第78話

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ここはウエスの森の町の中にある鉱山。

フィーネたち、イブたち、リリィたち、それぞれに強敵と戦い。坑道を先へと急いでいた。

イブ、ゴブロー、ホウオウの三人が小部屋に辿り着いた。背後には三本の道。どうやらここで合流しているらしい。イブたちは他の二班を待つことにした。

「この先に禍々しい気配を感じるな。」
イブが身震いしながら言う。
「恐らくは、ライジンでしょうね。」
ホウオウがつぶやく。
「今度こそやっつけてやるぜ。」
ゴブローが肩を回しながら言う。

少し間をおいて、今度はリリィたちがやって来た。

「イブ!良かった無事で。」
リリィがイブに抱きつく。
「わたくしは、イブなら大丈夫と思ってましたよ。」
イブたちの周りをぱたぱたと飛び回りながらアイリスが言う。
「おいらは、ちょっと疲れたから後は皆んなに任せるぞ。」
ハクは、まだダメージが残っているようだ。

話していると、最後にフィーネたちがやって来た。
「フィーネ!」
リリィが抱きつく。
「皆んな無事ね。」
リリィの頭を撫でながら、フィーネは皆んなの顔を見た。
「姉さん!良かった。」
スザクはホウオウを抱きしめる。
「私は死なないわよ。」
ホウオウはスザクの肩を叩いた。
「とにかく皆んなまた会えて良かった。」
オルガが安堵の声で言う。

「さあ、みんな。準備はいい?奥に行きましょう!」
フィーネを先頭に坑道を更に奥へ向かう。
しばらく進むと、身体中がビリビリと痺れる感覚が...そして、身体を頭から押し付けられるような重苦しく禍々しい澱んだ空気が押し寄せて来た。
「来るぞ......!」
ゴブローが大剣を構える。
他の皆んなも戦闘態勢になる。

天井の高い広い部屋の真ん中にライジンはいた。
身体は大きくなり、両手に刀を持っている。眼はゲンブと同じように狂気と殺気に満ちた真っ赤な眼。その身体から放たれる圧は、以前とは比べ物にならない。

「待っていたぞ。エルフとその仲間。」
腹に響くような低い声。威圧感で後退りしそうになる。

「ライジン。王女を返しなさい。無事に返せば命は取らない。」
フィーネが低い声で言う。

「何を言うか?リリィを私に寄越すのだ。そうすれば、皆殺しにはしない。」
ライジンが身体から放電しながら剣を構える。

「交渉の余地は無さそうだな。」
オルガが言う。

「防御せよ、バリア!」
アイリスとイブが同時に防御魔法を唱える。

「行くぞ!」
ゴブロー、スザク、ホウオウの三人が同時にライジンに斬りかかる。

キンッキンッキンッ!

あっさりと弾き返されてしまった。

「ライトニングドラゴン!」
フィーネとリリィが同時に光の竜を放つ。
ライジンの左右から襲い掛かるが、ダメージは少ないようだ。

「雷神剣!」
雷がビリビリと音を立てる。それは剣に絡みつくように舞い、両手の剣に雷を纏わせ、フィーネたちを襲う。

「うわー!」
フィーネたちをいっぺんに薙ぎ倒すほどの威力。バリアでも防ぎ切れない。

「お前たちの力はこんなものか!」
両手の剣を交差させ、その交点に雷が集中する。

「これは...まずいわ!」
フィーネが防御姿勢をとる。

「サンダーフラッシュ!!」
雷の束がフィーネを襲う!

バリバリバリッ!

「くっ、あーっ!」
フィーネの身体が吹き飛び、壁に激突した。フィーネは雷のダメージで直ぐに立ち上がれない。

「おいらに任せろ!水流の舞・水刃!無双!」
無数の水の刃がライジンを襲う。

ライジンは防ごうとするが防ぎ切れない。身体に無数の傷が刻み込まれて行く。
「流石は龍神。なかなかやるな。」
ライジンが反撃の構えを見せる。
「させるか!」
オルガ、ゴブロー、スザク、ホウオウの四人がかりで斬りかかる。

ザンッ!

