片想
ー/ー 俺があの娘を一人の女の子として意識し始めたのは、いつくらいだったんだろうか?

幽霊だった頃から?
生き返って事務所を離れてる頃?
記憶を取り戻して、また3人で仕事をし始めた頃?
正直な所良く解らない………生き返ってからの期間の方が短いからやっぱり幽霊の頃から感じる物でもあったんだろうか?
ただ、死津喪比女の時に彼女が消えそうになった時、生き返って体を霊団に体を奪われそうに時は、本気で身を引き裂かれるような思いがした。
あの娘を失いたくない。
絶対に守りたい。
本気でそうに思った……
残念ながら、殆んど役には立てなかったが…………
『氷室絹』
純心、清楚、可憐を絵に描いたような和風美少女。腰まで届く青髪が特徴で、神秘的なイメージのある巫女服が良く似合っていた。
性格は真面目で世話好き、誰にでも優しくて良く気も付く。喋り方がやや間延びしていて、それが何となくほんわかした雰囲気を醸し出して、周りを和ませるのも彼女の優しさ故だろうか?
少し天然な所があり、たまに場の空気も読まないような発言もするけど、それも引っ括めて彼女の魅力のような気がした。
あの娘が笑うだけで場が和んで皆いい気分になる。接した人間(人外も割といたが……)に彼女を悪く言う者はいないだろう。
自分より他人を優先(自分から人柱に志願したくらいだから、ある意味当然か……)してしまう所もあるが、それが他者の庇護欲を掻き立てる。
俺もその一人……その一人“だった”…………
「彼女を守りたい」そんな想いが、彼女への恋心に変わるまで
、そう時間は掛からなかったように思う。
……まぁ、あくまで以前の話なんだが…………
出会いこそ最悪(あの娘は俺を地縛から逃れる為に俺を殺そうとしたし、俺はトチ狂っていたとはいえあの娘を押し倒して………ドサクサに紛れて無かった事“?”になってたけど、とんでもねぇガールミーツボーイだったな凹凹凹)だったけど、あの娘は日頃から俺に良く世話を焼いてくれた。
悪いから(見られたくない物が多いのもある)と断ってるのにちょくちょく部屋に来て掃除してくれたり、安月給で食い詰めてる時は甲斐甲斐しく食事を用意してくれた。これだけでも十分感謝に値する。
でも本当に感謝してるのは、俺が駄目になりそうな時は常に寄り添って励ましたり、叱ったりしてくれた事。
GS試験の時、皆が諦めてる所をしていた一人だけ俺を信じて励ましてくれた。
香港で、まともな連携も取れずバラバラになってた俺達にまとめて喝を入れてくれた。
妙神山の修業で諦めそうになってた時に、夢の中でだが背中を押してくれたのもあの娘だ。
俺みたいなグズが、何とか逃げずにやってこれたのは、あの娘が傍に居てくれたお陰なんだ。あの娘には、感謝してもしきれない。
いつか、してくれて事に報いたい。報いなきゃいけない。そんな風にずっと考えてた。確かに、そう考えていたんだよ……
そして、それが釣り合わない恋と言うのも、始めから解っていた………
彼女は300年もの間人柱として孤独に過ごし、それでも優しさを失わずに悪霊化することもなかった。(俺を身代わりに殺そうとしたことはこの際置いとく……)
300年……300年その地に縛られて過ごすってどんな気分なんだ?
考えるだけで馬鹿らしい……他人が想像なんて、出来るわけ無い。
俺がそうなったら、300年耐えれるか?
