第73話
ー/ー「ヤス、この皿は食器棚に置けばいいの?」
「うん。いつも皿を置いてあるところに閉まっているから、そこで構わないよ」
プレゼント交換が終わり、一通りパーティーもお開きになると、後はリビングのお掃除だけとなった。
僕は食器を洗ったり生ごみの片付けをして、朋恵は食器の後片付けをしていた。
愛未は掃除機を取り出して、リビングの掃除をしていた。
「ふぅ……」
ひとまずすべての食器を洗い終えると、壁に掛けてある時計を見た。
もう既に午後八時か……。
今から帰って大丈夫なのか?
「二人とも、今日は帰らなくてもいいのか?」
二人に話しかけると、揃って首を横に振った。
それって、泊まるってこと……だよな?
「パパに話したら、『今夜は決めてこいよ』って言われたからね」
「私なんか、父さんに『朋恵の友達ならば安心だろう』って話していたよ。理解してもらえて良かったよ」
朋恵のご両親にはこないだ会ったばかりだからわかるが、一度も会ったことがない愛未のご両親も僕のことを朋恵の友達として認めてくれていた。
これは……、期待していいのか?
「それじゃあ、アタシ達二人でお風呂頂いていいかな?」
「ああ、良いよ」
首を縦に振ると、二人はバッグを携えて僕の部屋の方に消えていった。
お風呂も入るということは、つまりは……その、するのか? それとも、ただのお泊りか……。
仮にするとしても、第一僕にはアレがない。
アレがないということは、確実に……。
……色々とシミュレートしても、これは確実に不味いだろう。
これはひょっとしてネットで噂の「性の六時間」になるのか?
しかも相手は二人だぞ。
一人はギャル、もう一人はイケメン女子だ。
もしこの二人としたことがクラスの男子に知られてみろ。「この〇〇〇〇野郎が!」と怒鳴られた末に干されてしまう。
……とはいえ、二人と……。
イカン、イカン、イカン、イカン!
僕は家族のLINEアカウントを見ると、父さん達から「今夜はこのまま泊まる」とのメッセージが入っていたのを確認した。
つまり、明日の朝まで僕の家には僕と朋恵、愛未の三人と一緒に居るってことか。
朝ご飯はどうしようか……と思ったけど、冷蔵庫に色々あるし、何だったら買い物すればいいだけの話だ。
幸い、ちょっと歩いたところにはコンビニもあるし……。
「ヤス~、お風呂あがったよ。部屋に居るから早く来てね」
「ヤス君、着替えは置いておいたからね」
色々と考えていると、お風呂場から二人が上がったらしく僕に声を掛けてきた。
慌てて僕は廊下の方を振り返ると、二人は既に部屋の中に駆け込むように消えていった。
……これはますます怪しい予感がする。
「……入らないと不味いな……」
引き返せないと気づいた僕は、シャワーを浴びに風呂場に向かった。
◇
「ふぅ……」
風呂場から出ると、そこには愛用のトランクスとTシャツが置いてあったのに気がついた。
いつも着ているパジャマは……、あった。
ふと、僕は頭の中に心美と別れた日のことを思い出した。
――夏休みには先輩の部屋で他の女の子達やサッカー部の先輩達と夜通し遊んだよ。
心美が複数の男と絡み合い、交わったと聞かされた時、僕はふと自分自身が怒張していた。
僕にはそんな性癖がないというのに、どうして……。
なぜこのことを思い出したのか、僕には分からなかった。
着替え終わると、彼女達が待っている僕の部屋の前に辿りついた。
ドアをノックすると、「お風呂、上がったよ」と部屋の中に居る二人に告げた。
すると、扉の向こうからは「良いよ、入って」との声がした。
朋恵とも、愛未とも区別がつかなかったけど……、入ろう。
僕は意を決して部屋に入ると、そこには……。
「あ、お待たせ」
「もう準備が出来ているよ」
チア部のユニフォーム……ではない、パーティー向けのチア衣装に身を包んだ朋恵と愛未がベッドの上に座っていた。
そして、二人の手には学校で使うものとは違う、パーティーグッズのポンポンを手にしていた。
これは……期待していいのだろうか。
「大丈夫なのか、この格好で」
「うん、暖房はつけておいたから」
部屋の片隅に取り付けられてあるエアコンを見ると、ルーバーが上下に動いていた。
リモコンは……ベッドの上にあった。
なるほど、ここまで気を配っているのであれば大丈夫そうだな。
「ヤス、アタシ達の隣に座ってよ」
僕にそう話すと、二人は移動して僕の座るスペースを作った。
……いいのか? 座っていいのか?
