第17話

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 うちらの学校は公立校であるにもかからず、野球やサッカー、テニス、ハンドボール、剣道、水泳とスポーツが盛んな一方で、文化部も全国大会に出場するほどの活躍を見せている。
 美術部や音楽部、放送部などの部室は本校舎にある一方で、南校舎の西端にある部室棟には軽音楽部や文芸部、そしてe-Sports愛好会と、一癖ある部活が揃っている。

 北校舎の四階から渡り廊下を歩き、そこから職員室を抜けると、部室棟が見えてくる。そこから階段を登ると、部室棟の三階に辿りついた。
 手前の部屋にはe-Sports愛好会が一教室を全部使っていて、その隣が文芸部の部室となっている。

 部室の前を通ると、そこには可愛らしいイラストと「何方でも、e-Sports愛好会にうぇるかむかもーん!」と書かれたポスターがあった。
「うぇるかむかもーん」ってどういうことなんだよ。普通はウェルカムだけでいいだろ。
 僕は誰かが居ることを期待して、部室の扉をノックした。

「はい、どちら様ですか?」
「あの~、一年三組の富樫泰久です。同じクラスの藤島さんの紹介でこちらにお邪魔しました」
「どうぞ、入っていいよ」

 ん? ノックしたら中から二人分の声が聞こえてきた。しかも女性の声だ。
 確か二年生は四人居るって聞いたけど、そのうち二人は女子生徒ということか?
 よし、入ってみよう。

「お邪魔します」
「「いらっしゃいませ~」」

 部屋に入ると、髪が長くて身長が150センチメートル代前半とやや小ぶり(但し胸は理想的なサイズ)で制服姿の二年生(リボンの色で分かった)とショートヘアーでこれまた先に現れた生徒と体格が同じ二年生が出迎えてくれた。

「君が奏音ちゃんから紹介された子なの?」
「はい。一年三組の藤島さんのクラスメイトである富樫泰久です」
「私はここの会長をしている二年三組の国分(こくぶ)桃花(ももか)だよ。そしてこちらが……」
「副会長をしている二年三組の国分(こくぶ)桜花(おうか)! よろしく、富樫君」
「は、はい……」

 桃花先輩は見た感じでは割と落ち着いている感じがする一方で、桜花先輩は流石王道を行く女子高生といった感じがする。
 名前から想像するに、双子っぽいな。

 部屋の中を見てみると、教室の半分くらいあるスペースに机が並んでいて、その下に四台ものデスクトップPCとモニターがずらりと並んでいる。
 しかも、PCは高校生のeスポーツを応援するPCメーカーのものをそのまま利用している。
 見た感じでは、うちの自宅にあるゲーミングノートPCよりも性能ははるかに良さそうだ。

「ところで、二人で何をしていたんですか?」
「んー、ちょっとこっちに来てくれる? ほら、私が使っていたパソコンで良いから」

 桃花先輩に案内されて、先程まで彼女が使っていたであろうPCのモニターを見ると、射撃場らしき画面が映し出されていた。

「これって、何かと話題になっているバトルロイヤル形式の……ですか?」
「バトルロイヤルとはちょっと違うかな~。どちらかというと、Counter Attack Global BattleやRainy Six Siegeに近い感じのゲームだね。そちらについては後でじっくりと説明するよ」

 このゲーム、実況配信などでは見たことがあるが、いざやってみようとしてもなかなか興味が沸かずにほったらかしにしていたな。
 しかも、桜花先輩が「やってみる?」と僕のほうを向いて尋ねてくる。
 参ったな。こういうゲームはやったことがないのに、本当に僕がやっても良いのだろうか?

 ――富樫君もゲームをやればいいんですよ、私達と一緒に。

 さっきの藤島さんの言葉が頭をよぎった。

 やらないままで居るよりも、やって後悔したほうが良い。
 ……よし、やってみよう。

 僕は桃花先輩が座っていた椅子に座ると、右手をマウスに、左手をキーボードの特定のポジションに置いた。
 ただ、これってどういうゲームなのか全く分からないな……。

「まず、このゲームは5対5で戦って、13回勝利したチームが勝つという流れになっているの。攻撃側はスパイクという爆弾を設置して起爆するか相手を全滅させるか、防御側は設置を阻止もしくは解除するか、または相手を全滅させれば勝利となるんだ」
「桃花の話の補足だけど、このゲームは何かと話題になっているFPSと同じように各キャラクターにアビリティといって特殊能力が設定されているのよ。どのキャラクターを選ぶかはプレイヤーの腕次第だよ!」