…………不可能だな。数年も経たず発狂して、悪霊化するのが関の山だ。んでもって人に害なす存在として、ただ除霊される。
仕方ない……解ってる。
そもそも、彼女と俺じゃ心の持ちようが違い過ぎる。
今より厳しい時代に生まれて、周りの人を守るために自ら人身御供に志願した心優しい少女。
方や物の溢れた時代に、人生にこれと言ったの目標も無くただ流されるように生きてるだけの俺……
他人の為に命を掛ける人間と、自分のことすら満足に出来ない人間なんて比べるだけで烏滸がましいよな…………
そして、様々な困難を越えて生き返った今では世界で4人しかいないネクロマンサーの一角に名を連ねている。
もぅ、生まれからして運命的なものを感じてる。彼女が幽霊の時にはよく一緒に雑用したもんだけど、大きな宿命を背負った人間のたまたま側にいた民間人Aとか、その程度の存在なんだろな俺って……
そんな、どうしょうもない俺だ。
結論だけ言えば、俺はあの娘に報いる事なんて出来なかった。それ所か、あの娘を傷つけて泣かした…………理由は……余りにも身勝手で、下らなすぎるから語りたくない。
そして、あれ以上事務所にも居られないと思って、逃げるように辞めた。
あの娘は、あんなに支えてくれたのに…………
……………最低の糞野郎……それが俺だ。
何がいけなかった?
“あの娘を守りたい”
本気でそう思ってた筈なんだ……
……………………………………いや、理由なんて始めから解ってる。
さっきも言ったが、俺は結局自分の事しか考えてなかったんだ。
自分の糞具合に、吐き気がしてくる……
◇◇◇
事務所を辞めて、大体半年が過ぎた……今、俺は雪之丞に誘われて、新たな事務所で働いてる。美神除霊事務所とはあれから全く連絡を取ってないし、これから取ることも無いだろう。
折角取得したGS免許も事務所を辞めた事で失効しちまった。(書類上の)上司となった雪之丞の下で、新たに取り直さないといけない。
全て“一からやり直し”と言うやつだ。
大変だが、そんなことはどうでもいい。グズで半端な俺は、これくらいしなきゃ踏み出せないだろう。
今の俺をあの娘はどう思うかな……?
いや、全て終わった事だ……そんな思考無意味だな…………
彼女は今どうしてるだろう?
本当に、悪い事をしちまったよな……悔んでも、悔やみきれない。俺の事なんて、とっと忘れて以前のように笑っていて欲しいけど……
もう、それを願う資格も俺には無い。そんな風に思う……

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俺があの娘を一人の女の子として意識し始めたのは、いつくらいだったんだろうか?
幽霊だった頃から?
生き返って事務所を離れてる頃?
記憶を取り戻して、また3人で仕事をし始めた頃?
正直な所良く解らない………生き返ってからの期間の方が短いからやっぱり幽霊の頃から感じる物でもあったんだろうか?
ただ、死津喪比女の時に彼女が消えそうになった時、生き返って体を霊団に体を奪われそうに時は、本気で身を引き裂かれるような思いがした。
あの娘を失いたくない。
絶対に守りたい。
本気でそうに思った……
残念ながら、殆んど役には立てなかったが…………
『氷室絹』
純心、清楚、可憐を絵に描いたような和風美少女。腰まで届く青髪が特徴で、神秘的なイメージのある巫女服が良く似合っていた。
性格は真面目で世話好き、誰にでも優しくて良く気も付く。喋り方がやや間延びしていて、それが何となくほんわかした雰囲気を醸し出して、周りを和ませるのも彼女の優しさ故だろうか?