こわばりながら間に座ると、二人の体からは甘い香りが漂っていた。
おかしいな。普段は別々の香りがするのに、今日は同じ香りがする。
「あ、あの……」
「ん? 何?」
「同じ香りにしているのは……」
「……一緒のシャンプーを使ったからさ……。トモと同じものをね」
「……そ、そうなんだ……」
何なんだろう、さっきから全く動きそうにない。
左側を見ると愛未が、右側を見ると朋恵がさっきよりも近くに居る。
二人の体温をこんなに近くまで感じるなんて……。
「……ねぇ、ヤス……」
甘えた声で朋恵が囁く。
僕は彼女の居る方を振り向くと……。
「……ん……」
刹那、朋恵の方から僕に唇を重ねた。
朋恵は僕を強く抱きしめると、口の中に舌を入れてきた。
何なんだ、と思った僕は朋恵の口の中に自分の下を入れた。
……って、これ、まさか……フレンチキスか……?
「ん……、ん……っ」
下の感触を味わっていると、背後に居る愛未が僕に抱きついた。
すると、愛未が「ヤス君、次は私にもキスして欲しい」と囁いた。
朋恵の唇と僕の唇には、涎で出来た銀の糸が垂れ下がっていた。
朋恵の顔は既に蕩けていて、僕の体を貪りたくてたまらない目つきをしていた。
愛未にキスをすると、愛未も同じように舌を絡めてきた。
先程の朋恵と同じように胸の体温を感じ取りながら抱き合うと、朋恵が後ろから僕に抱きついた。
後ろから朋恵の「……抱いてよ……」との甘い囁き声を聞きながら。
しばらくしてゆっくりと唇を離すと、涎で出来た銀の糸がまた垂れ下がった。
……これは、二人とも期待して……いいな。
その前に、真意を聞かないと。
「どういうこと……?」
「……アタシね、こないだから考えたの。ほら、今日はクリスマス・イブじゃない。それにヤスのご両親が出掛けていると聞いたじゃない」
出かけるどころか、今夜はそのままホテルで泊まるそうだ。
いい年でクリスマスデートだけど……、今日は両親に感謝したい。
というか、もう父さん達と同じことになりそうだよ。
「……それに、こないだトモと約束したんだ。二人でヤス君を奪い合うよりも、どちらかが進学や就職などでこの街を離れたり、別の恋人ができる時まではヤス君の事を想い続けよう、ってね。だから……」
「だから?」
僕はその次の言葉が何なのか、瞬時で分かった。
そう……。
「「アタシ(私)達の処女、貰ってください」」
……本当か? と思い、二人の目を見た。
二人の瞳からはハートマークがにじみ出ていて、今すぐにでも抱いてもらいたいと語っている。
だけど、避妊具は何処にあるんだ……?
「避妊具なら、私が用意してきたから大丈夫だよ。ほら、君の勉強机の上に三箱あるから」
愛未に言われるがままに勉強机を見ると、コンドームの箱が一、二、……三箱あった。そのうち一箱は開封済みで、朋恵と愛未の胸元にもそれぞれ一つずつ挟まれていた。
「三箱って、もしやドラッグストアで安売りしている定番の?」
「そう。だから、心配しなくてもいいよ。今夜は寝かさないからね」
「そうだよ、今夜は搾り取るからね」
……もう、二人とも覚悟はしていたのか。
……よし、それならば……。
「朋恵……っ!」
「キャッ! ヤス、大胆だよぉ~」
……僕はその勢いのまま朋恵を押し倒し、朋恵の柔らかい体に舌鼓を打った。
そして愛未の体をも味わいつくした……。
……夜はしんしんと更けていく。
その中で、僕達は互いがはじめてだということを忘れ、辛い思いを忘れるかの如く愛し合った。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
「ヤス、この皿は食器棚に置けばいいの?」
「うん。いつも皿を置いてあるところに閉まっているから、そこで構わないよ」
プレゼント交換が終わり、一通りパーティーもお開きになると、後はリビングのお掃除だけとなった。
僕は食器を洗ったり生ごみの片付けをして、朋恵は食器の後片付けをしていた。
愛未は掃除機を取り出して、リビングの掃除をしていた。
「ふぅ……」
ひとまずすべての食器を洗い終えると、壁に掛けてある時計を見た。
もう既に午後八時か……。
今から帰って大丈夫なのか?
