第74話
ー/ーここはウエス城の城下町。
国王との謁見を終えたフィーネたちは、宿屋で作戦会議を開いていた。
「国王陛下の依頼だから、断るという選択肢はないわ。さて、何から手をつけるか……」
フィーネは腕組みをし、考え込む。
「あの紋章の入った布切れが、唯一の手掛かりね。あれは魔神教の印。魔神教の動きがないか聞き込みするのが近道だと思う」
スザクが言った。
「スザクの言う通り。まずは手分けして聞き込みをしましょう」
ホウオウが後押しする。
「よし!早速聞き込みを始めよう」
ゴブローはすぐにでも動きたそうにウズウズしている。
「僕の町の炭鉱に棲みついた魔物も、もしかしたら関係しているかも知れない。稲光のようなものを見た人もいるし、怪しいフードの男の目撃情報もある」
オルガが深刻な顔で言った。
「稲光に謎のフードの男か……確かに気になるな」
イブが呟く。
「じゃあ、まずは手分けして城下町の聞き込みをしましょう」
フィーネが話をまとめた。
⸻
こうして、フィーネたちは城下町を聞き込みして回った。
三日後。
「皆んな、聞き込みの結果はどうだった?」
フィーネが皆に訊ねる。
「私とハクは子供たちに話を聞いたけど、役に立ちそうな情報はなかった。エリーゼ王女は私と同じくらいの歳で、金髪の可愛い女の子だって」
リリィが申し訳なさそうに話した。
「ありがとう、リリィ、ハク。他は?」
フィーネが訊ねる。
「僕とアイリスも大した情報はなかったな。何故か僕たちが近づくと、皆逃げちゃうんだ……」
イブが悲しそうな顔で言う。
「……そりゃ、女神と妖精が近づいてきたら、普通の人は逃げるだろ……」
ゴブローがボソッと言った。
「イブ、アイリス。ありがとう。じゃあ次」
フィーネが促す。
「僕とゴブローは、魔神教の噂話を聞けた。魔神教の連中はエルドランドを根城にして勢力を拡大しているみたいだ。ノーザリアがイストリアに攻め込んだのも、裏で魔神教が絡んでいるらしい」
オルガが深刻な顔で言う。
「オルガ、ゴブロー、ありがとう」
フィーネがうなづいた。
「私とスザクも魔神教の噂を聞いたわ。魔神教は特別な血を欲しがっているみたい。女神の魂を持つ子供の血もそう。エリーゼ王女は特別な血を持っているから、拐われたのかも」
ホウオウはフウっと息を吐いた。
「ありがとう、ホウオウ、スザク。かなり有力な情報ね」
フィーネはうなづく。
「エリーゼ王女がリリィと同じように特別な血を持っているから拐われたのなら、命が危ないな」
イブが言う。
「鉱山に棲みついた魔物が、何か関係している気がするよ。勘だけど」
オルガが言った。
フィーネは少し考え、
「よし!オルガの町に行きましょう。そこでまた聞き込みをして情報収集よ」
力強く話した。
「エリーゼ王女……私が必ず助ける!」
リリィは決意を新たにした。
⸻
こうして、一行は馬車で数週間かけて鉱山の町に戻った。
町一番の店「ブルークリスタル」で英気を養い、翌日から聞き込みを開始。
二日後。
「ブルークリスタル」に集まったフィーネたちは、情報を精査した。
「リリィとおいらは、フードの男と女の子が鉱山の方に歩いていたって話を聞いたぞ」
ハクが自慢げに言う。
「ホウオウと私は、フードの男が歩いた後、体がビリビリしたっていう話を聞いたわ。男が雷の魔力を持ってるからだと思う。恐らく男の正体は……ライジン」
スザクが声を震わせながら言う。
「俺とオルガは、気になる情報を聞いた。フードの男の近くに、もう一人、図体のデカい不気味な男がいたって言うんだ。全身に火傷を負っているようだとも」
ゴブローが言う。
「全身に火傷を負った大男……まさか?ゲンブ?」
ホウオウは信じられない表情で言う。
「なるほどね。これで全体像が大分見えて来たわ。王女が囚われているのは鉱山で間違いなさそうね」
フィーネが確信を持って言った。
「そうとなれば、すぐにでも助けに行こう!」