少し天然な所があり、たまに場の空気も読まないような発言もするけど、それも引っ括めて彼女の魅力のような気がした。
あの娘が笑うだけで場が和んで皆いい気分になる。接した人間(人外も割といたが……)に彼女を悪く言う者はいないだろう。
自分より他人を優先(自分から人柱に志願したくらいだから、ある意味当然か……)してしまう所もあるが、それが他者の庇護欲を掻き立てる。
俺もその一人……その一人“だった”…………
「彼女を守りたい」そんな想いが、彼女への恋心に変わるまで
、そう時間は掛からなかったように思う。
……まぁ、|あくまで《・・・・》以前の話なんだが…………
出会いこそ最悪(あの娘は俺を地縛から逃れる為に俺を殺そうとしたし、俺はトチ狂っていたとはいえあの娘を押し倒して………ドサクサに紛れて無かった事“?”になってたけど、とんでもねぇガールミーツボーイだったな凹凹凹)だったけど、あの娘は日頃から俺に良く世話を焼いてくれた。
悪いから(見られたくない物が多いのもある)と断ってるのにちょくちょく部屋に来て掃除してくれたり、安月給で食い詰めてる時は甲斐甲斐しく食事を用意してくれた。これだけでも十分感謝に値する。
でも本当に感謝してるのは、俺が駄目になりそうな時は常に寄り添って励ましたり、叱ったりしてくれた事。
GS試験の時、皆が諦めてる所をしていた一人だけ俺を信じて励ましてくれた。
香港で、まともな連携も取れずバラバラになってた俺達にまとめて喝を入れてくれた。
妙神山の修業で諦めそうになってた時に、夢の中でだが背中を押してくれたのもあの娘だ。
俺みたいなグズが、何とか逃げずにやってこれたのは、あの娘が傍に居てくれたお陰なんだ。あの娘には、感謝してもしきれない。
いつか、してくれて事に報いたい。報いなきゃいけない。そんな風にずっと考えてた。確かに、そう考えていたんだよ……
そして、それが釣り合わない恋と言うのも、始めから解っていた………
彼女は300年もの間人柱として孤独に過ごし、それでも優しさを失わずに悪霊化することもなかった。(俺を身代わりに殺そうとしたことはこの際置いとく……)
300年……300年その地に縛られて過ごすってどんな気分なんだ?
考えるだけで馬鹿らしい……他人が想像なんて、出来るわけ無い。
俺がそうなったら、300年耐えれるか?
…………不可能だな。数年も経たず発狂して、悪霊化するのが関の山だ。んでもって人に害なす存在として、ただ除霊される。
仕方ない……解ってる。
そもそも、彼女と俺じゃ心の持ちようが違い過ぎる。
今より厳しい時代に生まれて、周りの人を守るために自ら人身御供に志願した心優しい少女。
方や物の溢れた時代に、人生にこれと言ったの目標も無くただ流されるように生きてるだけの俺……
他人の為に命を掛ける人間と、自分のことすら満足に出来ない人間なんて比べるだけで烏滸がましいよな…………
そして、様々な困難を越えて生き返った今では世界で4人しかいないネクロマンサーの一角に名を連ねている。
もぅ、生まれからして運命的なものを感じてる。彼女が幽霊の時にはよく一緒に雑用したもんだけど、大きな宿命を背負った人間のたまたま側にいた民間人Aとか、その程度の存在なんだろな俺って……
そんな、どうしょうもない俺だ。
結論だけ言えば、俺はあの娘に報いる事なんて出来なかった。それ所か、あの娘を傷つけて泣かした…………理由は……余りにも身勝手で、下らなすぎるから語りたくない。
そして、あれ以上事務所にも居られないと思って、逃げるように辞めた。
あの娘は、あんなに支えてくれたのに…………
……………最低の糞野郎……それが俺だ。
何がいけなかった?
“あの娘を守りたい”
本気でそう思ってた筈なんだ……
……………………………………いや、理由なんて始めから解ってる。
さっきも言ったが、俺は結局自分の事しか考えてなかったんだ。
自分の糞具合に、吐き気がしてくる……
◇◇◇
事務所を辞めて、大体半年が過ぎた……今、俺は雪之丞に誘われて、新たな事務所で働いてる。美神除霊事務所とはあれから全く連絡を取ってないし、これから取ることも無いだろう。
折角取得したGS免許も事務所を辞めた事で失効しちまった。(書類上の)上司となった雪之丞の下で、新たに取り直さないといけない。
全て“一からやり直し”と言うやつだ。
大変だが、そんなことはどうでもいい。グズで半端な俺は、これくらいしなきゃ踏み出せないだろう。
今の俺をあの娘はどう思うかな……?
いや、全て終わった事だ……そんな思考無意味だな…………
彼女は今どうしてるだろう?
本当に、悪い事をしちまったよな……悔んでも、悔やみきれない。俺の事なんて、とっと忘れて以前のように笑っていて欲しいけど……
もう、それを願う資格も俺には無い。そんな風に思う……