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レシートに 今日の日付が二つあり
片方だけを 捨てて帰れず
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レジ横で受け取ったレシートを、私はすぐに財布へしまえなかった。どこで会計を済ませようと、必ずレシートを確認する私の癖。コンビニでもスーパーでもカフェでも。そんな私のいつもの癖をあざ笑うように、そのレシートは異質だった。
今日の日付が、記載されたものが連続で二枚。どちらもまったく同じ書体で印字されている。金額も、店名も同じ。ただ、微妙に紙の白さが違う気がした。けれど請求された金額はひとつだけ。
「印字ミスですか?」
そう聞こうとして、やめた。理由はわからない。けれど、この店の午後の静けさが、それを“間違い”として片づけるのを拒んでいる気がした。
席についてコーヒーを飲む。湯気の向こうで、時間が少しだけ緩む。私はレシートを二つに裂いてテーブルに並べた。
片方は、今日をちゃんと生きた私のもの。
もう片方は――生きなかった今日。電話をかけなかった私。あの交差点を曲がらなかった私。声をあげられかなった私。
どちらか一枚を捨てれば、残った今日が確定する。そんな確信があった。
だが、指が動かない。確定させるほど、私は今日を信用していなかった。
店を出ると、夕方の光が少しだけ眩しい。結局、二枚とも財布に入れた。
夜、家でふたつのレシートを見返すと、片方は白紙になっていた。
捨てられなかった今日は、静かに、消えていた。
*日記風雑感*
レシートを捨てられない人は結構いそうな気がしますね。私はとりあえず会計の時に確認して、その後1週間くらいしたら適宜サヨウナラしてます。
財布がパツパツになる前に……。
うっかりすると、中身よりレシートの厚みが。
ときどき、古いレシートを発掘して、そこのお店独自の「ひとこと」のようなものを印字されてるのを発見することがあります。
時間の向こうからよみがえる、静かな声を、すくいあげることはできるのかなあ。
さて、レシート印字面を使ってメガネ拭こうかな。