オルガが前のめりに言う。
「その前に、紅茶を飲んで一服しましょう」
フィーネが言う。
「そうじゃな、慌てても碌な事はない」
イブも同意した。
他の皆も緊張を解き、ティータイムを楽しんだ。
⸻
その頃、鉱山の坑道の奥。
ガリガリガリッ――
岩を引っ掻く音が響く。
狂気じみた真っ赤な瞳が二つ、真っ暗な闇に光っていた。
「もう、俺には失う物は何も無い。待っているぞ」
さらにその奥。
稲光を纏った金髪の男が走る。
「特別な血を持つ王女か。魚が餌に食いついて来たら、二匹いっぺんに魔神様に献上できるな。さあ、餌に寄って来い。グハハハッ!」
フィーネたちは、罠が待ち受けていることをまだ知らず、鉱山へ向かう準備を進めていた。
鉱山の町の風は止み、静寂が訪れる。それはまるで、これから起こる嵐を声を潜めて待ち構えているかのようだった。
国王との謁見を終えたフィーネたちは、宿屋で作戦会議を開いていた。
「国王陛下の依頼だから、断るという選択肢はないわ。さて、何から手をつけるか……」
フィーネは腕組みをし、考え込む。
「あの紋章の入った布切れが、唯一の手掛かりね。あれは魔神教の印。魔神教の動きがないか聞き込みするのが近道だと思う」
スザクが言った。
「スザクの言う通り。まずは手分けして聞き込みをしましょう」
ホウオウが後押しする。
「よし!早速聞き込みを始めよう」
ゴブローはすぐにでも動きたそうにウズウズしている。
「僕の町の炭鉱に棲みついた魔物も、もしかしたら関係しているかも知れない。稲光のようなものを見た人もいるし、怪しいフードの男の目撃情報もある」
オルガが深刻な顔で言った。
「稲光に謎のフードの男か……確かに気になるな」
イブが呟く。
「じゃあ、まずは手分けして城下町の聞き込みをしましょう」
フィーネが話をまとめた。
⸻
こうして、フィーネたちは城下町を聞き込みして回った。
三日後。
「皆んな、聞き込みの結果はどうだった?」
フィーネが皆に訊ねる。
「私とハクは子供たちに話を聞いたけど、役に立ちそうな情報はなかった。エリーゼ王女は私と同じくらいの歳で、金髪の可愛い女の子だって」
リリィが申し訳なさそうに話した。
「ありがとう、リリィ、ハク。他は?」
フィーネが訊ねる。
「僕とアイリスも大した情報はなかったな。何故か僕たちが近づくと、皆逃げちゃうんだ……」
イブが悲しそうな顔で言う。
「……そりゃ、女神と妖精が近づいてきたら、普通の人は逃げるだろ……」
ゴブローがボソッと言った。
「イブ、アイリス。ありがとう。じゃあ次」
フィーネが促す。
「僕とゴブローは、魔神教の噂話を聞けた。魔神教の連中はエルドランドを根城にして勢力を拡大しているみたいだ。ノーザリアがイストリアに攻め込んだのも、裏で魔神教が絡んでいるらしい」
オルガが深刻な顔で言う。
「オルガ、ゴブロー、ありがとう」
フィーネがうなづいた。
「私とスザクも魔神教の噂を聞いたわ。魔神教は特別な血を欲しがっているみたい。女神の魂を持つ子供の血もそう。エリーゼ王女は特別な血を持っているから、拐われたのかも」
ホウオウはフウっと息を吐いた。
「ありがとう、ホウオウ、スザク。かなり有力な情報ね」
フィーネはうなづく。
「エリーゼ王女がリリィと同じように特別な血を持っているから拐われたのなら、命が危ないな」
イブが言う。
「鉱山に棲みついた魔物が、何か関係している気がするよ。勘だけど」
オルガが言った。
フィーネは少し考え、
「よし!オルガの町に行きましょう。そこでまた聞き込みをして情報収集よ」
力強く話した。
「エリーゼ王女……私が必ず助ける!」
リリィは決意を新たにした。
⸻
こうして、一行は馬車で数週間かけて鉱山の町に戻った。
町一番の店「ブルークリスタル」で英気を養い、翌日から聞き込みを開始。
二日後。
「ブルークリスタル」に集まったフィーネたちは、情報を精査した。