「二人とも、今日は帰らなくてもいいのか?」
二人に話しかけると、揃って首を横に振った。
それって、泊まるってこと……だよな?
「パパに話したら、『今夜は決めてこいよ』って言われたからね」
「私なんか、父さんに『朋恵の友達ならば安心だろう』って話していたよ。理解してもらえて良かったよ」
朋恵のご両親にはこないだ会ったばかりだからわかるが、一度も会ったことがない愛未のご両親も僕のことを朋恵の友達として認めてくれていた。
これは……、期待していいのか?
「それじゃあ、アタシ達二人でお風呂頂いていいかな?」
「ああ、良いよ」
首を縦に振ると、二人はバッグを携えて僕の部屋の方に消えていった。
お風呂も入るということは、つまりは……その、《《する》》のか? それとも、ただのお泊りか……。
仮に《《する》》としても、第一僕には《《アレ》》がない。
《《アレ》》がないということは、確実に……。
……色々とシミュレートしても、これは確実に不味いだろう。
これはひょっとしてネットで噂の「性の六時間」になるのか?
しかも相手は二人だぞ。
一人はギャル、もう一人はイケメン女子だ。
もしこの二人としたことがクラスの男子に知られてみろ。「この〇〇〇〇野郎が!」と怒鳴られた末に干されてしまう。
……とはいえ、二人と……。
イカン、イカン、イカン、イカン!
僕は家族のLINEアカウントを見ると、父さん達から「今夜はこのまま泊まる」とのメッセージが入っていたのを確認した。
つまり、明日の朝まで僕の家には僕と朋恵、愛未の三人と一緒に居るってことか。
朝ご飯はどうしようか……と思ったけど、冷蔵庫に色々あるし、何だったら買い物すればいいだけの話だ。
幸い、ちょっと歩いたところにはコンビニもあるし……。
「ヤス~、お風呂あがったよ。部屋に居るから早く来てね」
「ヤス君、着替えは置いておいたからね」
色々と考えていると、お風呂場から二人が上がったらしく僕に声を掛けてきた。
慌てて僕は廊下の方を振り返ると、二人は既に部屋の中に駆け込むように消えていった。
……これはますます怪しい予感がする。
「……入らないと不味いな……」
引き返せないと気づいた僕は、シャワーを浴びに風呂場に向かった。
◇
「ふぅ……」
風呂場から出ると、そこには愛用のトランクスとTシャツが置いてあったのに気がついた。
いつも着ているパジャマは……、あった。
ふと、僕は頭の中に心美と別れた日のことを思い出した。
――夏休みには先輩の部屋で他の女の子達やサッカー部の先輩達と夜通し《《遊んだ》》よ。
心美が複数の男と絡み合い、交わったと聞かされた時、僕はふと《《自分自身》》が怒張していた。
僕にはそんな性癖がないというのに、どうして……。
なぜこのことを思い出したのか、僕には分からなかった。
着替え終わると、彼女達が待っている僕の部屋の前に辿りついた。
ドアをノックすると、「お風呂、上がったよ」と部屋の中に居る二人に告げた。
すると、扉の向こうからは「良いよ、入って」との声がした。
朋恵とも、愛未とも区別がつかなかったけど……、入ろう。
僕は意を決して部屋に入ると、そこには……。
「あ、お待たせ」
「もう準備が出来ているよ」
チア部のユニフォーム……ではない、パーティー向けのチア衣装に身を包んだ朋恵と愛未がベッドの上に座っていた。
そして、二人の手には学校で使うものとは違う、パーティーグッズのポンポンを手にしていた。
これは……期待していいのだろうか。
「大丈夫なのか、この格好で」
「うん、暖房はつけておいたから」
部屋の片隅に取り付けられてあるエアコンを見ると、ルーバーが上下に動いていた。
リモコンは……ベッドの上にあった。
なるほど、ここまで気を配っているのであれば大丈夫そうだな。
「ヤス、アタシ達の隣に座ってよ」
僕にそう話すと、二人は移動して僕の座るスペースを作った。
……いいのか? 座っていいのか?
