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第49話 参道

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 桐子と悠木が並んで参道の階段を歩いていた。そのすぐ後に、佐藤恵子と川本サキが付き添った。

 桐子は和服で悠木は裃。恵子とサキは防空隊の礼装だった。

「私たちもここから先に入ってよいのでしょうか?」と恵子。

「もちろんだ。あなたたちには、悠木の付添として来てもらったのだから」と桐子。

「私たちは魔女ですが、よろしいのでしょうか?」とサキ。

「もちろんかまわない。そんなことを言えば、悠木なんて魔女の元締めだ」と桐子。

「この人がいいって言うんだからいいんだよ」と悠木。「この人のお宮だから」

「お前は三度目のはずだ。ここに入るのは」と桐子。

「初めてだよ」と悠木。

「前もここに来たと聞いているが」と桐子。

「それは嘘だな。誰から聞いたんだ?」と悠木。「一度目はゲート戦の直後で門前払いだったよ。正装をしてないからってな。二度目は一次防衛戦のさなかで、作戦の打ち合わせとかの名目で呼び出されたときだ。どこかの小汚い小屋で待たされたよ。あげくに偉い人の急用で会議がキャンセルになったと聞いた」

「二度ともちゃんと応対したと聞いた」と桐子。「おまえから辞退して帰ったと」

「その話を信じたのか?」と悠木。

「ああ」と桐子。

「ここの神々はクズだな」と悠木。

「すまなかった」と桐子。

「随分長い参道ですね」と恵子。

「もう少しだ」と桐子。

「この先にお宮があるのでしょうか?」とサキ。

「そうだ。奥之宮がある」と桐子。「そこで祀りをする」

「どのような祀りでしょうか?」と恵子。

「この子を神にする」と桐子。

「え?」とサキ。「艦長が神様になるのですか?」

「そうだ」と桐子。「あなたたちには付添い兼証人になってもらう」

「そんな大事な役目が、私たちに務まるでしょうか?」と恵子。

「大丈夫だ」と桐子。「悠木が逃げ出さないように見張っておいてくれ」

「今日は逃げないよ」と悠木。「約束だから」

「ならいい」と桐子。

「このお宮はずいぶん古いようですね」と恵子。「由緒正しいのでしょうか」

「そうだ。奥之宮は特別な場所だ」と桐子。

「一般には知らされていないんだ」と悠木。「特に奥之宮はね」

「神が降りる場所、つまりゲートの所在地の一つだ」と桐子。

「このお宮の神様につながるゲートでしょうか」とサキ。

「そうだ」と桐子。「ここで新しい神様のお披露目をする」

「奥之宮の御祭神は誰なのですか?」と恵子。

国生(くにうみ)之大神だ」と桐子。

「え!」と恵子。「そんな偉い神様に認めてもらえるということですか?」

「まあ、そうだ」と桐子。

「艦長、すごいですね!」とサキ。

「この人が国生之大神だよ」と悠木。

「えー!」とサキと恵子。



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 桐子と悠木が並んで参道の階段を歩いていた。そのすぐ後に、佐藤恵子と川本サキが付き添った。
 桐子は和服で悠木は裃。恵子とサキは防空隊の礼装だった。
「私たちもここから先に入ってよいのでしょうか?」と恵子。
「もちろんだ。あなたたちには、悠木の付添として来てもらったのだから」と桐子。
「私たちは魔女ですが、よろしいのでしょうか?」とサキ。
「もちろんかまわない。そんなことを言えば、悠木なんて魔女の元締めだ」と桐子。
「この人がいいって言うんだからいいんだよ」と悠木。「この人のお宮だから」
「お前は三度目のはずだ。ここに入るのは」と桐子。
「初めてだよ」と悠木。
「前もここに来たと聞いているが」と桐子。
「それは嘘だな。誰から聞いたんだ?」と悠木。「一度目はゲート戦の直後で門前払いだったよ。正装をしてないからってな。二度目は一次防衛戦のさなかで、作戦の打ち合わせとかの名目で呼び出されたときだ。どこかの小汚い小屋で待たされたよ。あげくに偉い人の急用で会議がキャンセルになったと聞いた」
「二度ともちゃんと応対したと聞いた」と桐子。「おまえから辞退して帰ったと」
「その話を信じたのか?」と悠木。
「ああ」と桐子。
「ここの神々はクズだな」と悠木。
「すまなかった」と桐子。
「随分長い参道ですね」と恵子。
「もう少しだ」と桐子。
「この先にお宮があるのでしょうか?」とサキ。
「そうだ。奥之宮がある」と桐子。「そこで祀りをする」
「どのような祀りでしょうか?」と恵子。
「この子を神にする」と桐子。
「え?」とサキ。「艦長が神様になるのですか?」
「そうだ」と桐子。「あなたたちには付添い兼証人になってもらう」
「そんな大事な役目が、私たちに務まるでしょうか?」と恵子。
「大丈夫だ」と桐子。「悠木が逃げ出さないように見張っておいてくれ」
「今日は逃げないよ」と悠木。「約束だから」
「ならいい」と桐子。
「このお宮はずいぶん古いようですね」と恵子。「由緒正しいのでしょうか」
「そうだ。奥之宮は特別な場所だ」と桐子。
「一般には知らされていないんだ」と悠木。「特に奥之宮はね」
「神が降りる場所、つまりゲートの所在地の一つだ」と桐子。
「このお宮の神様につながるゲートでしょうか」とサキ。
「そうだ」と桐子。「ここで新しい神様のお披露目をする」
「奥之宮の御祭神は誰なのですか?」と恵子。
「|国生《くにうみ》之大神だ」と桐子。
「え!」と恵子。「そんな偉い神様に認めてもらえるということですか?」
「まあ、そうだ」と桐子。
「艦長、すごいですね!」とサキ。
「この人が国生之大神だよ」と悠木。
「えー!」とサキと恵子。