ep83 シヒロは祭りを楽しみたい
ー/ー 宿屋に戻ると、一階の食堂でトレブルとブーストはすっかり出来上がっていた。
「ダンナも飲もうぜぇ」
「そうだぜダンナぁ」
二人は陽気にジョッキを口に運ぶ。
「クローさんは、どうでしたか?」
隣でシヒロは水の入ったグラスに口をつけながら言った。
「シヒロ。お前は何か妙な気配は感じなかったか?」
「えっ? あっ! それが、ハッキリとはわからなかったんですが、何者かの気配というか、感じました。でも夕方には、どこかへいなくなったのか何も感じられませんでした。クローさんもなんですか?」
「なるほど。シヒロのそれと完全に一致するな。俺はさっきその気配の張本人と会って話してきた」
「えっ?」
「オイ酔っ払い二人」
俺はトレブルとブーストに呼びかける。
「ダンナ?」
「なんだぁ?」
「背の低い女の魔術師…いや、背の低い魔族の女魔術師といって、なにか思い浮かぶヤツはいるか?」
「藪から棒になんだぁ? ダンナ」
「背の低い、魔族の女魔術師っつったか? ダンナ」
「そうだ。〔フリーダム〕に限らず、お前らのようなゴロツキの間で知られてるヤツでも何でも構わない」
「はあ。んなこと言われても、たったそれだけの情報じゃなぁ。他に何か特徴はわからねえのか? 顔とか武器とか」
「わからない」
「それじゃあどうしようもねえなぁ」
当然の回答だ。情報があまりに薄すぎる。たとえ名探偵でも無理な注文だろう。
俺は腕を組み、もう一度、公園でのヤツとの邂逅を思い浮かべる。しかし、それ以上はなにも出てこない。
「あ、あの、クローさん」
シヒロがもじもじしながら何かを言いたそうな上目を向けてきた。何かに気づいたのか?
「どうした?」
「明日、なんですけど……」
「うん?」
「クローさんと一緒に、祭りをまわりたいなぁ、なんて……」
「トレブルとブーストじゃ物足りなかったのか?」
「あっ、いや、そ、そういうわけじゃないんですけど……」
「?」
俺はシヒロを見ながらきょとんとする。そんな俺を見て、なぜかトレブルとブーストが解せないといった表情を浮かべる。
「ダンナ」
「マジでわからねえの?」
コイツらは何のことを言っているんだ? 俺にはさっぱりわからないぞ。
「は?」
「ダンナ。マジか……」
「嬢ちゃん、頑張れよ。おれたちは嬢ちゃんを応援してるぜ」
またしても二人は意味のわからないことを口にした。
「ぼ、ぼく、ちょっと水のおかわりを取ってきます!」
どういうわけか急にシヒロは逃げるように席を外した。
「なんなんだ? みんなどうした?」
俺は再びキョトンとする。
「ダンナ……」
「嬢ちゃんの道のりは険しいぜこりゃあ……」
二人はグラスを置いてハァーッとため息をついた。
やっぱり俺には全然わからない。
「ダンナも飲もうぜぇ」
「そうだぜダンナぁ」
二人は陽気にジョッキを口に運ぶ。
「クローさんは、どうでしたか?」
隣でシヒロは水の入ったグラスに口をつけながら言った。
「シヒロ。お前は何か妙な気配は感じなかったか?」
「えっ? あっ! それが、ハッキリとはわからなかったんですが、何者かの気配というか、感じました。でも夕方には、どこかへいなくなったのか何も感じられませんでした。クローさんもなんですか?」
「なるほど。シヒロのそれと完全に一致するな。俺はさっきその気配の張本人と会って話してきた」
「えっ?」
「オイ酔っ払い二人」
俺はトレブルとブーストに呼びかける。
「ダンナ?」
「なんだぁ?」
「背の低い女の魔術師…いや、背の低い魔族の女魔術師といって、なにか思い浮かぶヤツはいるか?」
「藪から棒になんだぁ? ダンナ」
「背の低い、魔族の女魔術師っつったか? ダンナ」
「そうだ。〔フリーダム〕に限らず、お前らのようなゴロツキの間で知られてるヤツでも何でも構わない」
「はあ。んなこと言われても、たったそれだけの情報じゃなぁ。他に何か特徴はわからねえのか? 顔とか武器とか」
「わからない」
「それじゃあどうしようもねえなぁ」
当然の回答だ。情報があまりに薄すぎる。たとえ名探偵でも無理な注文だろう。
俺は腕を組み、もう一度、公園でのヤツとの邂逅を思い浮かべる。しかし、それ以上はなにも出てこない。
「あ、あの、クローさん」
シヒロがもじもじしながら何かを言いたそうな上目を向けてきた。何かに気づいたのか?
「どうした?」
「明日、なんですけど……」
「うん?」
「クローさんと一緒に、祭りをまわりたいなぁ、なんて……」
「トレブルとブーストじゃ物足りなかったのか?」
「あっ、いや、そ、そういうわけじゃないんですけど……」
「?」
俺はシヒロを見ながらきょとんとする。そんな俺を見て、なぜかトレブルとブーストが解せないといった表情を浮かべる。
「ダンナ」
「マジでわからねえの?」
コイツらは何のことを言っているんだ? 俺にはさっぱりわからないぞ。
「は?」
「ダンナ。マジか……」
「嬢ちゃん、頑張れよ。おれたちは嬢ちゃんを応援してるぜ」
またしても二人は意味のわからないことを口にした。
「ぼ、ぼく、ちょっと水のおかわりを取ってきます!」
どういうわけか急にシヒロは逃げるように席を外した。
「なんなんだ? みんなどうした?」
俺は再びキョトンとする。
「ダンナ……」
「嬢ちゃんの道のりは険しいぜこりゃあ……」
二人はグラスを置いてハァーッとため息をついた。
やっぱり俺には全然わからない。
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