「リリィとおいらは、フードの男と女の子が鉱山の方に歩いていたって話を聞いたぞ」
ハクが自慢げに言う。
「ホウオウと私は、フードの男が歩いた後、体がビリビリしたっていう話を聞いたわ。男が雷の魔力を持ってるからだと思う。恐らく男の正体は……ライジン」
スザクが声を震わせながら言う。
「俺とオルガは、気になる情報を聞いた。フードの男の近くに、もう一人、図体のデカい不気味な男がいたって言うんだ。全身に火傷を負っているようだとも」
ゴブローが言う。
「全身に火傷を負った大男……まさか?ゲンブ?」
ホウオウは信じられない表情で言う。
「なるほどね。これで全体像が大分見えて来たわ。王女が囚われているのは鉱山で間違いなさそうね」
フィーネが確信を持って言った。
「そうとなれば、すぐにでも助けに行こう!」
オルガが前のめりに言う。
「その前に、紅茶を飲んで一服しましょう」
フィーネが言う。
「そうじゃな、慌てても碌な事はない」
イブも同意した。
他の皆も緊張を解き、ティータイムを楽しんだ。
⸻
その頃、鉱山の坑道の奥。
ガリガリガリッ――
岩を引っ掻く音が響く。
狂気じみた真っ赤な瞳が二つ、真っ暗な闇に光っていた。
「もう、俺には失う物は何も無い。待っているぞ」
さらにその奥。
稲光を纏った金髪の男が走る。
「特別な血を持つ王女か。魚が餌に食いついて来たら、二匹いっぺんに魔神様に献上できるな。さあ、餌に寄って来い。グハハハッ!」
フィーネたちは、罠が待ち受けていることをまだ知らず、鉱山へ向かう準備を進めていた。
鉱山の町の風は止み、静寂が訪れる。それはまるで、これから起こる嵐を声を潜めて待ち構えているかのようだった。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
ここはウエス城の城下町。
国王との謁見を終えたフィーネたちは、宿屋で作戦会議を開いていた。
「国王陛下の依頼だから、断るという選択肢はないわ。さて、何から手をつけるか……」
フィーネは腕組みをし、考え込む。
フィーネは腕組みをし、考え込む。
「あの紋章の入った布切れが、唯一の手掛かりね。あれは魔神教の印。魔神教の動きがないか聞き込みするのが近道だと思う」
スザクが言った。
スザクが言った。
「スザクの言う通り。まずは手分けして聞き込みをしましょう」
ホウオウが後押しする。
ホウオウが後押しする。
「よし!早速聞き込みを始めよう」
ゴブローはすぐにでも動きたそうにウズウズしている。
ゴブローはすぐにでも動きたそうにウズウズしている。
「僕の町の炭鉱に棲みついた魔物も、もしかしたら関係しているかも知れない。稲光のようなものを見た人もいるし、怪しいフードの男の目撃情報もある」
オルガが深刻な顔で言った。
オルガが深刻な顔で言った。
「稲光に謎のフードの男か……確かに気になるな」
イブが呟く。
イブが呟く。
「じゃあ、まずは手分けして城下町の聞き込みをしましょう」
フィーネが話をまとめた。
フィーネが話をまとめた。
⸻
こうして、フィーネたちは城下町を聞き込みして回った。
三日後。
「皆んな、聞き込みの結果はどうだった?」
フィーネが皆に訊ねる。
フィーネが皆に訊ねる。
「私とハクは子供たちに話を聞いたけど、役に立ちそうな情報はなかった。エリーゼ王女は私と同じくらいの歳で、金髪の可愛い女の子だって」
リリィが申し訳なさそうに話した。
リリィが申し訳なさそうに話した。
「ありがとう、リリィ、ハク。他は?」
フィーネが訊ねる。
フィーネが訊ねる。
「僕とアイリスも大した情報はなかったな。何故か僕たちが近づくと、皆逃げちゃうんだ……」
イブが悲しそうな顔で言う。
イブが悲しそうな顔で言う。
「……そりゃ、女神と妖精が近づいてきたら、普通の人は逃げるだろ……」
ゴブローがボソッと言った。
ゴブローがボソッと言った。