ホウオウの一撃が、ライジンの右肩から左の脇腹までを切り裂いた。
ライジンの身体からドス黒い血が吹き出す。
「人間如きに傷をつけられるとは!」
次の瞬間、傷口は綺麗に塞がった。

「傷が...治った!?」
ホウオウは落胆の声を上げる。

「まだまだ!水流の舞・水刃無双!」
休む間も無くハクが技を繰り出す。

ザンッザンッ!
ライジンの両手首を切り落とした!
雷神剣も飛ばされた。

「やった!」
ハクが喜んだのも一瞬。
肉が蠢き骨が軋むような音が響き、新しい両手が生えてきた。

「まったく、面倒くさいわね。」
フィーネが立ち上がる。
「殴り合いと行きましょうか?」
フィーネがライジンに拳を撃ち込む。
「ぐっ、」
意外にも効いているようだ。
「雷の層が薄くなって弱まってる...?今なら拳も通る!」

「ぼくも助太刀するぞ!」
イブも拳で殴り掛かる。

目にも止まらぬ速さのパンチの応酬で砂埃が巻き上がる。

「す、凄い!」
スザクが感嘆の声を上げる。

フィーネとイブの二人がかりの攻撃にライジンも防戦一方だ。

顔面にフィーネのクリーンヒットが炸裂する。ライジンがよろけて膝をついた。

「畳み掛けるなら今だ!」
オルガ、ゴブロー、スザク、ホウオウが一斉に斬りかかる。

ゴブローの大剣がライジンの胸を貫いた。
「うおーっ!」
一気に押し込む。大剣はライジンの身体を貫通した。

「ゴブリン如きに、この俺が敗れるのか!」

ライジンは仰向けに倒れた。

「やった!」
ゴブローが右手を高々と掲げる。

「さあ、トドメを刺せ!俺は負けた!」
ライジンが言う。

「あなたにリリィは奪わせない。命は取らないわ。もう二度と私たちの前に現れないで。」
フィーネがライジンを見下ろして言った。
「俺を殺さないと後悔することになるぞ。」
「また現れたら、また倒すだけよ。」
フィーネは皆を促して先に進もうとした。


