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第5話 運命の人

ー/ー



 橘さんと、次会う時っていつなんだろう、と、よくわからないまま数日が経った。

 陽介からはあの日以来連絡はなくなった。
 ふと思い出が蘇って少し苦しくなったりしたけど、やっぱり戻る気はなかった。

 久々に、フリーになった。
 誰にも縛られない生活。

 自由なのか孤独なのか──

 仕事から家に帰って、テレビを見ながらぼーっと考えてた。

 その時、スマホに着信があった。
 橘さんからだった。

「はい!」
『今から車でそっち行こうと思うんだけど…いい?連れて行きたいところがあって』
「どこですか?」
『神谷さんの新しい家』
「え、もう見つけたんですか?」

 あの時橘さんが"なんとかする"って言ってたけど、本当に何とかしてくれたのか…
 その場限りの幻ではなかった事を、ありがたく感じていた。
 私は自分の家の住所を教えた。

 ──

 暫くしたらまた電話がかかってきた。

『今から出てこれる?』

 私は足早に家を出た。
 家の近くに人影があった。
 橘さんだった。

「こんばんは!」
「お疲れ」

 優しい顔に安心した。

「こっちに車あるから」

 橘さんに付いていったら白い車があった。
 高級車…
 橘さんのいでたちといい、結構お金持ちな人なのかな…。

 橘さんの会社は業界の大手で、そんな企業のマネージャーともなると凄い年収なんだろうなと、色々考えていた。

「中に入って」

 私は恐る恐る助手席に座った。
 橘さんも運転席に座った。

「神谷さん」
「はい!」
「会いたかった」

 会いたかったって…
 私達、まだ出会ったばかりで、恋とかそういうのじゃなくて、あの夜に重なっただけの、仕事の取引相手…

 でも、たったそれだけのきっかけなのに、なぜか、その言葉にドキドキしてしまってる自分がいた。

 そのまま車で連れて行かれたのは、高級マンションだった。

「え…ここは…?」
「神谷さんの新しい家」
「え!?こんな高そうなところ??」

 私の年収じゃ住めない!

「無理ですよこんな立派なところは」
「大丈夫だよ」

 何が??

「とにかく付いてきて」

 マンションのオートロックが開いて、そのまま付いてくとエレベーターがあった。
 エレベーターに乗ったら7階で止まった。

 7階って…高いよね、家賃。

 橘さんは、マンションの一室の玄関のドアを開けた。

「ここ」

 私は恐る恐る見た。

 ピカピカの内装…
 しっかりした作り…

 橘さんはそのまま靴を脱いで中に入った。
 私も靴を脱いで、部屋をちらっと見たりした。

 理想的な部屋だな…。

 その時橘さんが部屋の窓の外を見ていた。
 私も隣に行ったら、すごい綺麗な夜景が広がっていた。

「わぁ…綺麗ですね」

 こんな素敵な夜景も見られるのか…。

「気に入った?」
「はい…でも私の給料じゃちょっと…」
「ここ、俺のマンションなの」
「はい?」
「正確には親のだったけど、もらったんだよね」

 びっくりして何も言えなかった。
 とんでもない金持ちだ…

「だから、家賃とか気にしないで住んでていいよ。俺は最上階に住んでるから、なんかあったら来ていいよ」
「同じマンション!?」

 いきなりそんな身近な場所に!!
 階は違うけど…

「そんな…まだ出会ったばかりなのに、こんなに良くしてもらって…。お気持ちは嬉しいんですけど、まだ心が追いつかなくて」
「俺がここにいて欲しいの。それじゃダメ?」

 え?

「それは、どうしてですか?」

 橘さんの謎めいた笑みに混乱する。

「神谷さんが欲しいから」
「欲しい??」

 どういう事?

「わかったんだよあの時」
「え?」
「俺が探していたのは君だって」

 探していた…?

「よくわからないんてすが」
「わからなくていい。あの日、君と会ったのは運命だと思っている」

 運命…?