 両サイドから二人の話を聞いていると、どういった内容のゲームなのか全く分からないな。分からないような……。



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 うちらの学校は公立校であるにもかからず、野球やサッカー、テニス、ハンドボール、剣道、水泳とスポーツが盛んな一方で、文化部も全国大会に出場するほどの活躍を見せている。
 美術部や音楽部、放送部などの部室は本校舎にある一方で、南校舎の西端にある部室棟には軽音楽部や文芸部、そしてe-Sports愛好会と、一癖ある部活が揃っている。
 北校舎の四階から渡り廊下を歩き、そこから職員室を抜けると、部室棟が見えてくる。そこから階段を登ると、部室棟の三階に辿りついた。
 手前の部屋にはe-Sports愛好会が一教室を全部使っていて、その隣が文芸部の部室となっている。
 部室の前を通ると、そこには可愛らしいイラストと「何方でも、e-Sports愛好会にうぇるかむかもーん!」と書かれたポスターがあった。
「うぇるかむかもーん」ってどういうことなんだよ。普通はウェルカムだけでいいだろ。
 僕は誰かが居ることを期待して、部室の扉をノックした。
「はい、どちら様ですか?」
「あの~、一年三組の富樫泰久です。同じクラスの藤島さんの紹介でこちらにお邪魔しました」
「どうぞ、入っていいよ」
 ん? ノックしたら中から二人分の声が聞こえてきた。しかも女性の声だ。
 確か二年生は四人居るって聞いたけど、そのうち二人は女子生徒ということか?
 よし、入ってみよう。
「お邪魔します」
「「いらっしゃいませ~」」
 部屋に入ると、髪が長くて身長が150センチメートル代前半とやや小ぶり(但し胸は理想的なサイズ)で制服姿の二年生(リボンの色で分かった)とショートヘアーでこれまた先に現れた生徒と体格が同じ二年生が出迎えてくれた。
「君が奏音ちゃんから紹介された子なの?」
「はい。一年三組の藤島さんのクラスメイトである富樫泰久です」
「私はここの会長をしている二年三組の国分《こくぶ》桃花《ももか》だよ。そしてこちらが……」
「副会長をしている二年三組の国分《こくぶ》桜花《おうか》! よろしく、富樫君」
「は、はい……」
 桃花先輩は見た感じでは割と落ち着いている感じがする一方で、桜花先輩は流石王道を行く女子高生といった感じがする。
 名前から想像するに、双子っぽいな。
 部屋の中を見てみると、教室の半分くらいあるスペースに机が並んでいて、その下に四台ものデスクトップPCとモニターがずらりと並んでいる。
 しかも、PCは高校生のeスポーツを応援するPCメーカーのものをそのまま利用している。
 見た感じでは、うちの自宅にあるゲーミングノートPCよりも性能ははるかに良さそうだ。
「ところで、二人で何をしていたんですか?」
「んー、ちょっとこっちに来てくれる? ほら、私が使っていたパソコンで良いから」
 桃花先輩に案内されて、先程まで彼女が使っていたであろうPCのモニターを見ると、射撃場らしき画面が映し出されていた。
「これって、何かと話題になっているバトルロイヤル形式の……ですか?」
「バトルロイヤルとはちょっと違うかな~。どちらかというと、Counter Attack Global BattleやRainy Six Siegeに近い感じのゲームだね。そちらについては後でじっくりと説明するよ」
 このゲーム、実況配信などでは見たことがあるが、いざやってみようとしてもなかなか興味が沸かずにほったらかしにしていたな。
 しかも、桜花先輩が「やってみる?」と僕のほうを向いて尋ねてくる。
 参ったな。こういうゲームはやったことがないのに、本当に僕がやっても良いのだろうか?
 ――富樫君もゲームをやればいいんですよ、私達と一緒に。
 さっきの藤島さんの言葉が頭をよぎった。
 やらないままで居るよりも、やって後悔したほうが良い。
 ……よし、やってみよう。
 僕は桃花先輩が座っていた椅子に座ると、右手をマウスに、左手をキーボードの特定のポジションに置いた。
 ただ、これってどういうゲームなのか全く分からないな……。
「まず、このゲームは5対5で戦って、13回勝利したチームが勝つという流れになっているの。攻撃側はスパイクという爆弾を設置して起爆するか相手を全滅させるか、防御側は設置を阻止もしくは解除するか、または相手を全滅させれば勝利となるんだ」
「桃花の話の補足だけど、このゲームは何かと話題になっているFPSと同じように各キャラクターにアビリティといって特殊能力が設定されているのよ。どのキャラクターを選ぶかはプレイヤーの腕次第だよ!」
 両サイドから二人の話を聞いていると、どういった内容のゲームなのか全く分からないな。分からないような……。