふと目を向けるとドライブスルーが空いていることに気づく。
「あ、ドライブスルーはガラガラですわね。」
 ミノタウロスはすぐさま突っ込みを入れる。
「いや……車専用なので、我々は利用できません。」
 するとエリシアはピンときたように笑みを浮かべ、命じた。
「ちょっと四つん這いになってくださる!?」
 ミノタウロスは一瞬固まり、困惑の表情を浮かべるが、結局言い返せず、その場で四つん這いになる覚悟を決めた。
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 魔王城では食糧が尽き、飢餓に苦しむ部下たちがあちこちでうめき声を上げていた。
 エリシアとミノタウロスは対策を練ろうとするが、なかなか妙案が浮かばない。
「はぁ……こんな時、皆様にステーキでも食べさせれば、私の支持率はうなぎのぼりですのに……。」
 エリシアが深いため息をつきながら呟くと、ミノタウロスは無言で立ち尽くす。
 しばらくして、エリシアの視線がふとミノタウロスに向いた。
 そして、彼をつま先から頭の先まで舐め回すようにじっくりと見つめ始めた。
「……。」
 ミノタウロスはその視線に気づき、冷や汗を浮かべる。
 しばらくして黙ってスーツケースを取り出し、荷物を詰め始めた。
 そしてカンカン帽を被り、玄関へと向かう。
「|故郷《くに》に帰ります。」
 その宣言に、エリシアは慌てて手を振りながら叫ぶ。
「ちょっと!? 私、何も言ってないでしょ!? 帰ってきておくんなまし!」
 ミノタウロスは振り返ることなく、スーツケースを引きながら城の外へと向かうのだった。
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 エリシアが突然ツボを抱えてやってきた。
「新しい兵器を考えましたわ!」
 ミノタウロスはその言葉に反射的に拍手をしながら応じる。
「さすがですな。」
 エリシアは得意げにツボの蓋を開け、中を覗き込む。
「まずこのオウムを中に入れますの。」
 ——バサァ!
 彼女は手慣れた様子でオウムをツボの中に放り込むと、蓋を閉めた。
「で、毎日ツボに向かって『キエエエェ〜!』って叫びますの。」
 その説明にミノタウロスの目が点になる。
「……は?」
 エリシアは何事もなかったかのように続ける。
「これをダンジョンに置けば、調べた勇者の心を粉砕しますわ。精神攻撃は基本ですもの。」
 ミノタウロスは額に汗を浮かべながらも、どうにか褒め言葉を絞り出す。
「さすがは……エリシア殿……ですなぁ。」
 エリシアは満足げに笑いながら、ツボを大事そうに抱えて部屋を出て行った。
 ——終わり。