こわばりながら間に座ると、二人の体からは甘い香りが漂っていた。
おかしいな。普段は別々の香りがするのに、今日は同じ香りがする。
「あ、あの……」
「ん? 何?」
「同じ香りにしているのは……」
「……一緒のシャンプーを使ったからさ……。トモと同じものをね」
「……そ、そうなんだ……」
何なんだろう、さっきから全く動きそうにない。
左側を見ると愛未が、右側を見ると朋恵がさっきよりも近くに居る。
二人の体温をこんなに近くまで感じるなんて……。
「……ねぇ、ヤス……」
甘えた声で朋恵が囁く。
僕は彼女の居る方を振り向くと……。
「……ん……」
刹那、朋恵の方から僕に唇を重ねた。
朋恵は僕を強く抱きしめると、口の中に舌を入れてきた。
何なんだ、と思った僕は朋恵の口の中に自分の下を入れた。
……って、これ、まさか……フレンチキスか……?
「ん……、ん……っ」
下の感触を味わっていると、背後に居る愛未が僕に抱きついた。
すると、愛未が「ヤス君、次は私にもキスして欲しい」と囁いた。
朋恵の唇と僕の唇には、涎で出来た銀の糸が垂れ下がっていた。
朋恵の顔は既に蕩けていて、僕の体を貪りたくてたまらない目つきをしていた。
愛未にキスをすると、愛未も同じように舌を絡めてきた。
先程の朋恵と同じように胸の体温を感じ取りながら抱き合うと、朋恵が後ろから僕に抱きついた。
後ろから朋恵の「……抱いてよ……」との甘い囁き声を聞きながら。
しばらくしてゆっくりと唇を離すと、涎で出来た銀の糸がまた垂れ下がった。
……これは、二人とも期待して……いいな。
その前に、真意を聞かないと。
「どういうこと……?」
「……アタシね、こないだから考えたの。ほら、今日はクリスマス・イブじゃない。それにヤスのご両親が出掛けていると聞いたじゃない」
出かけるどころか、今夜はそのままホテルで泊まるそうだ。
いい年でクリスマスデートだけど……、今日は両親に感謝したい。
というか、もう父さん達と同じことになりそうだよ。
「……それに、こないだトモと約束したんだ。二人でヤス君を奪い合うよりも、どちらかが進学や就職などでこの街を離れたり、別の恋人ができる時まではヤス君の事を想い続けよう、ってね。だから……」
「だから?」
僕はその次の言葉が何なのか、瞬時で分かった。
そう……。
「「アタシ(私)達の処女、貰ってください」」
……本当か? と思い、二人の目を見た。
二人の瞳からはハートマークがにじみ出ていて、今すぐにでも抱いてもらいたいと語っている。
だけど、避妊具は何処にあるんだ……?
「避妊具なら、私が用意してきたから大丈夫だよ。ほら、君の勉強机の上に三箱あるから」
愛未に言われるがままに勉強机を見ると、コンドームの箱が一、二、……三箱あった。そのうち一箱は開封済みで、朋恵と愛未の胸元にもそれぞれ一つずつ挟まれていた。
「三箱って、もしやドラッグストアで安売りしている定番の?」
「そう。だから、心配しなくてもいいよ。今夜は寝かさないからね」
「そうだよ、今夜は搾り取るからね」
……もう、二人とも覚悟はしていたのか。
……よし、それならば……。
「朋恵……っ!」
「キャッ! ヤス、大胆だよぉ~」
……僕はその勢いのまま朋恵を押し倒し、朋恵の柔らかい体に舌鼓を打った。
そして愛未の体をも味わいつくした……。
……夜はしんしんと更けていく。
その中で、僕達は互いがはじめてだということを忘れ、辛い思いを忘れるかの如く愛し合った。