その時、

一刃の風が空を切った。

「がっ!」
ライジンの首がゴロゴロと転がった。



「あーあ、せっかくのあたしのおもちゃが台無し。」
小さな黒いリボンのような影が揺れている。
そのあどけない声は、狂気に満ちていた。



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みんなのリアクション


ここはウエスの森の町の中にある鉱山。
フィーネたち、イブたち、リリィたち、それぞれに強敵と戦い。坑道を先へと急いでいた。
イブ、ゴブロー、ホウオウの三人が小部屋に辿り着いた。背後には三本の道。どうやらここで合流しているらしい。イブたちは他の二班を待つことにした。
「この先に禍々しい気配を感じるな。」
イブが身震いしながら言う。
「恐らくは、ライジンでしょうね。」
ホウオウがつぶやく。
「今度こそやっつけてやるぜ。」
ゴブローが肩を回しながら言う。
少し間をおいて、今度はリリィたちがやって来た。
「イブ!良かった無事で。」
リリィがイブに抱きつく。
「わたくしは、イブなら大丈夫と思ってましたよ。」
イブたちの周りをぱたぱたと飛び回りながらアイリスが言う。
「おいらは、ちょっと疲れたから後は皆んなに任せるぞ。」
ハクは、まだダメージが残っているようだ。
話していると、最後にフィーネたちがやって来た。
「フィーネ!」
リリィが抱きつく。
「皆んな無事ね。」
リリィの頭を撫でながら、フィーネは皆んなの顔を見た。
「姉さん!良かった。」
スザクはホウオウを抱きしめる。
「私は死なないわよ。」
ホウオウはスザクの肩を叩いた。
「とにかく皆んなまた会えて良かった。」
オルガが安堵の声で言う。
「さあ、みんな。準備はいい?奥に行きましょう!」
フィーネを先頭に坑道を更に奥へ向かう。
しばらく進むと、身体中がビリビリと痺れる感覚が...そして、身体を頭から押し付けられるような重苦しく禍々しい澱んだ空気が押し寄せて来た。
「来るぞ......!」
ゴブローが大剣を構える。
他の皆んなも戦闘態勢になる。
天井の高い広い部屋の真ん中にライジンはいた。
身体は大きくなり、両手に刀を持っている。眼はゲンブと同じように狂気と殺気に満ちた真っ赤な眼。その身体から放たれる圧は、以前とは比べ物にならない。
「待っていたぞ。エルフとその仲間。」
腹に響くような低い声。威圧感で後退りしそうになる。
「ライジン。王女を返しなさい。無事に返せば命は取らない。」
フィーネが低い声で言う。
「何を言うか?リリィを私に寄越すのだ。そうすれば、皆殺しにはしない。」
ライジンが身体から放電しながら剣を構える。
「交渉の余地は無さそうだな。」
オルガが言う。
「防御せよ、バリア!」
アイリスとイブが同時に防御魔法を唱える。
「行くぞ!」
ゴブロー、スザク、ホウオウの三人が同時にライジンに斬りかかる。
キンッキンッキンッ!
あっさりと弾き返されてしまった。
「ライトニングドラゴン!」
フィーネとリリィが同時に光の竜を放つ。
ライジンの左右から襲い掛かるが、ダメージは少ないようだ。
「雷神剣!」
雷がビリビリと音を立てる。それは剣に絡みつくように舞い、両手の剣に雷を纏わせ、フィーネたちを襲う。
「うわー!」
フィーネたちをいっぺんに薙ぎ倒すほどの威力。バリアでも防ぎ切れない。
「お前たちの力はこんなものか!」
両手の剣を交差させ、その交点に雷が集中する。
「これは...まずいわ!」
フィーネが防御姿勢をとる。
「サンダーフラッシュ!!」
雷の束がフィーネを襲う!
バリバリバリッ!
「くっ、あーっ!」
フィーネの身体が吹き飛び、壁に激突した。フィーネは雷のダメージで直ぐに立ち上がれない。
「おいらに任せろ!水流の舞・水刃!無双!」
無数の水の刃がライジンを襲う。
ライジンは防ごうとするが防ぎ切れない。身体に無数の傷が刻み込まれて行く。
「流石は龍神。なかなかやるな。」
ライジンが反撃の構えを見せる。
「させるか!」
オルガ、ゴブロー、スザク、ホウオウの四人がかりで斬りかかる。
ザンッ!
ホウオウの一撃が、ライジンの右肩から左の脇腹までを切り裂いた。
ライジンの身体からドス黒い血が吹き出す。
「人間如きに傷をつけられるとは!」
次の瞬間、傷口は綺麗に塞がった。
「傷が...治った!?」
ホウオウは落胆の声を上げる。
「まだまだ!水流の舞・水刃無双!」
休む間も無くハクが技を繰り出す。
ザンッザンッ!
ライジンの両手首を切り落とした!
雷神剣も飛ばされた。
「やった!」
ハクが喜んだのも一瞬。
肉が蠢き骨が軋むような音が響き、新しい両手が生えてきた。
「まったく、面倒くさいわね。」
フィーネが立ち上がる。
「殴り合いと行きましょうか?」
フィーネがライジンに拳を撃ち込む。
「ぐっ、」
意外にも効いているようだ。
「雷の層が薄くなって弱まってる...?今なら拳も通る!」
「ぼくも助太刀するぞ!」
イブも拳で殴り掛かる。
目にも止まらぬ速さのパンチの応酬で砂埃が巻き上がる。
「す、凄い!」
スザクが感嘆の声を上げる。
フィーネとイブの二人がかりの攻撃にライジンも防戦一方だ。
顔面にフィーネのクリーンヒットが炸裂する。ライジンがよろけて膝をついた。
「畳み掛けるなら今だ!」
オルガ、ゴブロー、スザク、ホウオウが一斉に斬りかかる。
ゴブローの大剣がライジンの胸を貫いた。
「うおーっ!」
一気に押し込む。大剣はライジンの身体を貫通した。
「ゴブリン如きに、この俺が敗れるのか!」
ライジンは仰向けに倒れた。
「やった!」
ゴブローが右手を高々と掲げる。
「さあ、トドメを刺せ!俺は負けた!」
ライジンが言う。
「あなたにリリィは奪わせない。命は取らないわ。もう二度と私たちの前に現れないで。」
フィーネがライジンを見下ろして言った。
「俺を殺さないと後悔することになるぞ。」
「また現れたら、また倒すだけよ。」
フィーネは皆を促して先に進もうとした。
その時、
一刃の風が空を切った。
「がっ!」
ライジンの首がゴロゴロと転がった。
「あーあ、せっかくのあたしのおもちゃが台無し。」
小さな黒いリボンのような影が揺れている。
そのあどけない声は、狂気に満ちていた。