「イブ、アイリス。ありがとう。じゃあ次」
フィーネが促す。
フィーネが促す。
「僕とゴブローは、魔神教の噂話を聞けた。魔神教の連中はエルドランドを根城にして勢力を拡大しているみたいだ。ノーザリアがイストリアに攻め込んだのも、裏で魔神教が絡んでいるらしい」
オルガが深刻な顔で言う。
オルガが深刻な顔で言う。
「オルガ、ゴブロー、ありがとう」
フィーネがうなづいた。
フィーネがうなづいた。
「私とスザクも魔神教の噂を聞いたわ。魔神教は特別な血を欲しがっているみたい。女神の魂を持つ子供の血もそう。エリーゼ王女は特別な血を持っているから、拐われたのかも」
ホウオウはフウっと息を吐いた。
ホウオウはフウっと息を吐いた。
「ありがとう、ホウオウ、スザク。かなり有力な情報ね」
フィーネはうなづく。
フィーネはうなづく。
「エリーゼ王女がリリィと同じように特別な血を持っているから拐われたのなら、命が危ないな」
イブが言う。
イブが言う。
「鉱山に棲みついた魔物が、何か関係している気がするよ。勘だけど」
オルガが言った。
オルガが言った。
フィーネは少し考え、
「よし!オルガの町に行きましょう。そこでまた聞き込みをして情報収集よ」
力強く話した。
「よし!オルガの町に行きましょう。そこでまた聞き込みをして情報収集よ」
力強く話した。
「エリーゼ王女……私が必ず助ける!」
リリィは決意を新たにした。
リリィは決意を新たにした。
⸻
こうして、一行は馬車で数週間かけて鉱山の町に戻った。
町一番の店「ブルークリスタル」で英気を養い、翌日から聞き込みを開始。
二日後。
「ブルークリスタル」に集まったフィーネたちは、情報を精査した。
「リリィとおいらは、フードの男と女の子が鉱山の方に歩いていたって話を聞いたぞ」
ハクが自慢げに言う。
ハクが自慢げに言う。
「ホウオウと私は、フードの男が歩いた後、体がビリビリしたっていう話を聞いたわ。男が雷の魔力を持ってるからだと思う。恐らく男の正体は……ライジン」
スザクが声を震わせながら言う。
スザクが声を震わせながら言う。
「俺とオルガは、気になる情報を聞いた。フードの男の近くに、もう一人、図体のデカい不気味な男がいたって言うんだ。全身に火傷を負っているようだとも」
ゴブローが言う。
ゴブローが言う。
「全身に火傷を負った大男……まさか?ゲンブ?」
ホウオウは信じられない表情で言う。
ホウオウは信じられない表情で言う。
「なるほどね。これで全体像が大分見えて来たわ。王女が囚われているのは鉱山で間違いなさそうね」
フィーネが確信を持って言った。
フィーネが確信を持って言った。
「そうとなれば、すぐにでも助けに行こう!」
オルガが前のめりに言う。
オルガが前のめりに言う。
「その前に、紅茶を飲んで一服しましょう」
フィーネが言う。
「そうじゃな、慌てても碌な事はない」
イブも同意した。
フィーネが言う。
「そうじゃな、慌てても碌な事はない」
イブも同意した。
他の皆も緊張を解き、ティータイムを楽しんだ。
⸻
その頃、鉱山の坑道の奥。
ガリガリガリッ――
岩を引っ掻く音が響く。
岩を引っ掻く音が響く。
狂気じみた真っ赤な瞳が二つ、真っ暗な闇に光っていた。
「もう、俺には失う物は何も無い。待っているぞ」
「もう、俺には失う物は何も無い。待っているぞ」
さらにその奥。
稲光を纏った金髪の男が走る。
「特別な血を持つ王女か。魚が餌に食いついて来たら、二匹いっぺんに魔神様に献上できるな。さあ、餌に寄って来い。グハハハッ!」
「特別な血を持つ王女か。魚が餌に食いついて来たら、二匹いっぺんに魔神様に献上できるな。さあ、餌に寄って来い。グハハハッ!」
フィーネたちは、罠が待ち受けていることをまだ知らず、鉱山へ向かう準備を進めていた。
鉱山の町の風は止み、静寂が訪れる。それはまるで、これから起こる嵐を声を潜めて待ち構えているかのようだった。