「俺に委ねて。何もかも」

 私は結局、橘さんの言ってる事がよくわからないまま自宅に帰された。

「引っ越しの準備、早くしてね」

 紳士の笑顔で去っていった。

 あの人は一体何なんだ…

 何で私をそんなに特別視するかわからないけど…とりあえず引っ越しはしてみる事にした。



次のエピソードへ進む 第6話 意地悪


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 橘さんと、次会う時っていつなんだろう、と、よくわからないまま数日が経った。
 陽介からはあの日以来連絡はなくなった。
 ふと思い出が蘇って少し苦しくなったりしたけど、やっぱり戻る気はなかった。
 久々に、フリーになった。
 誰にも縛られない生活。
 自由なのか孤独なのか──
 仕事から家に帰って、テレビを見ながらぼーっと考えてた。
 その時、スマホに着信があった。
 橘さんからだった。
「はい!」
『今から車でそっち行こうと思うんだけど…いい?連れて行きたいところがあって』
「どこですか?」
『神谷さんの新しい家』
「え、もう見つけたんですか?」
 あの時橘さんが"なんとかする"って言ってたけど、本当に何とかしてくれたのか…
 その場限りの幻ではなかった事を、ありがたく感じていた。
 私は自分の家の住所を教えた。
 ──
 暫くしたらまた電話がかかってきた。
『今から出てこれる?』
 私は足早に家を出た。
 家の近くに人影があった。
 橘さんだった。
「こんばんは!」
「お疲れ」
 優しい顔に安心した。
「こっちに車あるから」
 橘さんに付いていったら白い車があった。
 高級車…
 橘さんのいでたちといい、結構お金持ちな人なのかな…。
 橘さんの会社は業界の大手で、そんな企業のマネージャーともなると凄い年収なんだろうなと、色々考えていた。
「中に入って」
 私は恐る恐る助手席に座った。
 橘さんも運転席に座った。
「神谷さん」
「はい!」
「会いたかった」
 会いたかったって…
 私達、まだ出会ったばかりで、恋とかそういうのじゃなくて、あの夜に重なっただけの、仕事の取引相手…
 でも、たったそれだけのきっかけなのに、なぜか、その言葉にドキドキしてしまってる自分がいた。
 そのまま車で連れて行かれたのは、高級マンションだった。
「え…ここは…?」
「神谷さんの新しい家」
「え!?こんな高そうなところ??」
 私の年収じゃ住めない!
「無理ですよこんな立派なところは」
「大丈夫だよ」
 何が??
「とにかく付いてきて」
 マンションのオートロックが開いて、そのまま付いてくとエレベーターがあった。
 エレベーターに乗ったら7階で止まった。
 7階って…高いよね、家賃。
 橘さんは、マンションの一室の玄関のドアを開けた。
「ここ」
 私は恐る恐る見た。
 ピカピカの内装…
 しっかりした作り…
 橘さんはそのまま靴を脱いで中に入った。
 私も靴を脱いで、部屋をちらっと見たりした。
 理想的な部屋だな…。
 その時橘さんが部屋の窓の外を見ていた。
 私も隣に行ったら、すごい綺麗な夜景が広がっていた。
「わぁ…綺麗ですね」
 こんな素敵な夜景も見られるのか…。
「気に入った?」
「はい…でも私の給料じゃちょっと…」
「ここ、俺のマンションなの」
「はい?」
「正確には親のだったけど、もらったんだよね」
 びっくりして何も言えなかった。
 とんでもない金持ちだ…
「だから、家賃とか気にしないで住んでていいよ。俺は最上階に住んでるから、なんかあったら来ていいよ」
「同じマンション!?」
 いきなりそんな身近な場所に!!
 階は違うけど…
「そんな…まだ出会ったばかりなのに、こんなに良くしてもらって…。お気持ちは嬉しいんですけど、まだ心が追いつかなくて」
「俺がここにいて欲しいの。それじゃダメ?」
 え?
「それは、どうしてですか?」
 橘さんの謎めいた笑みに混乱する。
「神谷さんが欲しいから」
「欲しい??」
 どういう事?
「わかったんだよあの時」
「え?」
「俺が探していたのは君だって」
 探していた…?
「よくわからないんてすが」
「わからなくていい。あの日、君と会ったのは運命だと思っている」
 運命…?
「俺に委ねて。何もかも」
 私は結局、橘さんの言ってる事がよくわからないまま自宅に帰された。
「引っ越しの準備、早くしてね」
 紳士の笑顔で去っていった。
 あの人は一体何なんだ…
 何で私をそんなに特別視するかわからないけど…とりあえず引っ越しはしてみる事にした。