「心と心でないものと分類……。言葉にできるもの・
形にできるもの・表現できるもの・見えないもの・ 気持ちなど、そう言うのを含む、それらより以上〔≦〕を『心』と仮定するそうよ」
舞羽は黙って頷く。美都が河に目を向けると、河は太陽を反射してキラキラと光っていた。舞羽に目を戻す。
「熊がいるとして『黒』か『白』はどちらかが間違っている。だけど『怖い』『かわいい』は、どちらも間違ってはない。『海』の絵を描く『青い』と舞羽が思う『青』とは?」
舞羽は真剣に聞く。真剣に思い描いてみる。質問の答えなんて必要ない。
「心では誰かをもし完璧にイメージできたとしても、絵心がない、言葉の表現力が及ばない、きっと写真でも伝えられない『差』が心にはあって、音や香り、そして想像までもが加味されてできている……だから心を完璧反映できるなんて不可能なのよ。だって自分自身だって分からなくなるんだから、でしょ? バラバラになりそうな『心』を『ノ』をたすき掛けで繋いで『必』にするとも言う」
美都は『自分の心が分からなくなる』なんてことがあるのだろうか? そう感じてしまうほど、言葉に力がある。確信された言葉に舞羽は力を貰う。
「それが人と人ならもっと複雑……舞羽と……誰かさん。同じものを一緒に見ていても感じ方は違うという事。相手の心はどこにあるのか、言葉や形にしたとしても、『心』以上には出来ない。だから誰かさんの『心』を手に入れるには、舞羽の『心』を伝えたいのなら、最低でも言葉くらい出してもらわないと……ねぇ?」
『ウンウン』と頷きながら、舞羽はふと気が付いた。
「……告白しろってこと?!」
「さぁ? そこまでは……」
「でも、告るにしろ、告らないにしろ……デートしてくるだけでも……楽しいじゃん!!」
「……そうだよね!」